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ドコモら、80GHz帯で世界最高140Gbpsの実験に成功!無線活用でバックホール回線の柔軟な構築が可能に

NTTドコモ(以下、ドコモ)と日本電信電話(以下、NTT)、日本電気(以下、NEC)は24日、将来的な第6世代の移動通信システム(以下、6G)の時代に向けて高周波数帯を使った無線通信技術の開発に取り組む中で、今回、71GHzから86GHzのミリ波帯を使って世界最高となる140Gbpsの伝送の実証実験に成功したと発表した。

<▲画像:実環境でのリアルタイム無線伝送技術(100GHz未満)に対する本成果の位置づけ、OAMモード多重伝送装置>

この実験では、OAM(Orbital Angular Momentum、軌道角運動量)モード多重伝送技術によって、上り(アップロード側)、下り(ダウンロード側)の双方向でのリアルタイム無線伝送を行っている。

OAMモード多重伝送技術とは、同じ周波数、同じ時間に複数の異なるOAMモードを持つ、複数の電波にそれぞれ信号を多重で送信することで、固定局間の無線伝送を大容量化する技術。

では、そもそもOAMとは? というと、まず、OAMは電波の性質を表す物理量の一つ。

送信電波の同一位相の軌跡が進行方向に対して螺旋状を描くように、送信アンテナから送信される信号の位相差を設定することで生成される。一方の受信側では、受信アンテナで受信した信号の位相を、送信とは逆回転して合成することで受信でき、異なる螺旋構造を持つ複数のOAMモードに対応する無線信号を重ねても、互いに干渉することなく分離できる。

<▲画像:OAMモード多重伝送のイメージ>

この特徴を利用して、複数の異なるデータを空間上に多重することで、帯域を有効活用し、多くのデータを送信できる技術がOAMモード多重伝送技術。

今回の実験で用いられた周波数帯は100GHz未満であり、この周波数帯では世界最高の数値を記録したことになる。

そして、今回のように無線通信でこれほどの大容量通信ができるとなると、バックホール回線に活用できるという。バックホール回線を光ファイバでなく、無線通信とすれば、物理的な自由度が圧倒的に高まることは容易に想像できる。

<▲画像:無線バックホール/フロントホールへの適用例>

例えば、災害時や大規模イベントなどの際に導入される移動基地局と固定基地局間に用いれば、移動基地局で構築する携帯電話通信エリアを大幅に強化することも可能になる。固定基地局間の通信をケーブルレスで行えるメリットも計り知れないだろう。

情報元、参考リンク
NTTドコモ/プレスリリース

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