<▲画像:「星を継ぐもの」シリーズ第5部、最終章となる「ミネルヴァ計画」> |
筆者が学生だった頃と違い、今は書店の数も減ったし、エンタメコンテンツの数も多いので、SF小説を手に取る人も減ったかもしれない。ホーガン氏のメガヒット作である「星を継ぐもの」シリーズを知らない方も多いと思う。
だからこそ、一人でも多くの人にホーガン氏の作品を知ってほしく、個人的に記事にした次第だ。
私はSF小説、SF映画、SFドラマ、SFゲームが大好きだが、SF小説にハマる切っ掛けとなったのが「星を継ぐもの」だったと思う。
筆者の弟が大のブックオフ好きで、小遣いのほとんどを小説に費やし、ジャンルを問わず片っ端から読んでいたのだが、その弟から勧められて読んだことを覚えている。その後、ホーガン氏の作品にハマりこみ、全ての作品を読み、さらには日本語版がリリースされていない原書まで全て揃えた。結局、原書は「Star Child」以外は途中で投げ出してしまったが、その、読んでいない作品の一つが今回、東京創元社から刊行される「ミネルヴァ計画」だ。
「ミネルヴァ計画」は、ジェイムズ・P・ホーガン氏のデビュー作であり、最大のヒット作でもある「星を継ぐもの」シリーズの第5部となる作品。
「星を継ぐもの」は、いわゆる宇宙SF物で、謎解き・科学的推理、発見、驚き等の要素が強く、人気を博し、シリーズ化された。第2部の「ガニメデの優しい巨人」、続く「巨人たちの星」「内なる宇宙」までが日本語版が刊行され、第5部の「ミネルヴァ計画」は未訳となっていた。「ミネルヴァ計画」の原書は「Mission to Minerva」で2005年に刊行されている。その後、約20年経ってからの日本語版の登場だ。
<▲画像:「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙」(本作のみ上下巻構成)> |
何度も繰り返し読んだ「星を継ぐもの」シリーズだが、さすがに今となっては細かな内容は忘れてしまったので、今回の「ミネルヴァ計画」刊行に合わせて最初から読み直すつもりだが、とにかく楽しみで仕方ない。
本記事ではここまで「星を継ぐもの」の概要をほとんど書いていないが、それには理由がある。私自身がほとんど前知識無しで「星を継ぐもの」を読んだが、どう考えても、その方が最大の感動と驚きを得られると思うからだ。
SFファンであれば、宇宙物が好きなのであれば、また、ミステリー物、謎解き物が好きなのであれば、ぜひ手に取って読んでみてほしい。物凄く面白い。また、昨今のSFは怖い内容、グロイ内容などを含む作品も結構あるが、「星を継ぐもの」シリーズにはそういった要素は無いので、怖い物が苦手な人も安心して手に取ってもらって大丈夫だ。
ホーガン氏は2010年7月に亡くなっているため、本来、もう新作は楽しめないわけだが、今回の「ミネルヴァ計画」のように、日本語版が未刊の作品はまだある。そのため、個人的には今後もホーガン氏の作品は全て訳して欲しいと願っているが、そうした動きが生じるかどうかは「ミネルヴァ計画」およびシリーズの過去作品のこれからの売上にかかっているのではないかと思う。
私は結局、ホーガン氏の作品から始まり、SF小説は手当たり次第に読みまくり、今に至るが、未だに物凄く好きな作家は誰かと問われるとホーガン氏だと即答する。ホーガン氏の作品は、実写映画や実写ドラマシリーズなどにはなっていないので、作品の質の高さの割に知名度が低いと思うが、超面白いので、ぜひ「星を継ぐもの」を読んでみて欲しい。
そしてかつて「星を継ぐもの」シリーズを読んだ方には、ついに第5部の「ミネルヴァ計画」が発売されるので「一緒に楽しみましょう!」と言いたい。
すでに予約は可能となっているし、筆者自身も予約済みだ。
「ミネルヴァ計画」は当初、昨年発売予定とされていたので、実際の発売までには時間がかかったが、ついに登場する。
日本語訳は内田昌之氏が手掛け、イラストはお馴染みの加藤直之氏。ページ数は576ページで、価格は1,540円。もちろん、電子書籍版も同日発売なので、「Kindle」などでも読める。