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ついに実現!実用速度のカラーE Inkモニター「Dasung Paperlike Color Revo」が発売!!

E Inkディスプレイ搭載の電子書籍リーダーやAndroidタブレット、モニター(ディスプレイ)などを手掛けるDASUNGが新製品「DASUNG Paperlike Color (Revolutionary)」(以下、「DASUNG Paperlike Color Revo」)を発売した。DASUNG Paperlike Color Revoは、日本でもSKTから販売中のカラーE Ink搭載25.3インチモニター「DASUNG Paperlike Color」の後継機。価格は1,749米ドル。

<▲画像:「DASUNG Paperlike Color Revo」>

しかも、ただの後継機ではなく、E Inkディスプレイ搭載モニターとして、ついに本格的にPC用途に実用可能な性能を持つ製品としての登場となる。従来のE Inkディスプレイでも昨今の製品ではWebサイトのブラウジング時のスクロールや、動画視聴くらいなら何とか可能なレベルのスムースさを実現していたものの、本格的なPC用途となると、ある程度の妥協が必要だった。

筆者自身、DASUNG製品やOnyxの「BOOX」シリーズのユーザーであるため、現状は知っているつもりだが、PC用途をこなせないことはないものの、結局の所、最終的には諦めて通常の液晶モニターに戻る、というパターンを繰り返してきた。何が最も大きな課題かというと、マウスカーソルの反応が不十分なため、操作上、常にストレスが生じるからだ。思いの外、マウスカーソルを動かす頻度が高く、どうしてもイライラする。筆者は目が弱く、長年偏頭痛に悩んでいることもあり、「Sony Reader PRS-505」に始まり、E Ink製品を数多く購入してきた。最終目標は、PC用モニターをE Ink製品で代替することだ。しかし、なかなか難しい。

ところが、今回発売されたDASUNG Paperlike Color Revoは、ついに実用十分な性能を誇る製品に仕上がっているように見えるため、期待感が高い。もはや高揚している。

<▲画像:「DASUNG Paperlike Color Revo」の使用イメージ>

DASUNGによれば、DASUNG Paperlike Color Revoは、世界初となるリフレッシュレート33Hzの、25.3インチのカラーE Inkモニターになるという。実機の動画を見てもらえば一瞬でその性能を理解できると思う。


DASUNGは、DASUNG Paperlike Color Revoの33Hzのリフレッシュレート実現について、「God-Level」と表現しているが、まさにその通り。本製品についても「革命」だと述べているが、それもその通りだ。

明らかに描画スピードが速く、その上、残像(ゴースト)も非常に少ないことが分かる。どう考えても、これだけ速ければ普通にPCのメインモニター(メインディスプレイ)として使えてしまうだろう。33Hzと聞くと、一般的モニターは60Hzなので遅いじゃないかと思われるかもしれないが、ノートPCのUSB Type-C端子からモバイルモニターにHDMI出力する場合には30Hzの場合もあるし、ハッキリ言って、普通にストレスなく使える。

しかも、実機動画を見る限り、明らかにカラー表示のレンジも拡大し、コントラストが改善されている。例えば筆者がデジタルノート兼 資料等の閲覧端末として愛用している「BOOX Note Air3 C」はカラーE Inkディスプレイ搭載だが、DASUNG Paperlike Color Revoほどのカラー表示性能はない。個人的には、それでも十分BOOX Note Air3 Cは気に入っているが、DASUNG Paperlike Color Revoの性能は革命的に異なるレベル。

このカラー再現には「X-Color Filter」が効いているようだ。これによって高レベルの彩度、鮮やかで充実な色を実現したという。

これなら同系統の色の細かな違いすら認識できるだろうし、Webサイトの閲覧時も十分満足できそうだし、カラーの資料も問題なく識別できるだろう。そして動画視聴すらできる。もちろん、ドラマやアニメ、映画などのエンターテインメントの動画についてはテレビや普通のPCモニター、タブレットなどで見る方が満足度は高いと思うが、「見ようと思えば見れる」というのがDASUNG Paperlike Color Revoの凄い所だ。

また、E Inkディスプレイは原理上、どうしても前に表示していた内容が薄っすらと残るという、残像問題が解消できずにいるが、DASUNG Paperlike Color Revoの実機映像を見る限り、残像はほとんど確認できない。昨今のE Ink端末はディスプレイのリフレッシュ技術の向上によって、以前ほどは残像が気にならなくなってきてはいるが、皆無ではない。

ところが、DASUNG Paperlike Color Revoでは「Auto-Clear Tech」によって、常に画面を綺麗な状態にキープできるという。

<▲画像:「Auto-Clear Tech」の概要。下側が「DASUNG Paperlike Color Revo」の場合>

その他、DASUNG Paperlike Color Revoの基本スペックを確認しておこう。

ディスプレイサイズは前述したように25.3インチで、解像度は3,200 x 1,800ドット(この解像度は白黒層であって、恐らくカラー層の解像度はこれより低いだろう)、映像入力ポートとしてHDMI、DisplayPort、USB Type-Cを搭載する(各ポート1つずつ)。加えて、Wi-Fiを介してのワイヤレスでの映像入力もサポートしている(Miracast、AirPlay)。他の入出力端子は、USB Type-Aが3つ、USB Type-Bが1つ、3.5mmオーディオ出力端子が1つ。

<▲画像:「DASUNG Paperlike Color Revo」の入出力端子の一部(他にもUSB Type-Aなどあり)>

本体の重さは約4.63kg。

また、ディスプレイスタンド及び固定プレートは、高さ調整、上下左右の角度調整、90度回転での縦長状態への変更へと対応している。

<▲画像:付属スタンドの機能など>

<▲画像:回転させて縦で使うこともできる>

なお、DASUNG公式ショップの製品ページには重要な注意事項が記載されている。

それによれば、少なくとも本記事執筆時点では、MacOS搭載機、すなわちMacに繋いで使う場合には、正常もしくは安定して表示されない可能性があるという。そのためPC用途ではWindows機を使うことが推奨されている。もしMacで使うのでれば、画面のチラつきや焼き付きを防ぐために「StillColor」というアプリをMacにインストールする必要がある。StillColorというアプリは、GitHubの下記リンク先のページからダウンロードできる。

GitHub/StillColorページ

このアプリはDASUNG Paperlike Color RevoをMacで使う際、毎回必ず起動する必要があるという。そして、万一、StillColorを使ってもチラつきが起きる場合には、使用を止めて、DASUNGに連絡して欲しいという。不適切な操作を行うことによって保証が無効になる場合があるとのこと。

なお、DASUNGの製品は、日本ではSKTが正規代理店としてAmazon、Yahoo!ショッピング、楽天市場などで販売しているので、恐らくDASUNG Paperlike Color Revoもしばらく経てば、SKTが取り扱うのではないかと期待されるが、どうしても早く手に入れたい、というのであればDASUNG公式ストアで購入するしかないかもしれない。ただ、DASUNG Paperlike Color Revoは、Wi-Fi機能を搭載しており、日本で無線を使うための技適を取得しているのかどうかは分からない。

また、昨今の円安のため、日本円にするとかなり高額になる。計算しやすいように仮に1ドル150円で換算すると、1,749ドルは262,350円になる。約26万円だ。高い……。SKTでの販売価格だと30万円位になる可能性もあるかもしれない。

とはいえ、ついに高速のカラーE Inkモニターが登場したことで、筆者のような目の弱い方、頭痛に悩んでいる方にとっては、ディスプレイに関しては良い時代に突入するかもしれない。

情報元、参考リンク
DASUNG公式サイト/DASUNG Paperlike Color Revo製品ページ

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