<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」のパッケージと本体> |
そのTicWatchシリーズの最新ハイエンドモデル「TicWatch Pro 5 Enduro」(ティックウォッチ プロ ファイブ エンデューロ)の実機レビューをお届けしたい。
ちなみにTicWatch Pro 5 Enduroは「TicWatch Pro 5」というベースモデルを進化・改良した製品。ベースモデルとは共通点も多いので、関心がある方はTicWatch Pro 5の実機レビュー記事も参照して欲しい。
<▲画像:ベースモデルの「TicWatch Pro 5」> |
最初にTicWatch Pro 5 Enduroの印象を一言で表すと「素晴らしい」に尽きる。
ベースモデルと迷った場合、予算に余裕があるのなら、間違いなくTicWatch Pro 5 Enduroを購入すべき。ディスプレイの綺麗さが段違いだからだ。単独で見た場合にはTicWatch Pro 5にも特に不満はないし、十分勧められるが、並べるとTicWatch Pro 5 Enduroのディスプレイの透過度、クリアさは別格で、とにかく見やすく綺麗。そのため、できればTicWatch Pro 5 Enduroを勧める。しかし、実売価格差が大きい場合にはTicWatch Pro 5のコスパが魅力になるかもしれない。
<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」のディスプレイはクリアでとても綺麗> |
TicWatch Pro 5 Enduroの通常価格は49,999円(税込、以下同)。下はAmazon、楽天市場の商品リンクだ。大体割引クーポンが配布されているので、多少安く購入できるはずだ。
- Amazon/TicWatch Pro 5 Enduro製品ページ
- Amazon/TicWatch Pro 5製品ページ
- 楽天市場/TicWatch Pro 5 Enduro製品ページ
- 楽天市場/TicWatch Pro 5製品ページ
それではTicWatch Pro 5 Enduroを詳しく見ていきたい。なお、本レビューではメーカー提供品のTicWatch Pro 5 Enduroを扱っている。
TicWatch Pro 5 Enduroの実機レビュー
TicWatch Pro 5 Enduroの概要
まずはTicWatch Pro 5 Enduroの概要から見ていこう。ただ、概要はこちらの記事と重複する部分も多いので、すでにある程度ご存知の方は実機レビューの項まで読み飛ばして頂いても問題ない。<▲画像:「TicWatch Pro 5 Enduro」の特徴(※メーカー資料より)> |
前述したように、TicWatch Pro 5 Enduroは、TicWatch Pro 5をベースに、幾つかの点を進化させたスマートウォッチ。Googleのウェアラブルプラットフォーム「Wear OS by Google」を採用しているため、TicWatchシリーズは多機能で拡張性が高いことも魅力。そして、FSTN液晶と有機ELディスプレイを重ね合わせ、状況に応じて表示を切り替えられる「2層ディスプレイ」がハードウェア面での最大の特徴だ。
<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」のディスプレイ表示状態の比較。左が下層の有機ELディスプレイ表示状態、中央が上層のFSTN液晶表示状態(バックライトオン)、右がFSTN液晶表示状態(バックライトオフ)> |
FSTN液晶は電卓などに使われているモノクロの液晶をイメージすると分かりやすい。日時やアクティビティデータの表示には十分。有機ELディスプレイを使う時にはFSTN液晶は非表示になり、下層の有機ELディスプレイまで透過する。知らない人が見れば、この状態だと有機ELディスプレイの上にFSTN液晶が存在していることには気付かないだろう。
運用形態は、普段はFSTN液晶に基本情報のみ表示させ、ユーザーが何らかの操作を行うときにはメインの有機ELディスプレイを表示させる、というもの。FSTN液晶は消費電力がとても低いのでトータルでのバッテリーの持ち(駆動時間)を延ばせるという利点もある。
<▲画像:バッテリーの持ちは最大90時間へ。短時間での急速充電も可能(※メーカー資料より)> |
具体的にはTicWatch Pro 5では「スマートモード」(動作モード)で最大80時間駆動の所、TicWatch Pro 5 Enduroでは最大90時間駆動する。「エッセンシャルモード(省電力モード)」では最大45日間だ。
<▲画像:FSTN液晶について。バックライトは18色(※メーカー資料より)> |
FSTN液晶は常時表示だが、普段はバックライトはオフ。腕を返して画面を見ようとすると自動でバックライトが点灯する。バックライトカラーは18色ある。表示情報は日時、歩数、心拍数、バッテリー残量、Bluetootなどのインジケーターなど。
続いて、TicWatch Pro 5 Enduroの進化点を見ていきたい。TicWatch Pro 5からの主な変化は下記の通りだ。
- ディスプレイガラスの素材変更
- ベゼルの設計変更
- サイドボタンのカスタマイズ機能導入
- 回転式クラウンボタンの改善
- 駆動時間の改善
- Strava、Adidas Runningなどとの連携機能
ディスプレイの素材変更について、TicWatch Pro 5 Eduroでは非常に硬くクリアなサファイアクリスタルガラスを採用している。一方、TicWatch Pro 5では米Corning社のGorilla Glassだ。
<▲画像:「TicWatch Pro 5 Enduro」のポイント(※メーカー資料より)> |
このサファイアクリスタルガラスはモース硬度が9と、ダイヤモンドに次ぐ硬さなので傷がつきにくく割れにくい。その上、非常に透過度が高い。下層の有機ELディスプレイだけでなく上層のFSTN液晶自体も非常にクリアに見える。すでに何度も言及しているように、TicWatch Pro 5 Enduroのディスプレイ表示が綺麗なのは、このサファイアクリスタルガラスのお陰だ。しかも、見やすいだけでなく、全体的な高級感も増したように感じる。こればかりは実機を手に取らないことには実際のところは分からないと思うが、ある程度伝わるように、本記事中にもできるだけ写真を掲載しているので参考になれば幸いだ。
<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」> |
次にベゼルの設計変更だが、側面に細かなアロー形状の加工がされている。これによって、過酷な環境にも耐えられる強度を実現したという。
3項目目のサイドボタンについては機能的な話で、割当機能のカスタマイズが可能になった。デフォルト設定だと「最近使ったアプリ」のリストが表示される。
回転式クラウンボタンは触感を改善し、よりスムースに操作できるようにドーム型になるなど設計変更されている。
<▲画像:クラウン回転ボタンの改善(※メーカー資料より)> |
駆動時間の改善は前述の通り。バッテリー容量はTicWatch Pro 5と同じだが、連続駆動時間は若干延びている。
また、ソフトウェア面での進化として他社サービス/アプリとの連携、データ同期の機能がある。「Strava」「Adidas Running」「Nike Run Club」などのサービス/アプリと連携できる。詳しくは後述するが、実際、Stravaとの同期はできた。TicWatch Pro 5 Enduroで記録したエクササイズデータが、自動的にStravaに転送/同期される。
<▲画像:ワークアウトモードなどについて(※メーカー資料より)> |
ただ、TicWatch Pro 5 Enduroでは元々Google PlayからStravaやAdidas Runningアプリもインストールできるので、特に大きな利点ということでもないかもしれない。とはいえ、TicWatch純正のエクササイズ計測機能(TicExercise)でデータ計測し、スマートフォンアプリ「Mobvoi Health」とStravaで並行管理できるのは、便利といえば便利だしデータ保存の面でも安心だ。
また、睡眠記録機能に「いびき検出」が追加されている。
<▲画像:睡眠計測について(※メーカー資料より)> |
なお、TicWatch Pro 5 EnduroはTicWatch Pro 5と同様、GPSに対応しているので、外出時にスマートフォンを携帯しなくてもTicWatch単独で位置情報を掴み、ランニングやウォーキングのルートを記録できるようになっている。もちろん方位や高度も測定できる。
<▲画像:位置情報、デジタルコンパス、バロメーターなど様々なセンサーを搭載(※メーカー資料より)> |
TicWatch Pro 5 Enduroの基本スペック
TicWatch Pro 5 Enduroの基本スペックは下表の通り。<▲画像:「TicWatch Pro 5 Enduro」のスペック表> |
TicWatch Pro 5 Enduroのパッケージと付属品
TicWatch Pro 5 Enduroのパッケージと付属品は下の写真の通り。<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」のパッケージを開けたところ> |
パッケージはTicWatch Pro 5と同様、あまり見かけないほど長い。ベルトに曲がり癖がつかないよう、伸ばした状態で収納されている。
<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」の内容物> |
TicWatch Pro 5 Enduro本体とベルト、説明書(日本語あり)、安全に関する説明書、充電ケーブルが入っている。
充電ケーブルは片側がUSB Type-A端子、もう一方がTicWatch専用のドック端子だ。ドック端子はTicWatch Pro 5 Enduroの背面の端子に近づけるとマグネットでピタッと吸い付く。
<▲写真:充電ケーブルのドックコネクタ側> |
<▲写真:充電ケーブルを「TicWatch Pro 5 Enduro」の充電端子に接触させたところ> |
デザイン、ボタン、操作性
TicWatch Pro 5 Enduroのデザインは非常にシンプルでオーソドックス。<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」> |
裏面には心拍数や血中酸素濃度などを測定するセンサーや、充電用ドック端子などが配置されている。
<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」の裏面> |
ボタン類は右側面に集中配置されていて、上がサイドボタン、下が回転式クラウンボタンだ。
<▲写真:ボタンは右サイドに配置> |
概要の項で述べたようにTicWatch Pro 5 Enduroでは、ベゼル(額縁部分)と回転式クラウンボタンの設計がベースモデルから変更されている。TicWatch Pro 5のベゼルは、上面に細かい凹凸のローレット加工が施され、側面(斜面)はツルっとした仕上げだったが、TicWatch Pro 5 Enduroでは逆に上面がツルっとした表面で、側面にアロー形状の加工が施されている。この方が強度も強いようだ。
回転式クラウンボタンもTicWatch Pro 5と異なる。
<▲写真:「TicWatch Pro 5」。回転式クラウンボタンは形状が異なり、溝の切り方も違う> |
TicWatch Pro 5では側面の端から端までスリットが刻まれているが、TicWatch Pro 5 Enduroでは角に溝を切っている。加えて、ボタン天面がややドーム型に盛り上がっている。微妙な違いだが、確かに操作はしやすくなった。
<▲写真:こちらは「TicWatch Pro 5 Enduro」。クラウン回転ボタンは確かに回しやすくなっている。スクロール操作などに使う> |
回転式クラウンボタンは押す操作と回す操作の2種類が可能で、押しやすさはTicWatch Pro 5と変わりないが、回す操作は改善している。指の引っ掛かりが良くなったせいか、回しやすい。側面にストレートに溝を切るよりも、角に切る方が引っ掛かりが良いようだ。回す操作は画面のスクロールに使うので、意外と大きな改善点と言えるかもしれない。普段の利便性に直結する。
また、ベルトのデザインも変更されている。TicWatch Pro 5 Enduroのベルトの方が若干凝ったデザインになっていると思うが、大差ないと言えば大差なく、好みの問題。
ベルト幅は24mmで一般的サイズなので、市販の腕時計用のベルト(バンド)やスマートウォッチ用バンドとも交換可能。本体との取り付けは一般的なレバータイプで、工具も不要なので簡単に交換できる。
<▲写真:ベルトは簡単に脱着可能> |
ディスプレイ
TicWatch Pro 5のディスプレイは上層がFSTN液晶、下層が有機ELで、サイズは1.43インチ、解像度は466 x 466(326ppi)。そして新モデルのTicWatch Pro 5 Enduroも同じだ。しかし、カバーガラスがサファイアクリスタルガラスに変更されたことで、見た目の印象も表示の見やすさも大きく向上している。本体デザインはTicWatch Pro 5とほとんど同じなのに受ける印象が大きく異なるのは、サファイアクリスタルガラスの透明度と綺麗さの為だろう。
<▲写真:有機ELディスプレイ表示状態。この上にもう一枚ディスプレイがあるとは思えないほどクリア> |
サファイアクリスタルガラスは本当に透過度が高く、FSTN液晶も有機ELディスプレイも非常にクリアに見える。ガラス表面の質感も高く、非常に綺麗で、とにかく美しい。このガラスのお陰で、高級感まで増している。何度も言うが、とにかく綺麗だ。
本当に、ガラス一つでここまで印象が変わるとは思わなかった。メーカーの資料でサファイアクリスタルガラスに変わったという紹介文を見ても、実際の印象の違いまでは想像できないと思う。
先ほども書いたように、こればかりは実機を見ないと分からないかもしれないが、とにかく綺麗なので、予算が許すのであればTicWatch Pro 5よりもTicWatch Pro 5 Enduroの方が明らかに良いと思う。とはいえ、フォローしておくと、TicWatch Pro 5も良いスマートウォッチで、ディスプレイも決して見難い訳ではない。
<▲写真:FSTN液晶表示状態(バックライト点灯)。※写真には干渉縞が写っていますが実際には見えません> |
さて、上層のFSTN液晶には、日付、曜日、時刻、歩数、心拍数、Bluetoothインジケーター、NFCインジケーター、バッテリー残量が常時表示される。腕を返す動作をしたときにはバックライトが点灯する。
<▲写真:FSTN液晶表示状態(バックライトオフ)> |
バックライトがオフの状態でも文字を読めないことはないが、点灯時の方が圧倒的に見やすい。バックライトは腕を返す動作ですぐに点灯するため、実用上全く問題ない。
屋外での視認性も全く問題ない。
<▲写真:晴天時の屋外での有機ELディスプレイの表示状態> |
<▲写真:晴天時の屋外でのFSTN液晶の表示状態(バックライト点灯)> |
また、もう一枚、屋内での写真を掲載するが、FSTN液晶は屋外での視認性も問題ないが、屋内だとよりクッキリ明確に見える。
<▲写真:上の写真とほぼ同じ時間帯の屋内でのFSTN液晶の表示状態(バックライト点灯)> |
回転式クラウンボタンかサイドボタンを押すとFSTN液晶が非表示(クリア)になり、有機ELディスプレイ側が表示される。このときのウォッチフェイスはプリインストールされている数種類のものから選択できるだけでなく、スマートフォン向けアプリ「Mobvoi Health」を使って、より多くの種類から選ぶことができる。
<▲写真:ウォッチフェイスは数多いデザインから選択できる。この画像はあくまでも一部の例> |
何度も同じことを繰り返し書いているが、サファイアクリスタルガラスのお陰で、とにかくディスプレイがクリアで綺麗になったので、TicWatch Pro 5 Enduroを装着したときの満足感はとても高いと思う。何度も画面を見たくなるほど綺麗だ。
<▲写真:ベゼルの仕上げも美しい> |
駆動時間
TicWatch Pro 5 Enduroの内蔵バッテリーの容量はTicWatch Pro 5と同じ628mAhだが、実際の駆動時間は延びている。「スマートモード」で最大90時間持つとされている。要するに3日+18時間だ。<▲写真:パネルを下ろしたところ> |
バッテリー残量は上の写真のようにパネルでも確認できるし、大抵のウォッチフェイスには残量表示があるし、FSTN液晶にもアイコンでの表示がある。
実際に使った感じでも、概ねカタログスペックに近く、4日間は持つ感じだし、腕から外している時間が長い場合には、もう少し持つ。大体のユーザーが3、4日くらいのインターバルで充電することになると思う。
スマートフォンとのフル連携機能を持つ多機能なスマートウォッチとしては十分なスタミナではないかと思う。
機能
TicWatch Pro 5 Enduroの機能はGoogle Playからアプリをインストールすれば、後からいくらでも拡張できる。これはWear OS by Googleのプラットフォームを採用している大きな利点だ。他社のエクササイズアプリについてもStrava、Adidas Runningなどが普通に使える。初期状態でプリインストールされている機能は下記の通り。
- アラーム
- ストップウォッチ
- スマートフォンを探す
- タイマー
- マップ(Googleマップ)
- メッセージ
- メディア コントロール
- ライト
- 計算機
- 手洗いタイマー
- 天気
- 電話
- 予定リスト
- 連絡先
- Google ウォレット
- Mobvoi ランニング
- One-tap measurement
- TicBarometer
- TicBreathe
- TicCare
- TicCompass
- TicExercise
- TicHealth
- TicShow
- YouTube Music
ベースモデルであるTicWatch Pro 5のレビュー記事にも書いたように、基本的なプリインストール機能は同じだが、エクササイズ(TicExercise)については種類が増えている。
<▲写真:ワークアウトモードの種類は豊富(※メーカー資料より)> |
エクササイズは手動で記録の開始/終了を操作するマニュアル記録のほか、自動的に運動を検知して記録する機能も備わっている。
また、TicWatch Pro 5 Enduroにはコンパス、バロメーター、GPSなどのセンサーが搭載されているので、ウォーキングやランニングのルート記録、高度記録などもスマホ無しでTicWatch Pro 5 Enduroのみを装着した状態で行うことができる。
<▲画像:室外でのウォーキングの記録例。ここには写っていないが、地図及びルートなども記録されている> |
なお、睡眠記録は自動的に行われる。TicWatch Pro 5 Enduroを装着した状態で寝ると、自動的に睡眠状態を検知して記録されるので手間いらずだ。昼寝などの一時的な睡眠も検出できる。睡眠状態(睡眠段階)の他、心拍数、血中酸素濃度、呼吸数などのデータが計測される。さらに、前述したように、TicWatch Pro 5 Enduroでは、新たにいびきの検出もできるようになっている。いびき検出は最初に設定が必要。
<▲画像:睡眠記録の例。たまたま疲れていて夕方に短時間寝た時のもの> |
Strava、Adidas Runningなどとの連携機能
TicWatch Pro 5 EnduroにはStrava、Adidas Runningなどの一部のフィットネスアプリとの連携/データ同期機能が備わっている。<▲画像:左が「Mobvoi Health」アプリでの運動記録画面例、右が「Strava」での例。どちらも地図及びルートも閲覧できるが、Strava側は編集時にグレーで塗りつぶしている。実際にはその部分にマップが表示される> |
しかし、TicWatchの純正エクササイズデータ記録機能(TicExercise)とStravaやAdidas Runningなどを同時起動して同時計測することはできない。例えばStravaアプリを起動してエクササイズデータの計測を始めると、TicExerciseでの計測はできないし、Adidas Runningでも同様。
<▲画像:「Strava」との連携設定画面例> |
そのためStravaも併用したい場合には予め連携設定をしておくことを勧める。連携設定さえ完了してしまえば、TicWatch Pro 5 Enduroでエクササイズデータを計測する際には、毎回TicExerciseを使えばいい。計測終了後、スマートフォンでStravaアプリを開けば、自動的にTicExerciseの計測データが取り込まれ、更新される。同期のための操作は不要だし、とても手軽。
もちろんTicExerciseの計測データはMobvoi Healthアプリで更新・管理できる。個人的にはこのようなダブル管理環境を構築しておく方がいいと思う。
TicExerciseで計測を行い、データ管理/閲覧はMobvoi HealthとStravaを併用するという形だ。Stravaも使っておけばバックアップ的な意味合いでも安心だろう。
ただ、Adidas Runningについては連携設定のやり方がよく分からなかった。私が理解不足なだけかもしれないが、Mobvoi Healthアプリの使い勝手や設定には少々微妙な部分もあるので、今後のアップデートでもう少し改善して欲しいところ。
また、TicWatchでデータをスマートフォンと同期する場合、TicWatch側が省電力モードだとできないので注意して欲しい。データ同期の際にはTicWatch Pro 5 Enduroのサイドボタンを長押しし、通常のモードに復帰させないとならない。省電力モードへの自動切替については、タイマー設定もできるので、様子を見ながら設定を変更するといいと思う。
<▲写真:「省電力モード」の設定画面。タイマー設定は自分の生活パターンに合わせて微調整した方がいいかもしれない> |
総括
TicWatch Pro 5シリーズについては、そもそもTicWatch Pro 5の実機レビュー記事にも書いたように、2層ディスプレイという独自のハードウェア的な魅力に惹かれる方、そしてWear OS搭載スマートウォッチで極力長いバッテリーライフを望む方には、とてもオススメできるスマートウォッチだと思う。<▲写真:「TicWatch Pro 5 Enduro」> |
そのTicWatch Pro 5の完成度をさらに上げたのがTicWatch Pro 5 Enduroなので、上記条件を望む方には、よりオススメできる。
本記事で何度も述べてきたように、とにかくディスプレイがクリアで見やすく綺麗で高級感があるので、TicWatchシリーズに興味を持った場合、できればTicWatch Pro 5 Enduroを選ぶべきだ。それほどTicWatch Pro 5 Enduroはシリーズの完成形に近いハードウェアだと思う。
欠点というか注意点を挙げるとすれば、TicWatch Pro 5 Enduroに限らずTicWatchシリーズは、連携できるスマートフォンがAndroidに限られる。Android 8.0以降のOSを搭載するスマートフォンのみが連携できる。iPhoneとの連携はできないので、その点には注意して欲しい。