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| ＜▲画像：「DASUNG Paperlike Color(12)」＞ |
昨今、カラーE Inkディスプレイを使った電子書籍リーダー端末、モニター、タブレットなどのデバイスはDASUNGだけでなくONYXの「BOOX」シリーズや、Bigme、そして楽天の「kobo」シリーズなど数が増えてきている。
しかし、モニター製品に関しては依然として少なく、新製品は貴重だ。
さて、そのDASUNG Paperlike Color(12)だが、E Ink社の「Kaleido 3」パネルを採用している。前述した他社のカラーE Inkデバイスの最新モデルの多くもKaleido 3を採用しているので、基本的には「見え方」については同じ傾向・レベルにあるはずだが、実の所、各社・各製品でディスプレイをカバーするガラスやフィルムは異なるし、描画エンジンも違うので、必ずしも全く同じ表示品質ということにはならない。
例えば筆者がデジタルノート兼資料閲覧デバイスとして愛用している「BOOX Nova Air3 C」もKaleido 3採用機の一つだが、この製品はデジタルノート機能、すなわちスタイラスペンでの手書きメモの感触と書き味も重視しているため、特殊なフィルムが貼られている分、フロントライトをつけないと表示が暗い。一方、同じKaleido 3の製品でもフィルムが違うと表示品質が改善され、より明るく、コントラストも出てくる。
その点、DASUNG Paperlike Color(12)はデジタルノートではなくモバイルモニター用途がメインのデバイスなので、表示品質は期待できそうだ。
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| ＜▲画像：「DASUNG Paperlike Color(12)」の使用イメージ＞ |
また、PCを繋げて利用する場合には描画スピードが実用性を大幅に左右するが、紹介動画などを見る限り、悪くはなさそうだ。
筆者は過去にDASUNGのモニターを使っていた時期もあるが、妥協は必要だが使えないことはなかった。ただ、マウスカーソルの速度/レスポンスを実用レベルにまで上げる設定にすると、どうしても表示クオリティが粗くなるので、単純にフォントが見にくくなる。それを解消するにはディスプレイ設定のズーミングを一段階大きくするなど、物理的にフォントの見た目を大きくする必要が出てくるので、作業領域はその分、小さくせざるを得ない。
そのため、E Inkモニターで仕事をするなら、実際に欲しいサイズよりもワンサイズ上のディスプレイを搭載するデバイスを選ぶ必要があると思う。
その点では今回登場したDASUNG Paperlike Color(12)のディスプレイは12インチと小振りだが、マルチウィンドウで複数のウィンドウを並べて作業するのでなければ問題ないのではないかと思う。逆に複数のウィンドウを並べて作業する場合には、おそらく厳しいと思う。
Kaleido 3の場合、カラーのコントラストには妥協が必要ながら、BOOX Nova Air3 Cでもそうだが、白黒表示と比べると「Chrome」などのアプリのUIはもちろん、Webサイトの表示も圧倒的に分かりやすく使いやすいので、DASUNG Paperlike Color(12)もその点は全く問題ないだろう。
いずれにしてもDASUNGによれば、現時点で12インチのカラーE Inkディスプレイを搭載するモバイルモニターはDASUNG Paperlike Color(12)が第一号ということなので、非常に貴重な存在だと言っていいだろう。
実際のディスプレイはカラー層と白黒層が重ねられたもので、白黒層の解像度は2,560 x 1,600ピクセルなので、ExcelやWordなどのオフィス文書の閲覧も問題ないだろう。
電源はUSB Type-Cで取り、5V/1.5A。これならモバイルバッテリーでも動くだろう。重さは約439gで、サイズは約288.3 x 196.1 x 5.3mm。
現在のところ、DASUNGの直販サイトで販売中で、価格は849ドル。
ちなみに、用途がテキスト入力程度なのであれば筆者が使っているBOOX Nova Air3 Cでも十分できるし、ChromeでのWebサイト閲覧も実用レベルのスピードで表示/閲覧できるので、十分有力な選択肢になると思う。テキスト入力は使いたいAndroidアプリとBluetoothキーボードの組み合わせで普通に使える。BOOX Nova Air3 Cについてはこちらの記事を参照して欲しい。
いずれにしても、カラーE Inkのモバイルモニターが登場したというのは、選択肢が一つ増えたことになり、喜ばしいニュースだ。
