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SFファンにオススメ!「三体」中国版実写ドラマがAmazonプライムビデオに登場!

ソニー・ミュージックソリューションズは1日、中国のSF作家、劉慈欣(リウ・ツーシン/りゅうじきん)のSF小説「三体」の第一部を実写ドラマ化した作品が同日より「Amazonプライムビデオ」で配信開始となったと発表した。

<(C) TENCENT TECHNOLOGY BEIJING Co., Ltd.>

実は筆者自身、今現在、三体にハマっている所であり、SFファンにはオススメの作品だとハッキリと言える。特にジェイムズ・P・ホーガン、アーサー・C・クラーク、H・G・ウェルズによる秀逸なSF作品の数々を好む方には文句無しで勧められる。というのも、SF作品として物語から受ける印象が、それら名作SFと同じだからだ。久しぶりに骨太の王道SF作品を目にした。加えて、日本人には馴染みの薄い、中国の文化、歴史的な話にも触れていて、学びの意味でも興味を惹かれる部分がある。

本記事では三体の内容については基本的にあまり触れないでおきたい。

というのも、SFやミステリー作品は、何も知らない状態で読む方が明らかに驚き、面白さが高まると思うからだ。

ただ、三体には原作小説の他に、今回Amazonプライムビデオで配信開始となった実写ドラマと、先日公開されたばかりのNetflix版のドラマがあるので、それらの違いと、個人的なオススメの視聴順を述べておきたい。

まず、今回Amazonプライムビデオで配信開始となったのは、中国の「テンセントビデオ」が手掛けた作品で、基本的に原作小説に忠実に描かれている。

その上で、原作小説よりもキャラクターを非常に丁寧に描写しているので、主要キャラクターの魅力は間違いなく原作小説、Netflix版ドラマよりも上だ。加えて、物語の背景をもう少し細かく説明したり、ボリュームアップのための独自キャラクターも追加されている。

また、このテンセント版ドラマが扱っている内容は、原作小説の第一部のみだ。

原作小説は前日譚などを除くと第一部、第二部、第三部まであり、先日文庫版が揃った所。第二部と第三部はそれぞれ上下巻の分冊なので、合計5冊に及ぶ。それぞれ約500ページから600ページ程度なので、相当な分量だ。

Netflix版は原作小説でいう第二部の途中までを扱っている。

そして、私は最初に何気なくNetflix版を見た。それにハマってから「Hulu」でテンセント版ドラマを見た。その後、原作小説に移り、現在は第二部の上巻を読んでいる所だ。

テンセント版ドラマは原作小説の第一部にかなり忠実な上、追加要素があるので、これを見れば原作小説の第一部は飛ばしても構わないと思う。要するに、いきなり第二部に進んでもいい。ただ、小説には小説の良さがあり、ドラマ版にはない話もあるので、筆者のようにハマった場合には小説も第一部から始める方がいいかもしれない。

私の個人的なオススメ視聴順はNetflix版ドラマ、テンセント版ドラマ、原作小説、という流れだが、それぞれに注意点というか微妙な点もある。

まずはNetflix版だが、最初に見ることを勧めた理由は、とにかく勢いがあり、一気に引き込む力は最も強いと思うからだ。映像も最も派手で技術とお金を投入していることが明らか。私自身がNetflix版にハマってからテンセント版、小説に進んだように、Netflix版には視聴者をくぎ付けにする力がある。

その一方で、原作忠実度はかなり低い。

Netflix版では、一部のキャラクターは原作通りだし、エピソードもそうだが、ほとんどの主要キャラクターが欧米人に置き換えられていて、その生活環境や仕事、性格、名前なども異なる。それに伴い、大筋は共通だがエピソードもほとんど新規のものとなっている。

原作小説を最初に読んだファンには、あまりに改変が多すぎると文句を言う人もいるのではないかと思うほど。

しかし、筆者のようにNetflix版が最初に触れる三体の場合には、「これはこれで良い」と思うのではないかと思う。というのも、とにかく一気見させる力が強いからだ。

Netflix版ドラマでは、三体のSFとしての大筋のみを抜き出し、短時間でグイグイ話を進める。当然、謎や驚きを上手く配置し、視聴者を惹きつける展開を意識している。そして話もコンパクトにまとまっている。

ところが、キャラクターの魅力に関しては、テンセント版ドラマと比べると劣っていると言わざるを得ない。Netflix版ドラマのキャラクターは既視感のあるステレオタイプのキャラクターばかりで、魅力は乏しい。

逆にテンセント版ドラマはキャラクターは魅力にあふれ、視聴者は各キャラクターに愛着を持つようになると思う。

だが、テンセント版ドラマには一つ微妙な点もある。ややテンポが悪く、冗長な作りなので、人によっては進みの遅さから途中で見るのを止めてしまうかもしれない、という懸念がある。原作小説の第一部の内容を計30話で描いているのだが、正直なところ、20話くらいにまとめられたんじゃないかと思う。

私はテンセント版ドラマの三体が一番好きだが、それでも「長すぎ」という印象は残ったし、「LOST」並みに進みが遅いとも感じた。私はドラマ「LOST」も好きだが、冗長で進みが遅いと感じたことに同意してくれる方は多いと思う。テンセント版ドラマの三体も同じくらいゆったりしている。

とはいえ、それでも完成度は高く、やはりテンセント版ドラマの三体が一番面白いと思う。

ここ数年筆者が触れたSFドラマ、SF映画、SF小説の中では明らかに最もハマったので、SFファンにはオススメだ。

なお、テンセント版ドラマの三体は、少なくとも2日時点ではHuluでもまだ配信されているので、AmazonプライムビデオとHuluで視聴できると思う。

繰り返しになるが、あらすじやレビューなどはあまり読まずに、いきなり第一話から見ることを勧めたい。

情報元、参考リンク
Amazonプライムビデオ
Hulu公式サイト
Amazon/原作小説「三体」シリーズ
プレスリリース

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