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【レビュー】横向きOK!寝ながら使えるイヤホン「1MORE Sleeping Earbuds Z30」の機能やフィーリングを徹底チェック!

今回レビューするのは睡眠用イヤホン(通称「寝ホン」)「1MORE Sleeping Earbuds Z30」(型番「EH608」)。イヤホン/ヘッドホンメーカー「1MORE」(ワンモア)が4月下旬にリリースした新製品。

<▲写真:「1MORE Sleeping Earbuds Z30」>

その名の通り、睡眠時、もしくは横を向いて寝転がって耳に枕やクッション、布団などが当たった状態でも少ない負担で使用できる特殊な設計のイヤホンだ。

イヤホンの筐体が非常に薄く小さいため、装着時に耳からの出っ張りが少なく、枕やクッションなどに耳が押し付けられても物理的な負担が小さい。さらにイヤーチップ(イヤーピース)には抗菌素材を用いているので衛生的だという。

<▲画像:1MORE Z30は横を向いて寝る時に使える軽量イヤホン(※メーカー資料より)>

入眠サポートとしてヒーリングサウンドを流せる「ヒーリングモード」も搭載されている。

1MOREから登場する「寝ホン」は今回の1MORE Sleeping Earbuds Z30が第二弾。旧モデルは「1MORE ComfoBudsZ」。一見するとほとんど同じデザインなので違いが分かりにくいと思うが、最大の違いは連続駆動時間。1MORE ComfoBudsZでは、音楽視聴時にイヤホン単体で最大2.5時間の連続駆動が可能だったが、1MORE Sleeping Earbuds Z30では最大6時間に延びた。ヒーリングモードなら更に長い。

<▲画像:「1MORE ComfoBudsZ」との比較表(※メーカー資料より)>

Bluetoothも5.0から5.3対応へと、スペックアップしている。

新旧モデルの大きな違いはそれらの点だ。

しかし本記事をご覧の方が何より気になるのは、1MORE Sleeping Earbuds Z30を実際に使ってみてどうだったか? といった感想だと思う。特に物理的負担は最も大きなポイントだと思う。

1MORE Speeping Earbuds Z30の価格は10,800円(税込、以下同)だが、現在Amazonでは15%オフクーポンが配布中。さらに6月16日までの期間限定で、GAPSIS読者向けに特別割引のプロモーションコード(5%オフ)も発行されている。前述のクーポンとの併用が可能なので、合計で20%オフだ。

割引プロモーションコードは、商品をカートに入れて購入手順を支払いのステップまで進め、「ギフトカード、プロモーションコード、またはバウチャーを追加する」という入力欄に入力して適用すれば割引される。入力するプロモーションコードは「1MOREZ3012A」。

なお、レビューにあたって試用した1MORE Speeping Earbuds Z30はメーカーからの提供品だ。

下はAmazon、楽天市場での製品ページへのリンク。





1MORE Speelping Earbuds Z30の実機レビュー

1MORE Z30の概要

まずはメーカー公式の情報から1MORE Sleeping Earbuds Z30の概要をしっかりと見ていきたいと思う。

<▲画像:「1MORE Sleeping Earbuds Z30」(※メーカー資料より)>

製品名通り、睡眠時、もしくは横向きに寝転がった状態などで使うことを想定したイヤホン。

イヤホンのサイズ(片側)は約24 x 9.2 x 14.2mmで、重さは片側約2.7g。充電ケースは約60 x 30 x 38.5mm、重さは約34g。ケースにイヤホンを収納した状態だと約39.4gだ。

<▲画像:1MORE Z30は「寝ホン」に特化したサイズと軽量さ(※メーカー資料より)>

1MORE Sleeping Earbuds Z30の設計において最も重要なポイントは筐体が非常に薄いということ。耳に装着したときに外に出る部分がとても少ない。そのため、耳に枕やクッション、布団を当てたとしてもイヤホンへの当たりが弱く、耳への圧迫が非常に少ない。枕/クッション次第、もしくは姿勢によっては圧力が皆無に近い可能性もあり得る。

これが本製品の最大の魅力。

イヤーチップ(イヤーピース)は抗菌仕様で、サイズはXS、S、M、Lの4つが付属している。

ここまでは旧機種である1MORE ComfoBudsZと共通した特徴だが、新モデルでは駆動時間が大幅に伸びた。イヤホンの重さはどちらも片側約2.7gと同じにも関わらずにだ。

1MORE ComfoBudsZはイヤホン単体で音楽モードで最大2.5時間、充電ケースでの充電込みで約10時間、ヒーリングモードだとイヤホン単体で最大3.5時間、充電ケース込みで最大14時間だが、今回新たに登場した1MORE Sleeping Earbuds Z30の場合は、音楽モードでイヤホン単体だと最大6時間、充電ケース込みだと最大24時間、ヒーリングモードの場合でイヤホン単体だと最大8時間、充電ケース込みで最大32時間持つ。

<▲画像:1MORE Z30の駆動時間について(※メーカー資料より)>

イヤホン単体でみても倍以上のバッテリー持ちになっているし、充電ケースのバッテリー容量も増えている。バッテリー容量はイヤホンが片側35mAh、ケースは410mAhだ。

また、Bluetoothは5.3対応となった。コーデックはSBCとAACに対応。

イヤホンのサウンドチューニングは、1MOREの他のイヤホンやヘッドホンと同様、サウンドエンジニアのルカ・ビナルディ氏が担当。ビナルディ氏は他メーカーのイヤホンも数多くチューニングしているが、癖が少なくバランスの取れたチューニングなので万人向けだと思う。

イヤホンとしての物理的なノイズカット性能は最大24dB。物理的なノイズカットのことを「パッシブノイズキャンセリング」と呼ぶこともあるが、誤解なきよう説明すると、1MORE Sleeping Earbuds Z30にはアクティブノイズキャンセリング機能は搭載されていない。

あくまでもイヤホンを耳に装着したときに物理的にノイズをカットするだけなので、その点は勘違いしないで欲しい。

また、1MORE Z30にはヒーリングモードが搭載されている。

ヒーリングモードでは、スマートフォン向けアプリ「1MORE MUSIC」を使って30種類の音源の中から6曲を選択し、入眠時などに聴くことができる。雨音、波の音、雪が降るときの音、林での自然音など、多種多様なサウンドが用意されている。

<▲画像:ヒーリングモードについて(※メーカー資料より)>

ただ、このヒーリングモードの使い方/機能は独特で、注意点もあるので、後ほど詳しく紹介したい。



1MORE Z30の基本スペック

1MORE Sleeping Earbuds Z30の基本スペックは下記の通り。

<▲画像:1MORE Z30のスペック(※メーカー資料より)>




1MORE Z30のパッケージと付属品

それでは1MORE Sleeping Earbuds Z30の実機をチェックしていきたい。まずはパッケージと付属品から。

<▲写真:1MORE Z30のパッケージと付属品>

パッケージには1MORE Z30のイヤホン及び充電ケース、USBケーブル(USB Type-A to Type-C)、イヤーチップ(イヤホン装着済みのものを含めて4サイズ)、ポーチ、マニュアルが収納されている。

USBケーブルは充電ケースを充電するためのものだが、市販のUSBケーブルで代用できるので、使用しない方も多いだろう。

<▲写真:ポーチ、USBケーブル、イヤーチップ>

イヤーチップはXS、S、M、Lの4サイズが用意されていて、購入時にはMがイヤホンに装着済みとなっている。



1MORE Z30のデザイン

1MORE Z30のイヤホンデザインは非常にシンプルでスタイリッシュ。カラーバリエーションはホワイトのみで、イヤホン筐体の実際のカラーは艶消しホワイトといった感じだ。

<▲写真:「1MORE Sleeping Earbuds Z30」のデザインはとてもシンプル>

表面には1MOREのロゴが描かれ、内側の面には「L」「R」の識別表記がある。

1MORE Z30のイヤホン本体にはボタンやタッチ操作エリアはなく、良くも悪くもシンプル。イヤホン側で何も操作できないのは一見不便に感じるが、1MORE Z30の主な用途は寝転がっての使用なので、不意に誤操作される恐れを避けるためにも、むしろ操作系は無い方がいい。

<▲写真:充電ケース>

<▲写真:充電ケースに1MORE Z30を収めた所。近付けるとマグネットでピタッと収まる>

充電ケースもシンプルなデザインだが、イヤホン本体よりは凝った意匠だ。

<▲写真:細かなドットが描かれ、質感の高さを感じるデザイン>

イヤホンと同じように艶消し系のホワイトだが、ほんの僅かに濃く、細かなドットが描かれたテクスチャで質感が高い。そして底面は滑り止めとしてシリコン素材になっている。

<▲写真:充電ケースの底面はシリコン素材で滑りにくい>

充電用のUSB Type-C端子は背面にある。充電ケースはワイヤレス充電には非対応なので、このUSB Type-C端子にUSBケーブルを接続して充電することになる。

<▲写真:充電ケースの背面にUSB Type-C端子がある>




イヤーチップ(イヤーピース)

1MORE Sleeping Earbuds Z30には合計4サイズのイヤーピースが付属している。購入後には自分に最もフィットするサイズのイヤーピースを徹底的に比較検証しよう。寝るときの快適性を確保するためにも適切なサイズのイヤーピースを選ぶのは非常に重要。

筆者の場合は最初に装着済みだったMサイズがベストフィットだった。

<▲写真:左から順にイヤーチップのXS、S、M(イヤホンに装着状態)、L>

何度も書いているが、1MORE Z30は寝るとき、もしくは寝転がって使うためのイヤホン。人によって異なるにしても、6時間前後、長い場合には7時間や8時間以上つけっぱなしになるかもしれない。1、2時間だと大丈夫でも、それだけの長時間となると、付属のイヤーピースが合わない可能性もある。

その場合でもある程度は問題ない。1MORE Z30のイヤホンノズルの形状と直径はごく一般的なものなので、市販のイヤーチップも大抵は使えると思う。

<▲写真:1MORE Z30のノズルとイヤーチップの裏側の形状>

試しに手元にある「final Type E」「SpinFit CP360」を試したら、問題なく装着できた。

<▲写真:他社製のイヤーチップと、実際に装着した状態>

しかし、市販のイヤーチップの使用には注意点がある。

1MORE Speeping Earbuds Z30のイヤーチップは、一般的なイヤホン用イヤーチップと比べて高さが低い。これは、イヤホンの筐体が耳から極力出っ張らないようにするためだと思うが、1MORE Z30のイヤーチップの耳穴への侵入は一般的イヤホンと比べて浅い。

<▲写真:1MORE Z30のイヤーチップは比較的低いことが分かる>

その1MORE Z30に市販のイヤーチップを付けると、イヤホンの筐体が耳から浮いたような、変に出っ張ったような感じになる。この状態でクッションを耳に当てると、耳穴への圧迫感がある。そのため、基本的にはイヤーチップは標準品を使う方がいいし、無難。万一市販品と交換する場合には、純正イヤーチップと同じくらいの高さのイヤーチップを選ぼう。しかし、交換の話題に触れたとはいえ、標準のイヤーチップが合わない可能性は低いと思う。

というのも、1MORE Z30のイヤーチップは耳の奥まで突っ込むのではなく、入り口から浅い所にまでしか入らない。加えて、イヤーチップのシリコン素材は比較的柔らかい。そのため、耳の穴への負荷は少なく、多くの人が、付属のいずれかのサイズのチップで問題ないと思う。

<▲写真:イヤーチップは比較的柔らかめ>

正直、イヤーチップも含めて1MORE Z30の設計は寝ホンとして良くできていると思う。



ノイズキャンセリング(ノイズカット性能)

1MORE Sleeping Earbuds Z30は最大24dBのパッシブノイズキャンセリング性能を持っていると謳われている。

パッシブノイズキャンセリングと聞いてもアクティブノイズキャンセリング機能との違いが分からなかったり、混同する方も多いと思うが、前述したように、単純に物理的なノイズカット性能(遮音性能)のことを指している。すなわち耳栓としての性能だ。

これについては特別優れているとは感じなかった。他のイヤホンとも比べてみたが、ごく一般的レベルだと思う。

ただ、ふと耳栓と比較してみようと思い、試した所、意外と良かった。筆者が普段使っている「サイレンシア」という耳栓と比べた結果、ノイズカット性能は体感的には1MORE Z30の方が若干上だった。

<▲写真:耳栓の「サイレンシア」と並べたところ>

降水量2mmほどの雨が降っている夜に1MORE Z30を装着した所、雨音はカットされた。しかし、エアコンの駆動音は聞こえた。一方、サイレンシアでは雨音は完全にはカットされず、かすかに聞こえ、エアコンの駆動音も1MORE Z30よりも若干大きい。

とはいえ、他のカナルタイプのイヤホンも総じて同じようなレベルだったので、1MORE Z30のノイズカット性能はカナルタイプのイヤホンとしては、ごく普通と考えた方がいいと思う。



装着感、耳への負担

1MORE Sleeping Earbuds Z30のフィット感は良く、物理的ストレスはほとんどない。

<▲写真:「1MORE Sleeping Earbuds Z30」>

起きているときに使ったとしても、他の一般的な完全ワイヤレスイヤホンよりも耳への負担は少なく、痛くなりにくいと思う。前述したように、イヤーチップが柔らかいので耳穴への圧迫感が少なく、その周囲についてもイヤホンの筐体が小さく薄いため耳との当たりが非常に少ないからだ。

具体的に言えば、筐体は耳甲介に収まり、対耳輪下脚への当たりがほとんどない。1MORE Z30の装着状態はメーカー公式のイメージ図が分かりやすいので、それを使って説明したい。下図でイヤホンの筐体が埋まっている所が耳甲介、筐体の右端部分を少し覆うようになっている部分が対耳輪下脚だ。

<▲画像:耳への装着状態のイメージ図(※メーカー資料より)>

上図の通り、1MORE Z30の筐体は、耳甲介の内側に収まり、対耳輪下脚への圧迫がほぼない。高さ方向についても耳珠(上図でイヤホン筐体の左側を少し覆うようになっている、盛り上がった部分)より若干低く、出っ張りが非常に少ない。寝転がって耳を押しつぶすような恰好になったとしても、耳の各部位への当たりは生じにくく、上手い具合に1MORE Z30の筐体が耳に包まれるような形になる。

もちろん耳の形もサイズも人それぞれなので、あくまでも筆者の場合に過ぎないが、一般的イヤホンと比べて小型で薄いので、負荷が少ないのは多くの人に当てはまると思う。

1MORE Z30の耳への物理的な負担は一般的なワイヤレスイヤホンとは根本的に異なるレベルにある。伊達に「寝ホン」と銘打っていない。

とはいえ、耳に装着する以上、負担がゼロになることは理論的にあり得ないので、実際に横向きに寝たときの感覚について述べたい。

これについても枕/クッション、そして寝方、姿勢によって差が出てくるが、起きているときと同様、耳にグッとイヤホンが押し付けられるような圧迫感はなく、特に耳穴への負荷は少ない。

しかし、筐体の耳甲介との接触面については、一応押し付けられた感がある。というか、1MORE Z30を装着して枕やクッションを耳に当てたときに物理的な負荷が掛かるのは、耳穴ではなく筐体の接触面だ。耳の穴の中についてはイヤーチップが柔らかい上、浅いため、負荷が掛かりにくい。そのため、耳の穴が痛くなることはあまりないと思う。

だが、耳甲介については、短時間で痛くなることはないが、数時間同じ姿勢で耳を押さえつけたままだったら、多少は痛くなると思う。ただ、1時間や2時間くらいだと大丈夫だろう。また、姿勢、枕/クッションによっても大きく変化するので一概には言えない部分でもある。

しかも、イヤホンの装着状態にも大きく左右された。私の場合、筐体を耳珠寄りに回すと、横向きで押さえつけても圧迫感が少なくなった。

この辺りは購入後に試行錯誤して自分にとって快適な装着状態、姿勢を探す必要があるかもしれない。

いずれにしても、一般的イヤホンだと横を向いた瞬間に「痛っ」となってイヤホンを外すと思うが、それと比べると圧倒的に負担が少ないので、寝転がって使えるイヤホンを探しているなら、1MORE Z30は有力候補になると思う。



ヒーリングモード

次にヒーリングモードについて述べていきたい。実は、ヒーリングモードは結構独特な仕様になっているので、メーカー公式情報だけでは機能の詳細が分からないと思う。そこで、ここでは詳しく紹介したい。

<▲画像:「1MORE MUSIC」アプリのホーム画面>

まず、1MORE Sleeping Earbuds Z30には2つのリスニングモード(動作モード)がある。「MUSIC」モードと「Soothing」モードだ。これがスマートフォン向けアプリ「1MORE MUSIC」での日本語表示だと、「音楽」モードと「落ち着く」モードになる。1MOREは製品の質は良いのに、アプリの日本語ローカライズが微妙な精度なのは、そろそろ直して欲しいと思う。

しかも公式の製品紹介やプレス発表では「落ち着く」モードではなく「ヒーリング」モードと表記されている。本記事でもヒーリングモードとしていく。

音楽モードは普段、様々な用途でイヤホンを使う時のモード。音楽を聴いたり、「YouTube」や「TikTok」「Netflix」や「Amazonプライムビデオ」など各種動画を見たり、ゲームをプレイしたり、といった用途で音を聴くときに用いる。

標準設定では音楽モードなので、ヒーリングモードを使わないのであれば、スマートフォン向けアプリはインストールしなくても構わない。普通のワイヤレスイヤホンとして使う分にはBluetoothのペアリング設定だけで何の問題もない。

しかし、ヒーリングモードを使いたければアプリが必須で、モード切替はそのアプリで行う。

<▲画像:ヒーリングモード(落ち着くモード)のコントロール画面>

ヒーリングモードでは、入眠時にリラックスできそうな環境音を聞き流しにできる。延々と流し続けるのではなく、タイマーで自動的に止まるようになっている。タイマー設定は30分、60分、90分、120分、150分と、30分刻みで最大150分まで。

用意されているサウンドは合計30種類。この中から6つまでを選んでセットする。とはいえ、「6つ選んでセット」という表現はよく分からないと思うので、詳しく紹介したい。

実はヒーリングモードのサウンドコンテンツは、スマートフォンアプリからBluetooth接続で流すのではなく、1MORE Z30単体で再生する仕様になっている。アプリで行うのはあくまでもセッティングに過ぎない。

非常に小さなイヤホンだがストレージを積んでいるようで、最大で6つのヒーリングサウンドを保存できる。ヒーリングモードを利用する際には、1MORE Z30のイヤホン本体にアプリから好みのヒーリングサウンドをBluetoothで転送する。工場出荷状態で6つのコンテンツが転送済みなので、とりあえず聞いてみて、好みではないと感じたサウンドは一旦削除しよう。空きスペースを作らないと、ヒーリングサウンドコンテンツの入れ替えはできないし、全種類の確認や試聴もできないので注意して欲しい。

<▲画像:ヒーリングモードのヒーリングサウンドのセット画面>

空きスペースを作ると「+」表記に変わるので、そこをタップ。すると、ヒーリングサウンドのリストが表示される。この時点で5個をセット済みだとすると、残りの25種類がリストアップされる。

<▲画像:ヒーリングサウンドのリスト(5つをセット済みなので、残りの25種類が表示されている)>

このリストでは各サウンドの試聴ができるので、まずは全て確認し、好みのサウンドをピックアップし、メモしていこう。この時、セット済みのコンテンツも戻って改めて確認し、合計6種類を選びきってしまった方がいい。選ぶまでの間は、候補をメモするだけにとどめ、一旦転送はしない方がいい。というのも、入れ替えの際にはいちいちコンテンツを削除して転送、という作業を行わないといけない上、転送には1曲あたり約2分かかるので、何度もやり直すのは面倒だからだ。候補を決めてからまとめて順次転送した方が楽。

ヒーリングサウンドのリストは下記の通り。

  • Dizzle
  • Thumderstorm
  • Bamboo Forest Wind
  • Snowing
  • Underwater
  • Outer Space
  • Gale
  • Field
  • Forest
  • Waterfall
  • River
  • Swell
  • Desert
  • Medium Waves
  • Summit
  • Volcano
  • Jet Stream
  • Creek
  • Flow
  • Stream
  • Creak
  • Storm
  • Waves
  • Downpour
  • Summer Rain
  • Medium Fire
  • Tiny Waves
  • Breeze
  • Spring Water

ヒーリングサウンドを1MORE Z30へ転送すれば、実際に再生できるようになる。再生は、アプリのホーム画面に戻り、「落ち着くサウンド」という項目をタップし、ヒーリングモードに切り替えればいい。

ヒーリングモードのコントロール画面では、6つのヒーリングサウンドの内、実際にどのサウンドを流すか選択できる。また、タイマーのセットと音量もここで決める。

ヒーリングモードの使用において非常に重要な注意点が音量設定だ。

実は、ヒーリングモードの音量は、このコントロール画面内のボリューム調整からしか行うことができない。スマートフォン自体の音量コントロールではヒーリングモードの音量は変更できない。スマホの音量調整は、ヒーリングサウンドの試聴の段階では効くが、実際にヒーリングモードを使用するときの音量には反映されない。

正直、なぜこのような仕様になっているのか最初は悩んだが、後になって分かった。

というのも、ヒーリングモードは一度再生し始めると1MORE Z30単独で機能するからだ。スマートフォン向けの1MORE MUSICアプリを閉じたり、スマホをスリープ状態にしたり、スマートフォンのBluetooth接続を切っても1MORE Z30からはヒーリングサウンドが聞こえ続ける。スマホの電源をオフにしたってかまわない。ヒーリングモードはアプリを使って、ヒーリングサウンドを選んでタイマーをセットし、音量を決めて再生の操作を行ってしまえば、あとは1MORE Z30単体で動作し続け、タイマーの時間が経過すれば止まる。

普通、寝ているときにはスマホはスリープ状態だろうし、充電中かもしれないし、人によっては電源をオフにしていたり、そもそも枕元に置いていないかもしれない。そのような様々な状況に左右されずにヒーリングサウンドを流すためには、1MORE Z30のイヤホン自体にコンテンツを転送し、タイマーと音量設定を施し、単独駆動させなければならないのだと思う。それこそスマホとのBluetooth接続が切れたタイミングでヒーリングサウンドが突然止まったら、その瞬間に起きてしまうかもしれないし、ヒーリングサウンドを流しながらスマホを短時間いじってSNSやメール、Webサイトを見たりする人もいるかもしれない。そうした条件や操作に邪魔されずヒーリングモードが駆動するには、この独立仕様が必須なのだろうと思う。そのため音量調整すらアプリからしか設定できないのだろう。

とはいえ、この辺りの仕様の実態は、メーカー公式資料やマニュアルだけでは分かりにくいので、本記事で紹介した。

先ほども書いたように、一度ヒーリングモードを起動し、ヒーリングサウンドを流し始めれば、スマホ側では1MORE MUSICアプリを終了させても構わないし、その間に動画やゲームをしても大丈夫だ(動画やゲームで音を出すときにはBluetoothはオフにする必要がある。そちらを優先して一旦ヒーリングサウンドが止まる)。その時にはそれらコンテンツの音はスマホのスピーカーから出て、1MORE Z30からはヒーリングサウンドが流れ続ける。

しかし、途中でヒーリングサウンドを変更したり、音量を調整したくなった場合には、スマートフォンで再び1MORE MUSICアプリを起動し、ヒーリングモードのコントロール画面に入る必要がある。この段階で、Bluetooth接続が切れていれば、接続し直しておく。

そして音量についてはもう一つ注意点がある。

実はヒーリングサウンドの最小音量は、意外と大きい。調整範囲の内で最も小さい音量に設定しても、普段スマホで音楽を聴くときにスマホの音量調整をするときの最小音量よりも大きいと思う。

音量の好みも人それぞれなのかもしれないが、私はちょっと大きいと感じた。万一周囲の環境音がうるさい場合でもヒーリングサウンドがしっかりと聞こえるように最小音量でもこの程度にまでしたのだと思うが、静かな環境下だとまあまあ大きい。とはいえ、微妙なレベルではあり、聴き始めて30秒くらいすれば慣れるといえば慣れる。

また、音量の最大レベルはヒーリングサウンドにもよる。同じ音量設定でもコンテンツによって最大レベルが違う上、内容的にもうるさく感じたり、そうでもなかったりするので、何度か試聴して、静かなサウンドを選ぶ方がいいと思う。

個人的にオススメのサウンドは、「Snowing」「Field」「Breeze」「Medium Waves」「Tiny Waves」「Spring Water」あたり。中でも「Snowing」は最も静か。雪というよりも雪がある程度積もった後に小雨が降っているという感じだ。「Snowing」であれば最小音量設定で十分小さい音量になる。

とはいえ、個人的にはあと一、二段階、音量を下げられればと思うので、可能ならアップデートで対応して欲しい。そもそもヒーリングサウンドを大音量で聴く人はいないのではないかと思うし、プラス方向に調整幅を広くもたせるよりはマイナス方向にもう少し幅をもたせてほしい。

ちなみに、ヒーリングサウンドのリストで試聴する際の音量についてはスマートフォンの音量キーで調整できるし、実際のヒーリングモードでの再生時よりも音量を小さくできるが、あえてヒーリングモードで設定する予定の音量で試聴した方がいいと思う。そうしないと転送後に「あれっ? 思った以上に音が大きい」となりかねない。

ちなみに、こんな使い方はメーカーも想定外だと思うが、ヒーリングサウンドをノイズキャンセリング代わりに使うこともできると思う。

バスや電車に乗っているときにヒーリングモードにしてヒーリングサウンドを再生すると、ヒーリングサウンドが環境音をかなり打ち消してくれる。しかも、Bluetooth接続は切れていても構わないし、何ならオフにしてもいいので、スマホも自由に使える。それでいて他の電波干渉も関係なく安定してヒーリングサウンドが流れ続けてくれる。

一応、そんな使い方もできる。



音質

1MORE Z30の音質は特筆すべきことはなく、5,000円~10,000円くらいの価格帯の一般的なワイヤレスイヤホンと比べても同程度だと思う。良くも悪くも癖が少なく無難な仕上がり。ただ、2万円を超えるような製品、クリアさに定評があるイヤホンなどと比べると、多少こもった感じがある。

ただ、それは音楽鑑賞時の話で、英語など外国語学習教材など、人の声が中心のコンテンツだと、こもりは気にならないし、動画やゲームでもセリフは比較的聴きやすい。

1MOREのイヤホン/ヘッドホンのサウンドチューニングはルカ・ビナルディ氏が担当していて、そのバランスは癖が少なく万人向けなので、1MORE Z30の音質についてもバランス含めてあまり心配する必要はないと思う。低音と高音も押し出しが強くなく、非常にバランスがいい。

横向きに寝転がりながらイヤホンで動画を見たいとか、音楽を聴きながらSNSやWebサイトを閲覧したいといったとき、もしくは普通に起きた状態での使用だろうと、音質についても特に不満は生じないと思う。逆に、これ以上の音質を求めるのであれば、1MOREの他のイヤホンを始め、一般的な高音質イヤホンを探すべきだろう。



総括

1MORE Sleeping Earbuds Z30は、寝ホンなので、基本的には寝るとき、もしくは横向きに寝転がって使うことを目的とした場合に選択する製品だし、それをターゲットにした設計/機能になっている。

<▲写真:「1MORE Sleeping Earbuds Z30」>

その目的に合致する場合には、とても良いイヤホンの一つだと思う。寝ホンとしてのハードウェア設計は優秀で、十分以上にストレスが少なく、耳が痛くなりにくい。

一方で、普通に起きた状態で使うシーンの方が多いのであれば、一般的なワイヤレスイヤホンの方がいいと思う。やはりイヤホンにタッチ操作エリアやボタンがないことは、起きた状態での音楽や動画視聴が中心用途の場合には不便さを感じるからだ。

しかし、繰り返しになるが、寝転がった状態での使用における物理的ストレスの低さは一般的イヤホンでは太刀打ちできないレベルで、1MORE Z30ならではの魅力。

耳の形は人それぞれだし、横向きになるときの姿勢、枕/クッションへの耳の当て方も左右するが、使っていくうちに自分に合った装着状態、姿勢が見つかっていくと思う。ベストポジションが見つかる前ですら、一般的イヤホンとは比べ物にならないほど物理的な負担が少ない。

布団やベッドでイヤホンを使って動画を見ながら寝落ちするケースが多い人にも1MORE Z30はいいと思う。

ただ、ヒーリングモードを主目的として購入を検討する場合には、使い方が少々独特なので、本記事を参照して欲しい。特に最小音量でも若干音量が大きい気がする点には注意が必要だと思う。

とにもかくにも、寝転がってイヤホンを使いたい方には有力候補になると思う。

情報元、参考リンク
Amazon.co.jp/1MORE Sleeping Earbuds Z30製品ページ
Amazon/1MOREストアページ
楽天市場/1MORE Sleeping Earbuds Z30製品ページ
1MORE公式サイト

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