<▲画像:改正案の概要> |
その割引上限額は20,000円(税抜き。税込みだと22,000円)。
スマートフォンの割引上限が税込み22,000円に制限されてからというもの、国内のスマートフォン市場における端末販売にはブレーキが掛かった。もちろん端末販売が低迷した理由はスマホ割引上限規制だけではないし、昨今の物価高も影響している。
しかし、割引上限が22,000円に制限されていることが端末販売の足かせになっていることは間違いなく、総務省も市場の停滞を招いた要因の一つだとしており、上限規制の緩和が行われることが告知されていた。
その具体的な日程が明らかにされた。冒頭で述べたように12月27日に新たな規制内容へと移行する。
改正後のスマホ割引上限は税抜き40,000円、税込みでは44,000円になる。もちろん最終的な割引額は通信キャリア及び機種によって差が出てくるだろうが、今までよりもスマートフォンを安価に購入できる可能性が増えることは消費者としては嬉しいこと。
ただし、全ての面での規制緩和ではない点には注意が必要。
というのも、現行の規制では通信サービスと端末をセットで販売する場合のみが対象で、端末のみの販売(通称「白ロム))は対象外だが、改正によって、端末のみの販売も規制対象に加わることになる。すなわち新規契約、他社からの乗り換え、既存ユーザーの機種変更の他、白ロムも含む全ての購入方法にスマホ割引上限規制がかかることになる。
さらに、状況を複雑化しているのは端末購入サポート系サービスを利用して約2年など一定期間で端末を返却する場合。通信キャリア各社が提供している端末購入サポートだが、一定期間で返却した場合、残価の支払いが不要になる。この残価の設定次第ではかなり安く購入/使用することが可能な場合もある。そのため、場合によっては改正後に機種及びタイミングによっては約2年間の実質使用負担額という点でみると高額になる場合も出てくるだろう。一方で、返却せずに全額支払う場合には今回の改正は良い。
いずれにしても購入予定の機種をどれくらいの期間使うつもりか、そして返却予定はあるのか、残価設定額も含めてトータルでお得度合いを比較検討する必要がある点には注意が必要。
なお、割引上限額に関しては、より詳しく見ると、端末価格が40,000円以下の場合には20,000円まで、40,000円から80,000円の機種の場合には50%まで、それ以外の機種では40,000円までとなる。
<▲画像:割引上限規制の見直しについて> |
また、格安SIMサービス事業者の大手である「IIJmio」と「mineo」は現在は通信キャリアと同様に規制対象サービスとなっている。これは規制対象サービスの基準が市場シェア0.7%以上とされているため。この基準値が12月27日以降は4%に引き上げられる。その結果、IIJmioとmineoは規制対象外になる。
12月27日以降は通信キャリアの他、格安SIM大手のIIJmio、mineoでも端末を今まで以上に安く購入できるようになるかもしれない。
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