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シャープがIGZO搭載E Inkカラーディスプレイ「ePoster」を開発!A2サイズ、紙のポスターの置き換え可能

シャープは10月30日、電子書籍リーダー端末用の電子ペーパーディスプレイなどで広く知られるE Ink Holdings Inc.(E Ink社)の協力のもと、「IGZOバックプレーン」を搭載したA2サイズのカラー電子ペーパーディスプレイ「ePoster」(イーポスター)を開発したと発表した。

「E Ink Spectra 6」と「IGZO」技術の融合で生まれた狭額縁、薄型・軽量のカラー電子ペーパーディスプレイ「ePoster」
<▲画像:「E Ink Spectra 6」と「IGZO」技術の融合で生まれた狭額縁、薄型・軽量のカラー電子ペーパーディスプレイ「ePoster」>

紙のポスターで一般的な国際規格であるA2サイズ(420 x 594mm)という大型のサイズに加え、ePoster自体が軽量・薄型であることから紙のポスターへの置き換えがしやすいという。

この小型軽量化にはシャープのIGZO技術が活きているという。IGZO技術によって周辺回路を小型化でき、狭額縁化にも繋がっている。

もちろんE Inkディスプレイなので、表示の書き換え時には一時的に電力を消費するものの、一度表示させたものを維持することに掛かる消費電力は0W。一般的な液晶や有機ELなどと比べて圧倒的に省電力。

このePosterに用いられたディスプレイは、E Ink社が4月に発表した最新のカラー電子ペーパーディスプレイ「E Ink Spectra 6」。

E Ink社が2023年4月に発表した「E Ink Spectra 6」のサンプル写真
<▲画像:E Ink社が2023年4月に発表した「E Ink Spectra 6」のサンプル写真>

カラーのE Inkディスプレイはモノクロ層とカラー層の2層構造になっていて、モノクロ層が長年の開発によって今や十分以上に高解像度化されている一方で、カラー層は低解像度だという点が最大の課題となっている。

しかし、最新のE Ink Spectra 6では最大でカラー層が200ppiの解像度にまで改善されている他、カラーE Inkのもう一つの課題であるコントラスト比も30:1まで高められている。「カラーと言われればカラーだけど、全体的に薄い」という状態から、少なくとも上記サンプル写真を見る限り「まともなカラー」に近づいていることが分かる。

解像度、コントラストの改善によってカラー電子ペーパーとして明らかに大きな進化を果たしている。確かにポスターの置き換えを本格的に検討できるレベルだ。

シャープは今回のePosterの他、最新の技術を展示イベント「SHARP Tech-Day」で披露する予定。このイベントは11月10日から12日までの間、東京ビッグサイトの東8ホールにて開催される。

同イベントには、ePosterに加えて、電子書籍リーダーや電子ノート向けのIGZO技術搭載8インチカラー電子ペーパーディスプレイも展示される。

E Ink社の電子ペーパーディスプレイは、「Kindle」シリーズ、「Kobo」シリーズ、「Boox」シリーズなど主要電子書籍リーダー端末で幅広く採用されているだけに、それらのユーザーには馴染み深いもの。液晶や有機ELのように発光せず、紙のように明るい場所で反射光によって見るE Inkディスプレイは本当に目に優しい。暗い場所でも見やすいようにフロントライトが搭載されたモデルが今や電子書籍リーダー端末では一般的だが、それもバックライトと違い、光が目に直接届くのではなく、表示面を照らしているだけに過ぎないので、目への負担は少ない。

とても優れた特徴を持つE Inkディスプレイは、最近はお店の値札などでも見かける機会が増えているが、いよいよポスター用途にまで広がっていくとなると、身近なエリアでの遭遇機会がさらに増えてくることになりそうだ。

情報元、参考リンク
シャープ/プレスリリース
シャープ/ePoster製品ページ
E Ink/プレスリリース

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