<▲画像:「1MORE S50」と「1MORE S30」> |
価格は1MORE S50が19,999円(税込、以下同)で、1MORE S30が9,999円。ただし、19日時点ではAmazonで1MORE S50は4,000円オフ、1MORE S30は1,500円オフのクーポンが配布中なので、それぞれ実売価格は順に15,999円、7,499円となっている。
1MORE S50と1MORE S30は、どちらもオープンイヤー型で耳の穴を完全に塞ぐことのないBluetoothイヤホン。耳の穴から数mm離れた場所から聞こえるような感じになる。
ウォーキング、ランニング、サイクリングなどのスポーツ、アウトドアなど屋外での利用時に環境音を遮らないため安全性を確保した上で音楽などを楽しめる。そして、そもそも屋内で音楽、動画、ゲームなどを楽しむのにも良い。
実際に実機を試用してから気付いたが、フィット感が非常に快適な上、とてもクリアで臨場感溢れるサウンドを楽しめる。一般的なイヤホンやヘッドホンとは全く異なる音場で、とても開放的で聞きやすいサウンド体験だ。1MORE S30は実機を体験していないので分からないが、少なくとも1MORE S50は超良いとハッキリ断言できる。
耳への固定はイヤーフック。固定するというよりも、耳に引っ掛ける感じでストレスを感じない。メガネをした状態でも問題ない。
なお、1MORE S50とS30はオープン型、イヤーフックタイプといった基本的特徴以外の点では異なる製品。ドライバーも異なればバッテリー容量、防水対応レベル、ワイヤレス充電への対応有無なども違う。それぞれの概要は下記の通り。
1MORE S50とS30について
1MORE S50とS30の主な違い
1MORE S50は今回新たに登場したイヤホン2機種の内、よりハイグレードな製品。筐体もドライバーも異なるので、根本的に音質も違うはずだが、機能面での1MORE S30との大きな違いは下記の通り。
- 防水性能レベル
- ワイヤレス充電対応有無
- バッテリー容量と駆動時間
- 急速充電対応
防水性能は1MORE S50がIPX7相当、1MORE S30はIPX5相当。IPX7とIPX5では防水性能に違いがあり、より強力なのはIPX7。IPX5は、規定の噴流に対する保護があるが、浸水保護までは保証されない。一方、IPX7では浸水試験までクリアしている。具体的には、常温の水道水を使い、水深1mのところに製品を沈め、約30分間放置した後、正常動作するレベル。
とはいえ、普段使いの上でIPX5でも問題ないだろう。1MORE S30が水洗いも可能な設計になっていると紹介されている。
次にワイヤレス充電対応有無だが、1MORE S50の充電ケースがワイヤレス充電規格「Qi」に対応している。製品パッケージにワイヤレス充電器が付属しているわけではないが、Qi規格準拠のワイヤレス充電器は数多く市販されているし、選択に困ることはないだろうし、すでにスマホ用のQi充電器を持っている方は1MORE S50の充電ケースの充電にも使うことができる。
<▲画像:「1MORE S50」の充電ケースはワイヤレス充電に対応(写真の充電器は付属しない)> |
バッテリー容量は1MORE S50が、イヤホンは60mAh、充電ケースは500mAh、1MORE S30はイヤホンが85mAh、充電ケースが600mAh。
バッテリーの容量は1MORE S50の方が1MORE S30よりも少ないが、連続駆動時間は1MORE S50の方が長いという逆転現象が起きている。
イヤホン単独での連続再生時間、充電ケース分を含めた最大再生時間は下記の通り。
- 1MORE S50:イヤホンのみ→11時間、充電ケース込み→38時間
- 1MORE S30:イヤホンのみ→10時間、充電ケース込み→30時間
どちらも実験室でAACフォーマットの音源ファイルを用いて音量50%で再生テストした場合の数値。
また、1MORE S50は充電ケースに5分間入れるだけで2時間程度の再生が可能になるまで充電できる急速充電に対応している。一方の1MORE S30は急速充電には非対応。
1MORE S50の概要
1MORE S30との違いの項で触れたように、1MORE S50は、IPX7相当の防水性能を持ち、Qi準拠のワイヤレス充電に対応した充電ケース、ケース込みで最大38時間という連続駆動が可能なBluetoothイヤホン。<▲画像:「1MORE フィット オープン イヤーバッズ S50」> |
音質に関しては、「1MOREピュアパワーサウンドドライバー」を内蔵し、最先端の統合デュアル磁気回路メカニズムにより、感度を向上させて繊細な音のニュアンスを再現したという。また、ダイヤモンドライクカーボン製振動板を採用することで、バランスの取れたサウンドを実現しているという。
音質に関しては実際のところは実機で確認するしかないが、価格差を考慮すると1MORE S30よりも良いだろうと推測される。
形状はイヤーフックタイプ。
フックにはメモリーワイヤーを採用し、ユーザーそれぞれの耳の形状に合わせることができるようだ。重さは片側10g。
カラーバリエーションはグレー、シルバーの2色。
基本スペック表は下図の通り。
<▲画像:「1MORE S50」の基本スペック表> |
1MORE S30の概要
次に1MORE S30だが、こちらの充電ケースはワイヤレス充電非対応、防水性能の違い、連続駆動時間がS50と比べると若干短いなどの違いがあるが、それらの点を重視しない場合には、半額という価格設定が大きな魅力になるかもしれない。<▲画像:「1MORE フィット SE オープン イヤーバッズ S30」> |
音質に関しては恐らく1MORE S50の方が良いだろうという推測があるが、実際のところは試してみないことにはわからない。
1MORE S30には14.2mm DLCダイナミックドライバー、DBB低音強化アルゴリズムを搭載し、パワフルなサウンドを楽しめるという。また、1MORE S50と同じくダイヤモンドライクカーボン製振動板を採用し、バランスの良いサウンドを実現しているという。
イヤホンの重さは1MORE S50と同じく約10g。
カラーバリエーションはブラック、ホワイトの2色。
基本スペック表は下図の通り。
<▲画像:「1MORE S30」の基本スペック表> |
なお、後日、1MORE S50の実機レビュー記事を公開する予定なので、関心がある方はそちらをお待ち頂きたい。
冒頭に実機の試用コメントを追記したが、もう少し書きたい。まず今回試用したのは1MORE S50。1MORE製品はヘッドホン、イヤホン問わず複数モデルを試用してきたが、個人的には1MORE S50を一番気に入った。
とにかく、1MORE S50ならでは音場が非常に良く、唯一無二だ。
一般にイヤホンもヘッドホンも音場は頭の中を中心として耳まで、もしくはその少し外までの半径のドーム状に形成されると思う。製品によってこの音場の半径が違ったり、中心の位置が違ったり、圧迫感、閉塞感が違ったり、音の響きも異なる。音の響きについては、一般的に音場の内側で行われ、外に向けた響きは少ない。これはどんなイヤホンでも、それこそオープンエアーのヘッドホンでも傾向としては同じだ。
ところが1MORE S50の音場は、頭の中心から形成されるドーム状という点は同じでも、少し外まで半径があり、さらには音場内外を隔てる壁が希薄なため音が外側にまで広く鳴り響くことができている。イヤホンよりはオープンエアーのヘッドホンに近いが、微妙に異なる。ヘッドホンの場合にはどうしても耳、もしくは耳の周辺を物理的に圧迫するので、ある程度は閉塞感が出る。しかし、1MORE S50の場合は耳の穴から数mm離れた所に小さなスピーカーが浮いているような感覚なので、圧迫感・閉塞感が皆無。耳に近い位置にスピーカーが置かれ、左右から挟まれている感覚。これが非常に心地いい。この感覚は普通のイヤホンのように耳の穴の中に入れてしまうと実現できないオープンイヤー型ならでは。
ハッキリ言って、アウトドアとか関係なく、1MORE S50は普通に家で音楽/動画/ゲームを楽しむイヤホンとして超オススメだ。
しかも1MORE S50は素直でバランス良くキレのある音を出す。例えばボーカルだけ、ギターだけなど徹底して非常に細かく音質だけを聴き比べると、4、5万円の有線イヤホンの方が上だが、基本的に1MORE S50の音質は良い。何より前述したように、1MORE S50の音場が非常に優れた独自の魅力になっているので、トータルだとハイエンドの有線イヤホンと比べても1MORE S50を好む方は多く出てくると思う。それくらい良い。
これはもはやカテゴリの違いと言ってもいいかもしれない。ヘッドオンを好きな人にイヤホンを勧めてもヘッドホンを使いたいだろうし、その逆もしかり。同様に1MORE S50はイヤホンともヘッドホンとも違うサウンド体験を提供する。1MORE S50を一度気に入ると、普通のイヤホンやヘッドホンではなく、オープンイヤー型をずっと使い続けるヘビーユーザーになる可能性がある。
また、意外にも非常にパワーがあるので、大音量で音楽を楽しみたい方でも全く問題無いと思う。オープンイヤー形式のため低音は厳しいかと思いきや、普通に出る。個人的には重低音強調タイプのイヤホンは嫌いなので、ちょうどいいし、フラットなバランスのサウンドを好む方には非常に良いと思う。そして、動画視聴時のサラウンド感も素晴らしい。最近のスマホ/タブレットは「Dolby Atmos」機能をオン/オフできるものが増えているが、1MORE S50でDolby Atmosをオンにした状態で動画を視聴すると、優れたバーチャルサラウンド感を再現してくれる。これは普通のカナル型/インイヤー型イヤホンやヘッドホンでのDolby Atmosとは異なる感覚で、前述したように耳のそばにスピーカーを置いて聞いている感じなので、バーチャルサラウンドとも非常にマッチしている。
そして不思議なことに、なぜか音漏れが非常に小さい。オープンタイプで、イヤーパッドにも穴がデカデカと開いているし、音の広がりもあるので、音が漏れそうなのだが、インイヤー/カナル型のイヤホンまでは行かずとも、近いレベルで音が漏れない。
ノイズキャンセリング機能を望む方には向かない製品だが、ノイズキャンセリング機能が不要なら1MORE S50は文句無しでオススメできる。長時間使用時のフィット感についてはまだ分からないが、1時間半くらいの連続視聴なら全く問題なかった。いずれにしても、もう少し使ってみてから詳細レビュー記事で紹介したい。普段から色々な製品を試しているが、久しぶりに感動した。オープンイヤーのイヤホンは他社製品もあるが、1MORE S50はそれらとも違う。フック型という固定方法も良いのだと思う。
下に掲載したのはAmazon、楽天市場店などの商品リンク。
※追記:9月29日、実機を短時間試用した上でのコメントを追記しました。