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【レビュー】「1MORE PistonBuds Pro」。優しいフィット感!ノイキャンや低遅延モードも搭載の低価格ワイヤレスイヤホン!

ヘッドホン/イヤホンブランド「1MORE」(ワンモア)が手掛ける完全ワイヤレスイヤホン「1MORE PistonBuds Pro」(ワンモア ピストンバッズ プロ、型番:EC302)の実機レビューをお届けしたい。

「1MORE PistonBuds Pro」
<▲写真:「1MORE PistonBuds Pro」>

1MOREといえば先日「1MORE SonoFlow」のレビュー記事も公開しているので、同社製品に関心がある方は合わせてチェックしてみて欲しい。というのも共通した特徴もあるからだ。1MORE SonoFlowは、非常に優れた仕上がりのヘッドホンで、有線/無線両対応製品となっている。

一方の1MORE PistonBuds Proは、完全ワイヤレスイヤホン。昨今のイヤホン市場で最も人気で競争が激化しているジャンルで価格帯別に様々な製品が揃う。

今回紹介する1MORE PistonBuds Proは通常価格8,990円(税込、以下同)だが、Amazonや楽天市場では割引クーポンを利用できれば6,000円前後で購入できる製品。例えば12日時点では割引のクーポンによって5,690円だ。


約6,000円の製品として考えると特に文句のない製品だと思う。特にフィット感の優しさは数万円の高額製品と比べても良い。音質に関してはさすがに数万円のハイエンド製品と比べれば色々と劣る点はあるが、5,000円~15,000円くらいの価格帯の製品の中では十分平均点を与えられるレベルにある。それでいて比較的ハッキリと効くノイズキャンセリング機能、ある程度遅延を抑えられる「低遅延モード」も搭載など機能面も十分。

6,000円弱でこれだけ揃っていれば基本的には十分だと思うし、とにかくフィット感が良い。耳の形状は人それぞれなので、少なくとも筆者の場合に限定されるが、数時間装着し続けても痛くならない、非常に感動的な製品だった。

「1MORE PistonBuds Pro」のイヤホン本体
<▲写真:「1MORE PistonBuds Pro」のイヤホン本体>

完全ワイヤレスイヤホンは有線イヤホンよりボディ(ハウジング)が大きく、重くなることもあり、耳介、外耳道に痛みを感じる方もいると思う。私も低価格帯から高価格帯まで様々な製品を試してきたが、痛みがゼロの製品は無かった。ところが、1MORE PistonBuds Proはベストフィット。私と同じように痛くなりにくい製品を求めている方には有力候補の一つになると思う。

以下、詳しくレビューしていきたい。なお、レビュー品は提供品で、カラーはブラック。

下はAmazon.co.jpでの製品リンク。



1MORE PistonBuds Proのレビュー

1MORE PistonBuds Proの概要とスペック

1MORE PistonBuds Proの概要から見ていきたい。日本での発売日は2023年3月15日で、通常価格は前述したように8,990円。

「1MORE PistonBuds Pro」の特徴(公式資料より)
<▲写真:「1MORE PistonBuds Pro」の特徴(公式資料より)>

1MORE PistonBuds Proは、Bluetooth 5.2対応のワイヤレスイヤホンで、イヤホンボディにケーブルが全く無い「完全ワイヤレスイヤホン」。対応コーデックは「SBC」、「AAC」。遅延の少ない「apt-X」やハイレゾワイヤレスの「LDAC」には非対応。ただし、ゲームなどで役立つ「低遅延モード」を搭載する(アプリでオン/オフ)。

イヤホン本体に内蔵するバッテリーの容量は38mAhで、充電ケース内のバッテリー容量は410mAh。連続駆動時間はノイズキャンセリングモードのオン/オフ状態に左右され、ノイズキャンセリングを使わないときにはイヤホン本体のみで約7時間半、充電ケースで22時間半、合計では最大30時間の連続駆動ができる。ノイズキャンセリングがオンだと、イヤホン本体のみで約5時間、充電ケースで約15時間、合計で最大20時間となる。

「1MORE PistonBuds Pro」のバッテリーの持ち(公式資料より)
<▲写真:「1MORE PistonBuds Pro」のバッテリーの持ち(公式資料より)>

ノイズキャンセリングは、1MOREの自社開発技術「QuietMaxアクティブノイズキャンセリング技術」を用い、最大38dBの騒音カットが可能とされている。

また、ノイズキャンセリングモードの他に、「パススルー」(外部音取り込みモード)というリスニングモードがある。細かく見ればノイズキャンセリングモードには、「ディープモード」と「風切り音低減モード」がある。

アクティブノイズキャンセリング機能について(公式資料より)
<▲写真:アクティブノイズキャンセリング機能について(公式資料より)>

リスニングモードの切替はスマートフォン向けアプリ「1MORE MUSIC」の他、1MORE PistonBuds Proのイヤホン本体に搭載されたタッチパネルでも操作できる。左右どちらでも構わないのでイヤホンのタッチパネルを長押しすれば切り替わる。ただし、ノイズキャンセリングモード内の「ディープ」と「風切り音低減」の切り替えに関してはスマホアプリが必須。スマホアプリが無い場合はノイズキャンセリングモードは「ディープ」のみ。とはいえ、後述するが個人的には「ディープ」のみで全く問題ないと思う。

イヤホン本体のタッチパネルではリスニングモードの切り替えだけでなく、音楽再生/一時停止、着信の応答/終話などの操作もできる。

イヤホンの脱着はセンサーでチェックされるため、耳から外しての音楽の自動停止、装着しての自動再開もできる。この耳検出機能を活かしたスマート再生機能についてはユーザーの好みに応じてオン/オフ変更できる。ちなみに筆者はこの手の自動再生/停止機能は嫌いなのでオフにしている。

リスニングモードとは別機能として「低遅延モード」もある。これはBluetoothイヤホンでは宿命の遅延を低減する機能。通常、「低遅延モード」がオフの状態だと300ms程度の遅延のところ、オンにすると最小で90ms程度まで遅延を低減できるという。ゲームプレイ時、または動画視聴時に役立つだろう。ちなみにゲームアプリの使用時だけに限定された機能ではなく、音楽鑑賞や動画鑑賞などでも利用できる。ただし、オン/オフ切り替えできるのはスマホアプリのみ。

「低遅延モード」(ゲームモード)について(公式資料より)
<▲写真:「低遅延モード」(ゲームモード)について(公式資料より)>

イヤホン本体の重さは片側約4.5gで、サイズは約17 x 18 x 21.4mm。イヤーチップ(イヤーピース)は「XS」「S」「M」「L」の4サイズが付属している。前述したようにボディの設計は非常に優れていて、フィット感は抜群。

フィット感について(公式資料より)
<▲写真:フィット感について(公式資料より)>

IPX5相当の防水性能もあるので、運動、雨などでも特に問題ないだろう。

音質については、最終的なチューニングは、グラミー賞を4回受賞したサウンドエンジニアの巨匠であるLuca Bignardi氏が担当している。これは1MORE SonoFlowや、後日レビュー予定の有線イヤホン「1MORE ペンタドライバー P50」も同じ。Luca Bignardi氏は、他社製品でもチューニングを多く手掛けていて、例えば後述の「Galaxy Buds 2」、以前レビューした「Xiaomi Buds 3T Pro」などもだ。

Luca Bignardi氏が担当したイヤホンは癖が少なくフラットに近くバランスの取れた聞きやすい製品が多いので、同氏が担当したイヤホンを使ったことのある方には1MORE製品の音はイメージしやすいと思う。1MORE PistonBuds Proの音のバランスもフラットに近い。

ドライバーユニットにはチタン製の複合振動膜が用いられ、高速でクリアな音質を実現。10mmダイナミックドライバーで迫力あるサウンドを楽しめる。

ドライバーユニットについて(公式資料より)
<▲写真:ドライバーユニットについて(公式資料より)>

音の全体的な品質に関しては、同じ1MORE製品でも、より高額な1MORE SonoFlow1MORE ペンタドライバー P50などと比べると落ちるが、価格帯が異なるので致し方ない。しかし、5,000円〜15,000円の価格帯の競合製品との比較では平均的。最終的な音の傾向としては僅かに低音寄りだがフラットに近いバランスで、決して聞きにくいこともなく無難。高音が刺さるようなこともない。一方で、全体的な籠りはそれなりにある。


1MORE PistonBuds Proのパッケージの付属品

1MORE PistonBuds Proのパッケージと付属品は下の写真の通り。

「1MORE PistonBuds Pro」のパッケージと付属品
<▲写真:「1MORE PistonBuds Pro」のパッケージと付属品>

1MORE PistonBuds Pro本体、充電ケース、イヤーピース、USB Type-C to Type-Aケーブル、ユーザーガイド(マニュアル、日本語表記あり)だ。USB Type-C to Type-Aケーブルは充電用の短いもの。基本的にスマホの充電器/ケーブルを流用する方が多いと思うので、使う機会は少ないだろう。


イヤホン本体デザイン、イヤーピース、フィット感

1MORE PistonBuds Proのは本体デザインは、非常にオーソドックスで万人向け。安っぽいということもなく、十分にスタイリッシュ。

イヤホン本体デザイン
<▲写真:イヤホン本体デザイン>

操作用のタッチパネル部はスピン加工に光沢パネルでカバー。それ以外の部分は光沢無しの艶消し仕上げで質感は上々。また、タッチパネルに連なる形状は円筒形で摘まみやすいので、イヤホンの脱着もしやすい。

イヤホン本体デザイン。耳介との接触面積は小さい
<▲写真:イヤホン本体デザイン。耳介との接触面積は小さい>

イヤホン本体を側面から見たデザイン
<▲写真:イヤホン本体を側面から見たデザイン>

イヤーピースは、前述したように4サイズ用意されている。イヤーピースを外すとノズルが見えるが、ノズルは若干短め。普通の円筒ノズルなので市販のイヤーピースとの交換ももちろんできる。

イヤーチップとノズル部
<▲写真:イヤーチップとノズル部>

1MORE PistonBuds Proのフィット感は抜群に良い。前述したように私自身、完全ワイヤレスイヤホンは本当に数多く試した。買っては売り、買っては売りを繰り返し、本当に疲れ果てた結果、完璧なフィット感の製品には巡り合えなかった……。結局、普段は有線イヤホンをメインで使っているので、まぁいいか、という結論だが、本音を言えば、完全ワイヤレスイヤホンでも音質とフィット感の両方で満足できる製品が欲しい。

そのような中、少なくともフィット感に関しては個人的に1MORE PistonBuds Proはベストだ。

完全ワイヤレスイヤホンで痛みが生じる可能性のある場所は耳介、外耳道だと思う。基本的に完全ワイヤレスイヤホンのボディは有線イヤホンと違って大きいので耳介のどこかに接触するし、接触ありきの製品も多い。接触ありきの製品の場合にはイヤーピースに全ての負荷を掛けず、ボディと耳介の接触部にも負荷分散させる。その負荷が掛かる場所、もしくは負荷はたいして掛かってなくとも接触部のボディ形状が尖っていたりして痛みが生じることもある。そして、耳介に痛みが出なくともイヤーピースと外耳道の接触部、要するに耳穴のどこかに痛みが出ることもある。

さらには右耳は大丈夫でも左耳はダメとか、その逆もある。

耳の大きさも形も千差万別なので、正直な話、メーカーも大変だと思う。

私の場合、今までで最もマシだったのはサムスン電子の「Galaxy Buds 2」とパナソニックの「EAH-AZ40」。今もたまに使っているが、30分~1時間程度でGalaxy Buds 2は左耳の耳介が、EAH-AZ40は左耳の外耳道の入り口下側に痛みが生じる。なぜか右耳はどちらの製品でも問題ない。

左から順に「Galaxy Buds 2」「1MORE PistonBuds Pro」「EAH-AZ40」
<▲写真:左から順に「Galaxy Buds 2」「1MORE PistonBuds Pro」「EAH-AZ40」>

音質についてはより上位の「EAH-AZ60」とソニーの「WF-1000XM4」をそれなりに気に入ったが、この2つは痛みがより大きく、根本的に自分の耳には合わなかった。

Galaxy Buds 2はボディが耳介と接触する面積が大きく、私の左耳の形状と合わないようだ。EAH-AZ40の場合、ボディは非常に小さく、耳介との接点は非常に少ないので耳介は問題ない。ところがEAH-AZ40は耳介での接点が少ない分、負荷がイヤーピースに集中する。それでも軽いので右耳は問題ないが、なぜか左耳は入り口付近の下側に痛みが出る。

結局、こんなことの繰り返しで、なかなかベストフィット品に巡り合えない。

ところが、1MORE PistonBuds Proは筆者の鬼門である左耳も全く問題なく、痛くない! 正直に言って、本当に感動した。

1MORE PistonBuds Proのハウジングはクラス最小とは言わずとも小さ目。そして軽め。とはいえ、耳介の接触面積はEAH-AZ40の方が小さい。ところが、痛くないのは1MORE PistonBuds Pro。結局のところ、私の耳の形状と合うか合わないかの違いに過ぎないのかもしれないが、1MORE PistonBuds Proは他の人にとっても痛みを生じにくい形状だと思う。というのも、ハウジングがやはり小さく軽いからだ。そして妙にこだわった形状でもなく、非常に無難な曲面形状をしている。Galaxy Buds 2は妙な曲面デザインで、私の耳には合わないし、他にも合わない人はいると思うし、そもそも曲面だらけで掴みにくく脱着しにくい。

左から順に「Galaxy Buds 2」「1MORE PistonBuds Pro」「EAH-AZ40」
<▲写真:左から順に「Galaxy Buds 2」「1MORE PistonBuds Pro」「EAH-AZ40」>

フィット感は本当に人それぞれながら、1MORE PistonBuds Proは痛くないイヤホンを探している方には有力候補になり得ると思う。


充電ケース

充電ケースのデザインもイヤホン同様オーソドックスながら十分スタイリッシュ。

「1MORE PistonBuds Pro」の充電ケース
<▲写真:「1MORE PistonBuds Pro」の充電ケース>

側面、底面は艶消しブラック、天面はスピン加工された上にクリアパーツでカバーされた感じとなっていて、イヤホンと同じ。

前面中央にはインジケーターがあり、蓋を開けたときなどに光り、バッテリー残量を手軽に確認できる。

充電ケースの蓋を開いた状態
<▲写真:充電ケースの蓋を開いた状態>

USB Type-C端子は背面にあり、その隣にペアリングなどの際に用いる物理ボタンがある。なお、充電ケース自体はワイヤレス充電には対応していない。

充電ケースの背面のペアリングボタンとUSB Type-C端子
<▲写真:充電ケースの背面のペアリングボタンとUSB Type-C端子>



音質

フィット感は抜群の1MORE PistonBuds Proだが、音質に関しては値段なり。

前述したようにモノによっては15,000円くらいの製品とも戦えるが、音の解像度、そして籠りに関してはハイエンド製品などと比べると劣る。また、1万円台の製品でも例えば前述したGalaxy Buds 2はチューニング担当が同じLuca Bignardi氏で音のバランスは似ているが、根本的に籠りが少なくGalaxy Buds 2の方がクリア。また、同じく小さいイヤホンであるEAH-AZ40は籠りに関しては大差ないが、音の解像度は上。ただ、EAH-AZ40は独特な狭い音場で、音の広がりは小さい上、動画やゲームには合わないので人を選ぶ。

とはいえ、この2機種も値段は1MORE PistonBuds Proより高額だし、音質が良くて当たり前だし、そもそも私の場合は痛くて長時間使えない。

その点、1MORE PistonBuds Proは長時間使えるので、結局最近は外出時には1MORE PistonBuds Proを持ち出している。

ただし、前述したように音質はベストではない。一番気になるのは籠り。低音から高音まで全体的な籠りがあるので、クリアさに乏しい。この籠りの影響で、フラットに近いバランスながら、若干低音が強調された印象になる。一方で、高音の刺さりはない。また、若干籠っているとはいえ、音場が狭すぎるということはなく、動画やゲームで音の広がりや迫力に欠けるということもない。しかし、用途が音楽メインでクリアさと解像度の高さを求める場合には、実売1万円以上の製品を選ぶべきだろう。

1MORE PistonBuds Proは「普通に聴ければ十分」といったニーズ向け。それでも前述したように癖は少ないので、音楽、動画、ゲーム、通話などどの用途でも無難に使える。


ノイズキャンセリングなどリスニングモード、低遅延モード

1MORE PistonBuds Proにはノイズキャンセリングとパススルー、2種類のリスニングモードがある。

ノイズキャンセリング機能は最大38dBのノイズカット性能とされているが、概ねカタログスペック通りだと思う。ノイズキャンセリングモードの効きは1万円~2万円くらいの製品と比べても遜色なく、普通にノイズカットされる。

リスニングモードについて(公式資料より)
<▲写真:リスニングモードについて(公式資料より)>

エアコン、扇風機/サーキュレーターなどの音はほとんど聞こえなくなるし、バス/電車/クルマなどの乗り物の走行ノイズもかなり減る。通勤/通学時の語学学習などもノイズキャンセリングモードをオンにすれば音量を下げて十分に聴くことができる。より強いノイズカットを求める場合には2万円台後半以上の製品しか選択肢はないと思う。それくらい1MORE PistonBuds Proのノイズキャンセリング機能は普通に効く。

また、ノイズキャンセリング機能にはサブモードとして「ディープモード」と「風切り音低減モード」があるが、基本的にはディープのみで十分だと思う。風切り音低減モードは名称通り、外で歩いたり走っているときの風切り音を低減するモードだが、全体的なノイズキャンセリング強度はディープモードより低い。風切り音低減モードというよりも「ライトモード」と呼ぶべき印象。ディープモードほどのノイズカットが不要なときに風切り音低減モードを使えばいいだろう。

なお、ホワイトノイズは若干あるが、ノイズキャンセリング機能特有の妙な真空感みたいな違和感、圧迫感はないので、長時間利用でもストレスはないと思う。

もう一つのリスニングモードであるパススルーは外部音取り込みモードで、要するにイヤホンをしつつも外の音が聞こえる訳だが、これも普通に機能している。とてもオーソドックス。

ちなみに、リスニングモードの切り替えはイヤホン本体のタッチパネル操作でできるが、ノイズキャンセリングモードのサブモード切替に関しては後述のスマートフォン向けアプリが必須なので、その点には注意が必要。

リスニングモードとは別に「低遅延モード」もある。主にゲーム用のモードのようだが、用途は限定されない。音楽や動画の視聴時でも利用できる。ただし、前述したようにアプリからしかオン/オフできない。実際に100~200msほど遅延の低減ができるので、ゲーム、もしくは動画視聴時でも若干の遅延が気になる場合にはオンにすればいいと思う。

ゲームの上位ランカーのようなシビアなレスポンスを必須とするようなプレイヤーの場合は、そもそもBluetoothイヤホンは使わないと思うが、ライトユーザーであれば、大抵のゲームで特に問題なくプレイできると思う。Bluetoothの接続安定性もまずまずというか、至って普通に問題ない。


バッテリーの持ち、保管時の自然放電

バッテリーの持ちはカタログスペックに近く、実用十分。音量など使用状況にも寄るが、イヤホンだけでも普通に5時間は持つ。充電ケースに数分間入れておくだけで1時間再生できるくらいの回復ができるので、実用上は全く問題ないだろう。

むしろ、1MORE PistonBuds Proは自然放電が少ないのが嬉しい。私が持っている製品の中ではパナソニックのEAH-AZ40は自然放電が速く、放っておくとかなり減ってしまい、結構な困りものだが、1MORE PistonBuds Proはイヤホン本体、充電ケースどちらも自然放電が非常に少ないので、イヤホンを使う頻度が少ない方には非常に優れた点の一つだと思う。


スマホ向けアプリ「1MORE MUSIC」

1MORE PistonBuds Proはスマートフォン向けアプリ「1MORE MUSIC」が無くてもBluetoothに対応したデバイスであれば普通に基本機能は使えるが、一部の機能にはアプリが必須となっている。

アプリではリスニングモードの切り替え、ノイズキャンセリング機能のサブモードの切り替え、バッテリー残量の数値での確認、低遅延モードのオン/オフ、イコライザー、ファームウェアのアップデートなどの機能を利用できる。

「1MORE MUSIC」アプリ
<▲写真:「1MORE MUSIC」アプリ>

アプリの使い勝手はごくごく普通で、特筆すべき点はないが、しいて言えば日本語表記が多少おかしい。例えばリスニングモードでノイズキャンセリングがオフの状態を表す言葉として「消灯」と表示されるが、もちろん誰もが違和感を覚えると思う。アプリ内のワード数は非常に少ないので、ローカライズの精度改善は手間ではないと思うので、早く直して欲しいところ。

アプリではイヤホンのタッチパネル操作の割り当て変更もできる。これも「お客様の設定」という謎の日本語になっているが、ダブルタップとトリプルタップ(表記は「タップを3回」)の機能を変えられる。残念だが長押しの割り当て変更はできない。とはいえ、ダブルタップとトリプルタップはLとRそれぞれ独立して設定変更できるので、十分だろう。

タッチパネルの操作の割当設定画面
<▲写真:タッチパネルの操作の割当設定画面>

ちなみに1MORE PistonBuds Proのタッチパネル操作にはシングルタップは用意されていないが、誤操作防止のためだろう。シングルタップは付け外しの際にどうしても起きてしまいがちなので、個人的には排除で正解だと思う。


総括

1MORE PistonBuds Proは、実売6,000円弱の価格帯の完全ワイヤレスイヤホンとしてはほとんど文句無しだと思う。

「1MORE PistonBuds Pro」
<▲写真:「1MORE PistonBuds Pro」>

特に素晴らしいのはフィット感。ヘッドホンの1MORE SonoFlowのフィット感も非常に素晴らしいが、1MORE PistonBuds Proも良い。何度も書いているが、痛みのない、痛みの少なそうな完全ワイヤレスイヤホンを探している方には有力候補の一つになるだろう。

ノイズキャンセリング機能も十分に効くし、パススルー機能も問題ない。低遅延モードも実用十分には効く。自然放電も少ないし、バッテリーの持ちも必要十分。デザインもオーソドックスで無難。全体的にとても良くできている。

マイナス点をあえて挙げるとアプリの日本語ローカライズの微妙さくらいだろう。音質に関しては価格帯なりだが、高音質を求める場合の選択肢はそもそもより高額の製品だろうし、実売6,000円前後の価格帯でノイズキャンセリング機能ありの製品を購入する場合にはかなり良い選択肢だと思う。


情報元、参考リンク
Amazon/1MORE公式ストア/PistonBuds Pro製品ページ
楽天市場/1MORE公式ストア/PistonBuds Pro製品ページ
1MORE Amazonストアページ

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