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【レビュー】「1MORE SonoFlow」。長時間でも痛くないノイキャン対応ハイレゾ・ワイヤレスヘッドホン!

今回は、日本での知名度も向上しているヘッドホン/イヤホンブランド「1MORE」(ワンモア)のハイレゾ対応/アクティブノイズキャンセリング対応のワイヤレスヘッドホン「1MORE SonoFlow」(ワンモア ソノフロー、型番:HC905)の実機レビューをお届けしたい。

「1MORE SonoFlow」
<▲写真:「1MORE SonoFlow」>

なお、1MORE SonoFlowはワイヤレスヘッドホンと書いたが、実は有線ヘッドホンとしても使用できる。ワイヤレスはBluetoothで、有線は付属の2.5mm to 3.5mmオーディオケーブル等を使って接続する。

カラーバリエーションは2つ。左から順に「ブラック」、「ブルー」
<▲写真:カラーバリエーションは2つ。左から順に「ブラック」、「ブルー」>

1MORE SonoFlowのカラーバリエーションはブラックとブルーの2色で、通常価格は13,990円(税込、以下同)。

最初に簡単に総括しておくと、1MORE SonoFlowはお世辞抜きで良いヘッドホンだと思う。

音のバランスはフラットに近く、癖がなく、籠りも少なく、様々なジャンルの音楽、動画、ゲームに対応できる。その上、フィット感が抜群に良く、非常に優しい。個人的に1MORE SonoFlowの最大の魅力はフィット感だと思う。

頭や耳の形や大きさは人それぞれなので、筆者の場合に過ぎない点は踏まえて欲しい。私自身、過去に「ヘッドホン沼」に陥り、何機種も買っては売ってを繰り返しながらも未だに全く痛くならないヘッドホンに出会えていなかったが、1MORE SonoFlowのフィット感はトップだ。

何機種の試した結果、音質、イヤーカップの形状など総合的にオーディオテクニカのヘッドホンを好んでいる筆者だが、それでも2時間ほど装着すると耳の周辺が疲れるし、メガネのツルが当たる部分も多少痛くなる。こればかりは避けられないものだと諦めている。

ところが、1MORE SonoFlowでは2~3時間経過しても痛くならない。特にメガネのツルの部分が痛くならないこと、耳周辺に圧迫疲れのようなものがないこと、ヘッドバンドが当たる場所の髪の毛がペチャンコにならないことに感動した。このヘッドホンはバンド長に若干のゆとりをもたせて装着しても安定する。

ヘッドバンドのスライダーを伸ばした所
<▲写真:ヘッドバンドのスライダーを伸ばした所>

単純に音質だけで比べると、より高額な機種の方が上。しかし、1万円~2万円の価格帯のヘッドホンとしては非常に優秀で、前述したように癖がなくフラットな上、比較的音場も広めで、こもりも少なく、クリアなので聞きやすい。


何より1MORE SonoFlowのヘッドバンドとイヤーカップの設計は非常に優れているので、物理的ストレスの少ないヘッドホンを探している方には最有力候補の一つになると思う。

なお、本レビューは提供品にて行っている。

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1MORE SonoFlowのレビュー

1MORE SonoFlowの概要とスペック

まずは1MORE SonoFlowの概要から見ていきたい。

1MORE SonoFlowはBluetooth対応ワイヤレスヘッドホンだが、有線接続もできるので、正確には有線/無線に両対応したヘッドホンで、インピーダンスは32Ω。

2.5mmオーディオ出力端子を使って有線接続も可能
<▲写真:2.5mmオーディオ出力端子を使って有線接続も可能>

Bluetoothは5.0対応で、プロトコルはHFP/A2DP/AVRCP対応、コーデックは後述するがLDACまでサポートしている。Bluetoothのマルチポイント機能にも対応している。

バッテリー容量は720mAhで、ワイヤレスでの連続使用時間はアクティブノイズキャンセリング機能をオフにした状態で最大70時間、オンの状態で最大50時間。充電時間は約80分で、USBケーブルで行う。5分間の充電でも5時間ほどの視聴ができるので忙しい時でも安心。

有線接続での利用にはバッテリーは不要。ただし、有線接続時はアクティブノイズキャンセリング機能は使えないし、ボリュームボタンも効かない点には注意して欲しい。とはいえ、バッテリーが切れても使える訳だし、Bluetoothに対応していない機器でも使えるのは便利だ。

1MORE SonoFlowの本体サイズは約170 x 192 x 82mmで、重さは約250g。

機能面ではアクティブノイズキャンセリングとパススルー(外音取り込みモード)がある。

1MORE公式YouTubeチャンネルで使い方をまとめた動画が公開されているので参考になると思う。



1MORE SonoFlowのパッケージの付属品

1MORE SonoFlowのパッケージと付属品は下の写真の通り。

「1MORE SonoFlow」のパッケージ
<▲写真:「1MORE SonoFlow」のパッケージ>

付属品
<▲写真:付属品>

1MORE SonoFlow本体、キャリングケース、USB Type-Cケーブル、2.5mm to 3.5mmオーディオケーブル、ユーザーガイド(マニュアル、日本語表記あり)だ。

キャリングケースはセミハードタイプで、表面はファブリック素材。ヘッドホンと共にUSB Type-Cケーブルと2.5mm to 3.5mmオーディオケーブルも収納できる。

キャリングケースを開いた所。蓋の裏にケーブル収納スペースも用意されている
<▲写真:キャリングケースを開いた所。蓋の裏にケーブル収納スペースも用意されている>

充電用のUSB Type-CケーブルのコネクタはType-C to Type-A。2.5mm to 3.5mmオーディオケーブルの長さはコネクタピンの端から端までで約1275mm(約127.5cm)。

USB Type-C to Type-Aケーブルと2.5mm to 3.5mmオーディオケーブル
<▲写真:USB Type-C to Type-Aケーブルと2.5mm to 3.5mmオーディオケーブル>

1MORE SonoFlowも含めて全て収納すると下の写真のようになる。

キャリングケースにケーブル類と1MORE SonoFlow本体を収納した所
<▲写真:キャリングケースにケーブル類と1MORE SonoFlow本体を収納した所>

1MORE SonoFlowは、写真のように90度回転して全体を薄くできるので、キャリングケースも厚くならない。厚みは約55mm。

キャリングケースを閉じた所
<▲写真:キャリングケースを閉じた所>



1MORE SonoFlowのデザインとボタン、端子など

1MORE SonoFlowの本体デザインを見ていこう。

「1MORE SonoFlow」
<▲写真:「1MORE SonoFlow」>

デザインはオーソドックスで、質感高く洗練されている。ヘッドバンドの長さ調節は左右独立式で、それぞれスライダーで11段階調節できる。フリー調節ではなく1段階ずつカチッカチッと止まるので、装着時にバンド長が意図せず伸びたり短くなったりすることもない。

ヘッドバンドの頭頂部クッションとスライダー
<▲写真:ヘッドバンドの頭頂部クッションとスライダー>

スライダーは11段階で長さ調節できる
<▲写真:スライダーは11段階で長さ調節できる>

キャリングケースの項で触れたように、R側、L側どちらのヘッドホンも内側に90度回転できるので、収納/保管しやすい。

イヤーカップを90度回転させたところ
<▲写真:イヤーカップを90度回転させたところ>

操作ボタン類はR側に集中している。電源ボタン、ボリュームボタン(+、-)、リスニングモード切替ボタン(アクティブノイズキャンセリングなど)が側面にグルリと配置されている。各ボタンはタッチキーではなく物理ボタン。LEDインジケーターも搭載されている。

R側のボタン類
<▲写真:R側のボタン類>

端子はR側に2.5mmオーディオ出力端子が、L側に充電用のUSB Type-C端子が搭載されている。どちらも下についている。

USB Type-C端子と2.5mmオーディオ端子
<▲写真:USB Type-C端子と2.5mmオーディオ端子>

イヤーカップは一般的なヘッドホンと同じような素材だと思うが、クッションは柔らかく、耳当たりも優しい。内張は真っ赤なファブリックで、L、Rの識別表記がある。

イヤーカップ。内張にLRの識別表記がある
<▲写真:イヤーカップ。内張にLRの識別表記がある>



フィット感

1MORE SonoFlowのフィット感はとにかく良い。実際に誇張抜きで感動した。

1MORE SonoFlowのイヤーカップのタイプは、オンイヤーではなく、耳全体をすっぽりと覆い込むタイプ。クッションは耳の周辺に当たることになる。

イヤーカップは耳を完全に収めるタイプ
<▲写真:イヤーカップは耳を完全に収めるタイプ>

すでに何度か述べているように、1MORE SonoFlowはなぜか痛くならない。デザイン/設計に特別な所は見当たらなく、非常にオーソドックスに見えるが、恐らく絶妙にバランスが取れているのだと思う。余裕で2、3時間、もしくはそれ以上使い続けられる。

頭頂部の当たりも優しいし、耳周辺への圧迫感も弱い、それにも関わらずそれなりのホールド感もある。また、髪の毛がペチャンコになりにくいのも嬉しい。そしてメガネのツルを強く押し付けることもないので、ツルが肌に押し当てられて痛くなるということもない。

「1MORE SonoFlow」の構造についてメーカー公式資料
<▲写真:「1MORE SonoFlow」の構造についてメーカー公式資料>

結局の所、ヘッドホンは幾ら音が良かろうとも30分~1時間程度で痛みを生じる場合には意味がないし使わなくなってしまうと思う。ヘッドホン選びの際にフィット感は非常に大きなポイントと言える。

勿論筆者以外の人が1MORE SonoFlowを使った時にフィット感が同じとは言えないが、バンド形状と弾力、クッション形状、素材の柔らかさなどを考えると、誰が装着してもそれなりにフィット感は良いのではないかと思う。


アクティブノイズキャンセリング、パススルー(外音取り込みモード)について

1MORE SonoFlowにはリスニングモードとして、アクティブノイズキャンセリングモード、パススルーモード(外音取り込みモード)が搭載されている。

リスニングモードの切替は、ヘッドホンに搭載されているボタン操作、もしくはスマートフォン向けアプリから行うことができる。

アクティブノイズキャンセリングとマイクに関するメーカー公式資料
<▲写真:アクティブノイズキャンセリングとマイクに関するメーカー公式資料>

ノイズキャンセリングの性能はメーカー公式では特に「何dBまでカット」といった表記はないが、ごく普通に効いている。形状的にヘッドホンよりもイヤホンの方が耳の穴を完全に塞げるためノイズキャンセリングは効きやすいが、1MORE SonoFlowでもエアコン、扇風機/サーキュレーターなどの音、パソコンのファンなどの音、様々な物音、足音などはかなりカットされる。人の話し声は完全にカットされるというよりも、声の広がりが狭まり、音量が小さくなるといった感。

筆者の場合はメガネのツルの周辺に微かな隙間ができるが、ノイズキャンセリング性能に影響はないようだ。メガネを外してもノイズキャンセリングの効き具合は特に変わらない。

一方、パススルーモードは外の音が通過して聞こえるというよりは少し誇張してヘッドホンで再生している感じになる。まあ、他社品と特に大きな違いはないと思う。

通常モードではノイズキャンセリングもパススルーもオフだが、物理的な遮音性能はヘッドホンとしてはごく普通だと思う。


音質とLDAC

1MORE SonoFlowの音質はかなり良い。

特に1万円台の価格帯での同タイプのヘッドホンと比べて、1MORE SonoFlowは音場がある程度広めでクリア、音のバランスもフラットに近く聞きやすい。もちろんハイエンド機と比べると完璧なクリアさとは言えないが、こもった感じは少ない方だと思う。2万台の製品と比較しても戦える。

ヘッドホンやイヤホンは、何よりもフラットでキチンと解像感高くクリアに音が出るかどうかが重要で、1MORE SonoFlowは素直に音を出してくれる。低音から高音まで破綻なく出ているし、高音が耳に突き刺さるようなこともない。

なお、注意したいのは、デフォルト設定の状態では「LDAC」では繋がらないという点。スマートフォン向けアプリ「1MORE Music」をインストールし、「エルダック(LDAC)」の設定を「オン」にしなければLDACでの接続はできない。また、この設定はあくまでも1MORE SonoFlow側の話で、スマホ側もLDAC設定にする必要があるので注意して欲しい。スマホ側は、「設定」→「Bluetooth」→「1MORE SonoFlow」の歯車アイコンから「コーデック」の項で「LDAC」をオンにすればいい。ただし、スマホ側設定については機種により異なる。今回の例は「Galaxy S22 Ultra」を使っている。

左が「1MORE Music」アプリのLDAC設定に関する項目、右が「Galaxy S22 Ultra」でのBluetooth設定におけるLDAC設定
<▲写真:左が「1MORE Music」アプリのLDAC設定に関する項目、右が「Galaxy S22 Ultra」でのBluetooth設定におけるLDAC設定>

LDAC接続と、非LDAC接続の音の違いは体感でも判別できるが、非LDACで音質がガクッと落ちることもない。クリアさや音のバランスが変わるようなこともない。LDACだと、音の粗さが消えるというか、各周波数別の音の粒の粗さが減り、しっとりと落ち着いた音場になる。音場の性質が変わるのではなく、同じ傾向のまま品質が全体的に向上する感じだ。

音源データがハイレゾだろうと圧縮音源だろうと、スマホなどのプレーヤー側がLDACに対応しているのであれば、LDAC接続の方が明らかに良い。

また、ノイズキャンセリングをオンにすると、周囲の環境音がほぼ無くなり音源が強調されるが、音場が狭くなり、少し籠った感じになる。これは好みが分かれると思う。筆者は個人的には1MORE SonoFlowに限らず、ノイズキャンセリングモードで音楽を聴くのは好みではないが、人それぞれだと思う。

ただ、1MORE SonoFlowのサウンド性能の良さはやはり通常モードの方が感じやすいと思う。


アプリ

1MORE SonoFlowはゲーム機、パソコンなど様々な機器で普通のBluetoothヘッドホンとして使えるので、スマートフォン向けアプリが無くとも構わない。しかし、ファームウェアのアップグレードを行ったり、LDACで接続したり、イコライザで音のバランスをカスタマイズしたい場合にはアプリが必要。

そのため、基本的にはスマートフォンにアプリ「1MORE Music」をインストールしておく方がいいだろう。

「1MORE Music」アプリのホーム画面
<▲写真:「1MORE Music」アプリのホーム画面>

1MORE Musicのホーム画面では、バッテリー残量、リスニングモード、専門的なチューニング(イコライザー)、LDACのオン/オフ、ファームウェアのアップデート、クイックガイド(操作方法の確認)、「落ち着くサウンド」などの機能を利用できる。

アプリの機能面に不満はないが、残念ながら日本語ローカライズは微妙。例えば、リスニングモードで通常モードが「消灯」になっている……。これはノイズキャンセリングモードがオフ、という状態を表しているのだろうが、「消灯」では意味が違う……。これに代表されるように、日本語が微妙な点が多々見受けられるのは残念。とはいえ、実用上問題にはならないので、すぐに気にならなくなると思う。

ちなみに、「落ち着くサウンド」機能は、リラクゼーションサウンドを鳴らしてくれる機能。森の音、雨音、波の音などをアプリで再生し、1MORE SonoFlowで聴くことができる。

また、マルチポイント機能は実は「実験的機能」として提供されていて、標準設定ではオフになっている。ホーム画面右上のアイコンをタップし、「実験的機能」に進み、「2台接続可能」という項目をオンにすることで機能する。

「1MORE Music」アプリのマルチポイント設定について
<▲写真:「1MORE Music」アプリのマルチポイント設定について>



総括

1MORE SonoFlowの総括は、冒頭で述べたコメント通りだが、とても良いと思う。

「1MORE SonoFlow」本体とキャリングケース
<▲写真:「1MORE SonoFlow」本体とキャリングケース>

特に素晴らしいのは何といっても超優しいフィット感。こんなにストレスフリーのヘッドホンには今まで出会ったことがなかった。それでいて音質も普段使いには十分。サウンドバランスが癖なくフラットなのも好印象。

ノイズキャンセリング機能も十分普通に効くし、全体的にとても良くできている。また、有線での使用ができる点も地味に便利な魅力だと思う。

マイナス点をあえて挙げたとしても、せいぜいアプリの日本語ローカライズが微妙なくらい。あとは電源を入れたときに毎回「Battery High」と残量を示す音声が流れるのが邪魔と言えば邪魔だが、無くなると不便な気もするし、そもそもすぐに慣れる。

トータルで優れたヘッドホンだと思うので、1万円~2万円くらいの予算でワイヤレスヘッドホンを探している方にはオススメだ。


情報元、参考リンク
Amazon/1MORE SonoFlow製品ページ
楽天市場/1MORE SonoFlow製品ページ
1MORE Amazonストアページ

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