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【市場調査】格安SIM市場シェア。2023年3月末時点の1位はIIJmio、2位はOCN モバイル ONE、3位mineo

NTTドコモ(以下、ドコモ)は20日、NTTレゾナントが運営する格安SIM「OCN モバイル ONE」の今後に関する発表を行い、26日をもって新規申込の受付を終了することが分かった。既存のユーザーの継続利用は可能だが、今後は新規ユーザーが増えないことを意味し、格安SIM市場の今後にとって非常に大きなニュースだ。

独自サービス型SIM市場シェア。2022年9月末が左、2023年3月末が右
<▲画像:独自サービス型SIM市場シェア。2022年9月末が左、2023年3月末が右>

ドコモは格安SIM相当の新料金プランとして「irumo(イルモ)」を発表し、今後、低料金を求めるユーザーにはirumo、もしくは提携パートナー企業が手掛ける格安SIMである「エコノミーMVNO」を提案していく。

詳しくはirumoの詳細記事を参照して欲しいが、irumoをOCN モバイル ONE並みの料金に抑えるには「ドコモ光セット割」や「home 5Gセット割」が必須。すなわち指定固定回線とのセットでなければirumoは格安SIM級の値段にはならない。

固定回線とのセット割を組めないユーザーについては、今後徐々にOCN モバイル ONEから他社に乗り換えていくのではないかと考えられる。

では、そもそも現在の格安SIM市場のシェアはどうなっているのか? また、OCN モバイル ONEのユーザーはどれくらいいるのか? その辺りも気になる所。タイミング良く、ICT市場調査コンサルティングのMM総研が3月末時点での国内MVNO市場調査のレポートを公開したので紹介したい。

同社の調査によれば、独自サービス型SIM(一般的な「格安SIM」)の回線契約数は3月末時点で約1312万1千だ。これは前年同期比では4.2%増となる。同社は、楽天モバイルが最低0円のプランを廃止したことや、IoT向け用途が好調なことを受けてのプラス成長だとみている。

独自サービス型SIMの市場規模
<▲画像:独自サービス型SIMの市場規模>

また、携帯電話全体の契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は2021年9月末から横ばいの6.3%だという。最も高い数値を記録していたのは2020年9月末の8.2%で、それよりも下がっているが昨今は横ばい傾向。

携帯電話(3G、LTE、5G)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数
<▲画像:携帯電話(3G、LTE、5G)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数>

そして独自サービス型SIMの市場シェアだが、3月末時点でトップに立つのは「IIJmio」を手掛けるインターネットイニシアティブ。同社では個人向けの他、IoT用途を含む法人向け回線でも伸びが見られ、3月末時点でのトータルでの回線数は約293万8千回線。シェアは22.4%だ。

2位はNTTレゾナントで約200万7千回線だ。OCN モバイル ONEが格安SIM大手の一角を占めていることがここからも分かる。シェアとしては15.3%。

3位は「mineo」を手掛けるオプテージで、シェア9.5%、回線数は約124万8千回線だ。4位にはビッグローブが6.4%、約84万6千回線と続き、その他が合計で46.4%。

格安SIM市場はこの4社で過半数を超えるシェアを占め、中でもIIJmioとOCN モバイル ONEが強い。

独自サービス型SIM市場シェア。2022年9月末が左、2023年3月末が右
<▲画像:独自サービス型SIM市場シェア。2022年9月末が左、2023年3月末が右>

OCN モバイル ONEはサービス自体は継続されるが、前述したように新規での申込受付は26日で終了するため、今後は増える事が無いため、減少に転じることになる。その時の乗り換え先の候補として真っ先に挙がるのは、やはりIIJmioとなるだろう。

もしくは通信キャリアのサブブランド、オンライン専用ブランドなどだろう。

昨今非常に好調な「ワイモバイル」と「UQ mobile(UQモバイル)」についても同社は触れており、この2つのブランドが携帯電話全体に占める契約数比率は前年同期の6.2%から8%にまで伸びたという。格安SIMが6.3%なので、抜かれた格好だ。

また、「ahamo」「povo」「LINEMO」に関しては合計で契約数比率が3%超えで、こちらも増加傾向にある。

通信キャリアのメインブランドからサブブランド、もしくは格安SIMに移るユーザーは基本的には年々増えていることもあり、恐らく今後もプラス傾向が続くだろう。

MM総研も格安SIM市場は拡大するとの予測を示している。

独自サービス型SIM市場予測
<▲画像:独自サービス型SIM市場予測>

気になるのはドコモのirumoで、意外と固定回線セット割を組めるユーザーが多いのであればOCN モバイル ONEからの移行組だけでなく他社からの乗り換えも十分に見込めるかもしれない。また、他キャリアがirumo対抗で料金プランをテコ入れする可能性も否定できない。

ahamo、povo、LINEMOが登場した際には格安SIM市場も含めて携帯電話サービスは全体的に大きな変化を余儀なくされたが、今回のOCN モバイル ONEの新規受付終了とirumoの登場は、再びの変革期に繋がるかもしれない。

また、IIJmioだけでなくmineo、ビッグローブ、そして他の格安SIMが息を吹き返すキッカケになる可能性もあり、暫くの間は各社の動きを注視したいところ。ユーザー獲得に向けたキャンペーンなども活発に行われるかもしれないので、おトクに乗り換えられる絶好のタイミングが訪れる可能性がある。

※グラフ及びデータの出典はMM総研。

情報元、参考リンク
MM総研/プレスリリース
IIJmio公式サイト
OCN モバイル ONE公式サイト
mineo公式ページ

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