<▲画像:総務省「移動通信システムの周波数利用に関する調査」の資料1ページ目> |
まず、今回総務省が発表した調査結果は、移動通信システム(主に携帯電話)の周波数利用に関するニーズを把握するため3月15日から31日までの間に行った調査の結果。同省はこの結果を今後の制度整備の参考にするとしている。
調査に対して回答を行った事業者は通信キャリア4者の他、阪神電気鉄道とA社(※社名、回答内容の非開示を希望しているため「A社」と記す)の計6者。
通信キャリア4者は、NTTドコモ(以下、ドコモ)、KDDI/沖縄セルラー(au)、ソフトバンク、楽天モバイルだ。
ドコモは自社名のドコモで、KDDI/沖縄セルラーはau、ソフトバンクは「ソフトバンク」と「ワイモバイル」、楽天モバイルは「楽天モバイル」という名称で通信キャリアサービスを展開しているが、周波数帯の割当状況はそれぞれ異なるし、今後の割当に関しても希望時期や主な理由は微妙に違う。
特に最も後から通信キャリア事業に参入した楽天モバイルは先行3社と比べると電波に関しては不利な状況にあり、以前より再編を強く希望してきたし、プラチナバンドの早期割当てを望んできた。特に現在、同社は700MHz帯の早期割当てを希望し、下記のコメントを発表している(原文のまま)。
「当社は、参入当初より『携帯市場の民主化』を掲げています。国内における公平な競争環境ならびに通信ネットワークの構築・整備のため、つながりやすいモバイル通信サービスを実現する上で欠かせない周波数であるプラチナバンドを新規参入事業者に対しても早期に割当ていただきたく、総務省内の電波政策に関する各種議論に参加しています。 当社としては、『移動通信システムの周波数利用に関する調査』において、プラチナバンドの新たな選択肢になりうる700MHz帯の3MHzシステムに対する早期の割当てを希望させていただきました。プラチナバンドを割当ていただいた場合には、当社のネットワーク技術および既存の当社基地局サイトを活用し、柔軟かつコストを抑えた効率的な基地局設置を行い、お客様に安定的かつ高品質なサービスを提供していきたいと考えております。」
具体的には、楽天モバイルは今秋9月までの700MHz帯の割り当てを希望している。
実際問題、700MHz帯の割当は楽天モバイルにとっては5Gのエリア整備などよりずっと重要だろう。前述したように障害物があっても電波が届きやすいため、都心部のビル内などであっても繋がりやすくなるし、地下なども同様。楽天モバイルの自社インフラの回線(楽天モバイル回線)が今までよりも明確に繋がりやすくなるだろう。
もちろんドコモも早期割当を希望しているし、KDDI/沖縄セルラー、ソフトバンクも700MHz帯をNRエリアのカバレッジ充実などに活用したいとしている。
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