<▲写真:試験に参加したAST、楽天モバイル、Vodafone、AT&Tのエンジニアチーム> |
これは楽天モバイルが2024年末から2025年をめどに実現を目指す市販のスマホと衛星との直接通信によるモバイル通信サービス「SpaceMobile(スペースモバイル)」プロジェクトの準備の一環。スペースモバイルが実現すれば、山岳地帯や離島など、通常のモバイル通信サービスでカバーすることが難しい場所でも通信サービスの提供が可能となる。もちろん、大規模災害時などにも役立つ。
<▲写真:「BlueWalker 3」との音声通話をサポートしたASTの技術者チーム> |
今回の実験では、2022年9月にASTが打ち上げた試験衛星「BlueWalker3(ブルーウォーカー3)」と、ASTが保有するシステム及びアーキテクチャを利用し、米国のテキサス州ミッドランドのAbel Avellan氏(ASTのChairman兼CEO)と日本・東京の楽天モバイルのエンジニア間で、市販のスマートフォンを用いて音声通話を行っている。
使われたスマートフォンは「Galaxy S22」で、改造などが行われていない通常仕様のもの。
また、スマートフォンのアップリンクとダウンリンクの信号強度に関する追加試験と測定によりモバイル・ブロードバンド速度及び4G LTE、5G波形に対応できることも確認された。
<▲写真:テキサス州ミッドランドで音声通話試験を行うASTのAbel Avellan氏(左)と技術者> |
楽天グループの代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏はスペースモバイルプロジェクト実現に向けた今回の実験について次のようにコメントしている。
「このたび、衛星と市販スマートフォンの直接通信を実現し、当社のエンジニアとAvellan氏の音声通話という画期的な成果を上げられたことを大変喜ばしく思います。AST SpaceMobileならびに試験に参加したすべてのASTの戦略パートナー企業の皆様にお祝い申し上げます。ASTのようなパイオニアによって宇宙からのモバイル通信の技術的進歩がなされることで、楽天グループとしても、私たちの目標である『携帯市場の民主化』に向けて大きく前進できると考えています」
ASTのAbel Avellan氏も「今回、これまで多くの人に不可能と考えられていたことを実現することができたとともに、宇宙からグローバルなモバイル・ブロードバンドを提供するという私たちの目標において、最も重要なマイルストーンを達成することができました。私たちのチームと素晴らしいパートナー企業に恵まれ、非常に誇りに思っています。彼らの揺るぎない献身とたゆまぬ努力が私たちをこの極めて重要な瞬間に導いてくれました。この大きな成果を祝うと同時に、世界がつながる手段を変革するという目標実現に向けて、私たちはすでに今後の道筋と極めて重要な次のステップに焦点を合わせています」と述べている。
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