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ソニー、宇宙空間を含めて地球全体をカバーする通信網の実現に向けて宇宙光通信事業の新会社設立

ソニーグループは3日、完全子会社であるSony Corporation of America(以下、SCA)が宇宙光通信事業を行う新会社「Sony Space Communications Corporation」(以下、SSC)を1日付けで設立したと発表した。SSCの株式の100%はSCAが保有し、拠点は米カリフォルニア州にあるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の米国サンマテオ本社と同じビルに設けられるようだ。

小型光通信装置SOLISSの概要(JAXA、NICT、ソニーCSLのプレスリリースより)
<▲参考資料画像:小型光通信装置SOLISSの概要(JAXA、NICT、ソニーCSLのプレスリリースより)>

そしてSSCのPresidentにはソニーコンピュータサイエンス研究所で衛星光通信の研究を率いる岩本匡平(いわもと きょうへい)氏が就任する。

2016年からJAXAの主幹研究開発員も兼任している岩本匡平氏は、2020年3月に第4回宇宙開発利用大賞の最高賞である内閣総理大臣賞を受けた「小型光通信装置SOLISS(Small Optical Link for International Space Station)による宇宙通信インフラ構築への貢献」の受賞者の一人。SOLISSについては、「JAXA/小型光通信実験装置「SOLISS」が宇宙と地上間の双方向光通信に成功」を参照して欲しい。

新会社では、低軌道の超小型の人工衛星間を光で繋ぐ小型の光通信機器の開発と、関連サービスの提供を計画しているという。

ゆくゆくは宇宙空間を含めた地球全体をカバーするインターネット通信網の実現とリアルタイムサービスなどのアプリケーション実装も目指すという。

同社によれば、そもそも宇宙空間には現在、約12,000機もの人工衛星があり、今後も増加が見込まれているという。そして、地球周回軌道における衛星通信量が年々増加していて、限界に到達する恐れが指摘されているという。

また、低軌道衛星にはいくつかの制限があるという。地上との通信が必要だということ、大容量通信のためには大型の通信機器が必要なこと、地上局の上空を衛星が通過するタイミングでしか通信できないといったことだ。

新会社のSSCでは、前述したように、低軌道の超小型の衛星間を光接続する小型の光通信機器の開発と関連サービスの提供を予定している。光通信を用いることで、従来の電波通信では物理的に難しかった大容量通信を小型の機器で実現するという。また、衛星と地上間のみならず、衛星間の光通信網を構築することで、地上のどこからでも、どの衛星へもリアルタイムに通信可能になることを目指すという。場所とタイミングの制約からも解放される。

SSCでは、免許が必要な従来型の電波通信と比較して取り扱いやすい光通信を超小型衛星にも搭載できる通信機器として、衛星開発関連企業等へのサービスとして提供する予定という。

情報元、参考リンク
ソニー/プレスリリース
ソニーコンピュータサイエンス研究所/メンバー/岩本匡平氏
ソニーコンピュータサイエンス研究所/新会社「Sony Space Communications Corporation」設立
JAXA/小型光通信実験装置「SOLISS」が宇宙と地上間の双方向光通信に成功

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