<▲写真:「Xiaodu Du Smart Buds Pro」> |
完全ワイヤレスイヤホンは参入メーカーと製品数が増えて選び方が難しくなってきましたが、Du Smart Buds Proに限っては若干立ち位置が異なります。音楽や動画、ゲームなどのエンターテインメント用途にも使えますが、メーカーが想定する主要ターゲットはビジネス用途、外国語の通訳/翻訳などだからです。実際、ビジネスや通訳/翻訳、学習などに適した完全ワイヤレスイヤホンを探している方には有力候補の一つになるでしょう。
Du Smart Buds Proの販売チャネルは全国のヨドバシカメラ、ヨドバシ.com、日本での販売代理店を務めるHR貿易の公式通販サイト「HR ONLINE STORE」で、価格は21,780円(税込、以下同)です。Amazonでも販売されるかもしれないので、一応購入検討時には調べてみてもいいかもしれない。AmazonでのDu Smart Buds Proの検索ページはこちら。
Du Smart Buds Proのレビュー
Du Smart Budsの概要
最初に基本スペックや機能等、製品の概要を確認していきます。こちらの紹介記事も参照下さい。<▲写真:「Du Smart Buds Pro」の充電ケースとイヤホン本体> |
Du Smart Buds Proは中国で検索エンジンを手掛けるBaiduのXiaoduブランド製品です。通訳/翻訳機能には検索エンジンの開発で培ったAI技術が活かされています。
型番は「XD-SWA15-2101」で、日本での販売代理店はHR貿易が務めています。
21,780円という価格からは、完全ワイヤレスイヤホン市場におけるミドルエンドからハイエンド辺りの製品となります。しかし、繰り返しになりますが、Du Smart Buds Proは主にビジネス用途と外国語を扱う機能を最大の特徴とするイヤホンです。他社製品と比べてどうこう言うよりも、Du Smart Buds Proが備える機能や性能を求めているかどうかという点が購入判断のキーポイントになると思います。
<▲写真:「Du Smart Buds Pro」の主な特徴> |
Du Smart Buds Proの特徴的な機能は下記の通りです。
- アクティブノイズキャンセリング機能(最大40dBカット)
- 外音取り込みモード
- 通話録音機能
- 文字起こし機能(3言語対応)
- 45言語対応の翻訳機能
- 45言語対応の通訳機能
バッテリーの持ちは、ノイズキャンセリング機能のオン/オフ状態によって異なります。イヤホン内蔵バッテリーのみだとノイズキャンセリングがオンで約4時間半、オフで約7時間、充電ケースを含めた場合はそれぞれ約22時間30分、約35時間です。
<▲写真:バッテリー持ちについて> |
Bluetooth 5.2対応、コーデックはLDACには非対応ですがSBC、AACはサポートしているので、カジュアルに音楽や動画鑑賞を楽しむ分には特に問題ないと思います。
Du Smart Buds Proの全ての機能を使うには、スマートフォン向けアプリが必須です。
<▲写真:「Xiaoduアプリ」と「Du Smart Buds Pro」の充電ケースとイヤホン> |
しかし、アプリが無くとも基本的機能は使えます。曲の再生/停止、曲送りや音量調整、アクティブノイズキャンセリング機能、外音取り込みモードなどはイヤホン単独の操作で利用できます。そのため、携帯ゲーム機や携帯音楽プレーヤー、ノートPCなどでも使用できます。ただし、アプリ無しでの使用の場合にはイヤホン装着時に英語のガイド音声で全ての機能を利用するにはアプリが必須だという案内がされます。
アプリは下記のGoogle Play、App Storeのリンク先からダウンロードできます。
Du Smart Buds Proのスペック
Xiaodu Du Smart Buds Proの基本スペックも一応掲載しておきます。- 製品名:Du Smart Buds Pro
- 型番:XD-SWA15-2101
- イヤホンのサイズ:約34.3 x 25 x 21.5mm
- 充電ケースのサイズ:約65.3 x 27.8 x 48.7mm
- ドライバーユニット:直径12mm
- 定格インピーダンス:16Ω
- 出力:5mW
- 充電ケース込みの重さ:約55.2g
- 充電ケースのUSB端子:USB Type-C(入力5V/0.5A)
- Bluetooth:5.2
- Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC
- マルチペアリング:対応
- アクティブノイズキャンセリング機能:搭載、最大40dBカット
- 外音取り込みモード:搭載
- 防水・防塵:IP54相当
- 付属品:USBケーブル、イヤーピース(XS、S、M、L)
パッケージと付属品
Du Smart Buds Proのパッケージと付属品は下の写真の通りです。パッケージとマニュアルの表記は日本語を含めた複数言語対応となっています。<▲写真:「Du Smart Buds Pro」のパッケージ> |
<▲写真:「Du Smart Buds Pro」の付属品> |
イヤーピース(イヤーチップ)は4サイズで、XS、S、Lが小綺麗な小箱に収納されていて、Mがイヤホンに装着済みです。ソフトなシリコン製で、比較的薄く柔らかめだと思います。詳しくは後述しますがイヤーピースのフィット感はとても良いです。
USBケーブルはUSB Type-A to USB Type-Cタイプが付属しています。長さはコネクタの端から端までで約335mm(約33.5cm)です。Du Smart Buds Proは市販のUSBケーブルで充電できるので、多くの人が普段スマホの充電に用いているケーブルで充電すると思いますが、一応付いています。
<▲写真:付属のUSBケーブル> |
マニュアル類は「安全上の注意事項」と「クイックスタートガイド」です。クイックスタートガイドにはペアリングのやり方やイヤホンのタッチ操作方法などが記されているので目を通しましょう。
<▲写真:マニュアルは日本語を含めた複数言語で記載> |
本体と充電ケース
Du Smart Buds Proの本体と充電ケースを見ていきます。イヤホン本体の形状は軸があるタイプです。操作用のタッチエリアは軸の側面に搭載されています。正確には装着時で見た場合の正面側です。タップのように短くタッチしたり、長押しのようにロングタップしたり、スワイプで各種操作ができます。
<▲写真:タッチ操作のイメージ。厳密にはつまむ必要はなく、人差し指側のみタッチパネルを搭載している。親指は操作しやすいように支えているだけ> |
イヤホンのスピーカー部(ノズル部)は楕円形で、イヤーピースもそれに伴い楕円形です。
<▲写真:イヤホンのノズル部とイヤーピース(M)> |
イヤホンも充電ケースも表面は光沢のある仕上げで、品の良いデザイン/質感になっています。
<▲写真:充電ケースはホワイトで光沢感のある仕上げ> |
充電ケースは前面にインジケーターLED、底面にUSB Type-C端子、右側面にペアリングなどの際に使うボタンがあります。蓋のヒンジは背面にあって鏡面仕上げとなっています。面積は小さいですが、いざという時にちょっとした鏡として使えないこともありません。
<▲写真:充電ケース。背面のヒンジ部は鏡面。イヤホンは収納部に近づけるとマグネットでスポッと吸着する> |
蓋を開けてイヤホンをしまう時には途中まで入れるとマグネットで吸着します。ほとんどの完全ワイヤレスイヤホンが同種の形式ですが、モノによっては磁力が強過ぎて充電ケースの外にまで漏れて充電ケース自体が金属と近づいた時にくっつくような製品もあるので、私はカバンに入れる時に「Suica」などのカード類に近づけないように気を付けているのですが、Du Smart Buds Proの充電ケースは磁力漏れが少なく、この点は安心です。
フィッティング/装着感1:イヤーピース
イヤーピース(イヤーチップ)は前述したように4サイズ用意されています。写真のようにXS、S、Lは台紙にセットされ、Mはイヤホンに装着されています。<▲写真:イヤーピース(イヤーチップ)はXS、S、M、Lが付属する> |
イヤーピースはソフトシリコン製で薄いこともあり、弾力は弱く、外耳孔/外耳道(耳の穴の中)の形状に綺麗に沿って密閉してくれます。外への圧迫/負荷は小さ目だと思います。
<▲写真:イヤーピース(イヤーチップ)をイヤホンに装着した状態で裏返したところ。およその厚みが伝わるかと思う。とても薄く、柔らかい> |
イヤーピースの追従性が良いので、イヤホンを多少動かしても密閉状態(フィッティング状態)の変化は少なく結構安定しています。イヤホンは製品によってはイヤーピースの僅かなズレや挿入深さの違いで特に低音域を中心に音圧変化が大きい製品もありますが、Du Smart Buds Proは比較的少ないです。装着の微調整は不要で、結構手軽に装着できると思います。また、ランニング、ウォーキングなどの各種エクササイズ時の使用も問題ないと思います。
<▲写真:「Du Smart Buds Pro」の形状> |
イヤホンのハウジングの形状はシンプルな楕円形で、耳への当たりは弱めなので、耳の形状がマッチすれば装着感は良い方だと思います。万一痛みが生じる場合にはイヤホン本体を少し動かして、良い位置を探してみればベストポジションが見つかると思います。
<▲写真:「Du Smart Buds Pro」の形状2> |
ただ、若干ハウジングのサイズが大きいので、耳が小さい人は購入前にヨドバシの店舗など試してみる方が無難かもしれません。Du Smart Buds Proに限らず完全ワイヤレスイヤホンは有線イヤホン以上にフィッティングが難しく、耳に痛みを生じる恐れがあると思うので、可能なら購入前に試用すべきだと思います。私自身、完全ワイヤレスイヤホンは幾つも購入して試しているにもかかわらず、未だに高音質と多機能を持ちつつ長時間の使用でも痛くないイヤホンに巡り合えていません……。
フィッティング/装着感2:イヤーチップ着用状態テスト機能
フィッティングについては実際に音を流しながらの体感的な判断だけでなく、機械的に判定することもできます。Xiaoduアプリに搭載されている「イヤーチップ着用状態テスト」機能です。<▲写真:イヤーピース(イヤーチップ)の装着状態テスト画面例> |
この機能は、実際にイヤホンから短い音を流し、それをマイクで拾ってチェックしているようです。イヤーピースが隙間なく耳の穴を密閉できているかを調べられるので、イヤーピースのサイズ比較、イヤホンの挿入深さなどの位置を決める際の参考になります。
操作
Du Smart Buds Proを操作する方法は2系統用意されています。一つはイヤホンに搭載されたタッチ操作で、もう一つがスマホのXiaoduアプリです。<▲写真:タッチ操作エリアは軸の手前側の面に搭載されている。浅い凹部がタッチ操作エリア> |
イヤホンの軸の側面にはタッチパネルが搭載され、タップ(つまむ)、長押し/ロングタップ(つまんだ状態を少しキープ)、スワイプ(つまんで上下にスワイプ)することで様々な操作が可能です。操作内容は下図の通りです。
<▲写真:タッチ操作ガイド> |
実は、このタッチ操作は若干微妙です。音量調整のスワイプ操作は精度良く反応してくれますし、タップもまあ問題ないのですが、長押しの反応が悪く、なかなか思ったように反応してくれません。軸タイプの完全ワイヤレスイヤホンの多くで共通した問題だと思いますが、タッチ操作の内、長押しの反応が悪い、もしくは慣れを必要とする製品がありますよね。Du Smart Buds Proも同じです。
長押し/ロングタップ操作にデフォルトで割り当てられているのはモード切替です。
モード切替とは、ノイズキャンセリングモード、外音取り込みモード、ノーマルモードの切替です。ですが、このモード切替はXiaoduアプリでもできます。タッチ操作の反応が悪いときや慣れるまではアプリを使う方が楽です。
<▲写真:「Xiaoduアプリ」の「イヤホン設定」画面。「ノイズコントロール」がモード切替のこと> |
前述したように音量調整は精度良く反応してくれます。軸をつまんで、そのまま上にスライドさせれば音量アップ、下げれば音量ダウンです。長押しも同じくらい反応が良くなると良いのですが……。ファームウェア更新でソフトウェア的に若干でも改善できるならそれに期待したいところです。
Xiaoduアプリ
Xiaoduアプリのことは少し説明しましたが、改めて見ましょう。そもそもDu Smart Buds Proの全ての機能を利用するにはアプリが必須です。<▲写真:「Xiaoduアプリ」のトップ画面> |
具体的には下記の機能を使うにはアプリが必要になります。
- 対話翻訳機能
- 同時通訳機能
- 通話録音機能
- 文字起こし機能
- イヤーチップ着用状態テスト機能
- ゲームモード
- ファームウェアの更新機能
通訳と翻訳機能だけでなく通話録音、文字起こし、イヤーチップの着用状態テストはアプリ必須なので、Android、iOS機器以外では利用できません。ゲームモードも同様です。
ゲームモードは、ゲームプレイ時のオーディオ遅延を減らせるモードです。私が試用した限りはオフのままでも特に気になりませんでしたが、万一遅延が発生するようであればオンにすれば改善されるのだと思います。
Du Smart Buds Proのファームウェアの更新もXiaoduアプリを使ってワイヤレスで手軽にできます。ちなみにレビュー時のファームウェアは「1.0.5.16」です。
なお、イヤホンのタッチ操作の内、長押し(ロングタップ)の機能割り当てを変えられることは前述しましたが、アプリを使って行います。デフォルトはノイズキャンセリングモード、外音取り込みモード、ノーマルモードを切り替える「ノイズコントロール」になっています。
これを「音声アシスタント」か「着信拒否」に変更できます。
<▲写真:「Xiaoduアプリ」の「クイック操作設定」画面。「長押し」操作は機能割り当ての変更ができる> |
ちなみに、ノイズコントロールのサブ設定項目で、なぜかデフォルトだとチェックが入っているのはノイズキャンセリングモード、外音取り込みモードのみで、「閉じる」(ノーマルモード)にはチェックが入っていないので、チェックを付けておく方がいいでしょう。
翻訳機能
Du Smart Buds Proの目玉機能の一つが対話翻訳機能です。<▲写真:「対話翻訳モード」について> |
対話翻訳機能は、実際に外国語を使う人と会話をする時に活用できます。
下に掲載した画面例では、自分(Du Smart Buds Proを装着している人間)が日本語を、会話相手が英語を使う場合を想定した例です。
<▲写真:「対話翻訳機能」の使用例> |
画面下の「日本語」ボタンを押してから自分が日本語で話すと、画面にチャット形式でその内容が日本語と英語で表示されます。相手にはこの画面を見せればいい訳です。相手が応答するときには「英語」ボタンをタップします。すると、相手が喋った英語の内容が画面に表示されると共に、日本語訳がDu Smart Buds Proのイヤホンから日本語の合成音声で流れてきます。同時に画面にも日本語訳が表示されます。
例えば海外旅行に行って買い物をするシーンをイメージすると、自分が店員さんに話しかけるときは日本語でイヤホンのマイクに話しかけてからスマホの画面を見せます。続いて外国語(ここでは英語)のボタンをタップしてから相手にスマホのマイクに向かって話しかけてもらいます。すると、ユーザー自身は日本語訳の音声をDu Smart Buds Proで聞くと共に、スマホの画面上でテキストとして読むこともできます。
初めて使うと結構感動すると思います。
ただ、日本語の音声認識精度には注意が必要です。英語の認識精度は高いのですが、日本語の認識精度は「Google 翻訳」と比べると劣ります。ただ、この機能はサーバー上のシステムが改善されればそれに伴い精度も向上すると思うので、将来に期待したいところです。日本語を正確に認識してくれない時には、シンプルなフレーズにするなど何度か言い回しを変えてトライすることを勧めます。何度か試せば大丈夫でしょう。基本的には日本語を話すのはユーザー自身だと思うので、自分が意識してシンプルに話すようにすれば実用上は問題ないと思います。
また、翻訳内容はテキストとして保存しておくこともできます。
なお、この機能の利用にはネットワーク接続が必須なので、その点には注意が必要です。イヤホン接続も必須で、アプリだけでは利用できません。
対応言語は翻訳/通訳どちらも45言語です。
<▲画像:AI翻訳/通訳機能では45言語に対応> |
同時通訳機能
Du Smart Buds Proの目玉機能のもう一つが同時通訳機能です。<▲写真:「同時通訳モード」について> |
これは対話翻訳機能とは違う機能で、会話というよりも一方的に喋られた外国語を日本語に訳して聞きたい時に使います。例えば、外国人の講演を聞くときに同時通訳機能を起動し、「音声翻訳を開始」ボタンを押せば、日本語訳がテキストで画面下半分の青色のエリアに表示されると共に、Du Smart Buds Proのイヤホンからは日本語の合成音声が流れます。
<▲写真:「同時通訳機能」の使用例> |
上に掲載した使用例は下に掲載した動画の序盤を聞かせてみたものです。
概ね音声を拾えていることが分かると思います。英語については話す速度がまあまあ速くても結構精度良く認識してくれます。日本語訳もまあまあの精度です。
ただ、話すスピードが速い場合には注意が必要です。テキスト表示は話す速度に追従しますが、日本語訳の音声に関しては間に合わずに飛び飛びになったりします。飛ばさないと日本語訳だけドンドン遅れていくことになるので致し方ない処理だと思います。相手の話すスピードが速い場合には、音声は補助と考えてスマホに表示されるテキスト訳を見ることに集中した方が良いでしょう。
この同時通訳機能は日本語ローカライズされていないゲームでも使えるような気がしていて、Steamで購入した幾つかの洋ゲーで試してみるつもりです。
なお、この機能の利用にもネットワーク接続が必須です。イヤホン接続も必須です。
ノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能
ノイズキャンセリング機能、外音取り込み機能は「ノイズコントロール」のモード切替で利用できます。すでに説明したようにイヤホンのタッチ操作でもノイズキャンセリングモード、外音取り込みモード、ノーマルモードを切り替えられます。モード切替時にはガイド音声が流れて現在のモードを教えてくれます。
ノイズキャンセリングモードと外音取り込みモードは、Du Smart Buds Pro単独での利用も可能です。スマホやウォークマンなどの機器と繋げなくても使えます。例えば集中したい時にDu Smart Buds Proを装着してノイズキャンセリングモードに切り替えて、周囲の音をカットして作業や勉強に取り組む、といった使い方もできます。
Du Smart Buds Proのノイズキャンセリング機能にはシチュエーション別の細いサブモードはありません。他社品にはディープモードがあったり、電車などの乗り物のノイズを消すモードなどサブモードがあったり、ノイズキャンセリングの強さを調整できるものもありますが、Du Smart Buds Proの場合はワンモードです。ただ、ワンモードでも支障はなく、環境音は結構カットしてくれていると思います。外を走っているクルマや電車の音なども結構綺麗に消えます。
また、ノイズキャンセリング機能は製品によっては変な圧迫感とか気になる違和感を覚えるものもあると思いますが、Du Smart Buds Proのノイズキャンセリングモードの違和感は弱めだと思います。
ノイズキャンセリングモード使用時のホワイトノイズは若干あります。遠くの方からかすかな「サーッ」という音が聞こえる、といった感じです。音楽を聴いている時など、音が出ている時にはホワイトノイズは全く気になりません。
外音取り込みモードは至って普通で他社の製品と同じ感じで、周囲の音がイヤホンを筒抜けて聞こえるようになります。外音取り込みモードは他社製品も含めてホワイトノイズがそれなりに発生しがちですが、Du Smart Buds Proも同様です。サウンド無しだと気になるかもしれませんが、音楽/動画視聴時など音が出ている時には気にならないレベルです。
音質
Du Smart Buds Proにはノイズキャンセリングモード、外音取り込みモード、ノーマルモードと、3種類の動作モードがありますが、意外とモード別のサウンド品質の差は感じません。大体の製品においてノイズキャンセリングをオンにすると若干こもるものの低音域の音圧が上がり、音楽や動画のサウンドそのものへの没入感が高まる傾向にありますが、Du Smart Buds Proも同じです。それでも、モード毎のこもりの変化は少な目だと思います。<▲写真:「Du Smart Buds Pro」> |
基本的な音質としては、実は今編集部の手元にある「Xiaomi Buds 3T Pro」とかなり似ています。中音域から低音域が若干強調されていて、高音域は弱い方ですが、概ね「万人向けの普通のイヤホンの音」と言っていいくらいオーソドックスな味付けだと思います。高音質を謳うハイエンド製品ほどは解像感が良くないので、音楽鑑賞が主目的の方でフラットな特性を求める場合には同価格帯だとパナソニックの「Technics EAH-AZ60」や「EAH-AZ40」を勧めます。
ただ、私は現在EAH-AZ40が完全ワイヤレスイヤホンのメインになっていますが、EAH-AZ60、EAH-AZ40はイヤホンの装着位置/装着状態による音質変化が大きいので、装着時には必ず微調整しています。これが結構面倒で、Du Smart Buds Proは適当に装着してもフィットするのが楽ですし、動いている時の音質変化が少ないことも魅力です。
なお、Xiaoduアプリにはイコライザー機能は搭載されていないので、帯域別の特性を変えたい場合にはサードパーティー製のイコライザーアプリなどが必要になってきます。音楽視聴にソニーの「Music Center」アプリを使うのであれば、Music Centerアプリのイコライザー機能が使えます。
通話録音機能
通話録音機能は、普通の電話、「LINE」「Zoom」「Whatsapp」など様々なサービスを介した通話を録音できる機能です。自動録音ではなく自分で操作をする必要があります。普段から電話録音を自動で行いたい方の場合は、他のアプリの方が便利だと思います。
Xiaoduアプリの通話録音機能の何が特徴なのかというと、電話だけでなくLINEなどの通話にも対応しているという点でしょう。
文字起こし機能
文字起こし機能もXiaoduアプリに搭載されている機能で、音声を録音しつつ、音に含まれる言語をテキストにもしてくれるというものです。マイクはイヤホン側とスマートフォン側のどちらかを指定できます。スマートフォン側で録音/文字起こしする時にはDu Smart Buds Proが接続されている必要はありません。スマホとXiaoduアプリだけでも機能します。<▲写真:「文字起こし機能」の説明(左)と、実際の使用画面例(右)> |
文字起こしに対応している言語は、通訳/翻訳の対応言語とは違い、3言語のみです。日本語、英語、中国語です。録音中に切り替えることもできます。
総括
Xiaodu Du Smart Buds Proの最大の魅力は、対話翻訳機能、同時通訳機能だと思います。ノイズキャンセリング、外音取り込みモードは良くも悪くも普通で、他社品でも利用できますが、対話翻訳機能と同時通訳機能はDu Smart Buds Proの独自の大きな魅力と言えます。<▲写真:「Xiaodu Du Smart Buds Pro」> |
対話翻訳はAIに合わせてシンプルな日本語で話す必要はありますが、結構使えると思います。相手が話す外国語が日本語になってイヤホンから自動で聞こえてくるという体験に結構感動すると思います。同時通訳機能も同様で、結構用途範囲が広いように思います。
また、イヤホンのフィッティングは筆者の場合は耳に合っているようで、1時間~2時間装着しても痛くなることはありませんでした。私は完全ワイヤレスイヤホンは短時間で痛くなりがちなのですが、意外と問題ありませんでした。仮に少し合わなくても多少動かしても大丈夫なので、自分に合う位置を探れる余裕を持っている点も魅力です。