<▲図:「LINEMO」と「ワイモバイル」の違いと選択基準は?> |
3ブランドの棲み分けにおける最大のポイントはコストです。最も高額の料金プランが用意されているのはソフトバンクで、逆に言えば超大容量通信を行う場合にはソフトバンク一択となります。それでいて子どもやシニアの方などは結構安く運用できたりもします。とはいえ、全体的なコスト順ではソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOとなります。
ところが、ワイモバイルとLINEMOは条件次第では競合し、どちらを選べばよいのか悩みかねません。本記事がその悩みを解消する助けになれば幸いです。
LINEMOとワイモバイルの違い
LINEMOの特徴
LINEMOの詳細はこちらの記事も参照して欲しいですが、本記事でも概要を紹介します。サービスとしての大きな特徴は主に下記の5点だと思います。- 料金プランは2つだけ
- LINEギガフリー
- 家族割引や他サービスとのセット割引はない
- 申し込みもサポートもオンライン受付のみ
- 端末販売はしていない
LINEMOの料金プランのラインナップは極めてシンプルで2つしかありません。
月間データ容量が3GBで月額990円(税込、以下同)の「ミニプラン」と、月間20GB、月額2,728円の「スマホプラン」です。主な違いは月間データ容量と超過後の制限速度くらいです。月間データ量を超過した後に掛かる速度制限は「ミニプラン」では最大300kbps、「スマホプラン」では最大1Mbpsです。
サービスとしてのLINEMO最大の特典は「LINEギガフリー」です。
LINEギガフリーによって、「LINE」アプリによるトーク、音声通話、ビデオ通話については料金プランで定められている月間データ容量を消費しません。月間データ容量を使い切って速度制限が掛かっている時だろうとLINEアプリの対象データ通信は制限の対象外となり、通常速度で使い続けることができます。
また、良くも悪くもLINEMOは非常にシンプルな通信サービスで複雑な割引施策がありません。対するワイモバイルには「家族割引サービス」の他、「おうち割 光セット(A)」、「おうち割 でんきセット」など、他のサービスとのセット割があります。
申し込みやサポートの受付がオンライン専用だという点もLINEMOの大きな特徴です。しかし、チャット、LINEアプリでのオペレーター対応はあるので、相談に関して不安に思う必要はありません。
そして、LINEMO公式サイトでは端末の販売は行われていません。ワイモバイルでは端末購入と同時加入も可能ですが、LINEMOの場合には現在使用中の機種を継続するか、別途量販店等で購入するなど、端末を自分で用意する必要があります。
→LINEMO公式サイトはこちら
ワイモバイルの特徴
ワイモバイルは従来型の携帯電話サービスなので全体的に複雑で、シンプルさという点ではLINEMOに負けます。しかし、言い方を変えればサービスのキメ細かさ、割引施策の豊富さなどは上回っています。基本料金プランは「シンプルS」「シンプルM」「シンプルL」の3つです。「シンプルS」は月間3GBで月額2,178円、「シンプルM」は15GBで月額3,278円、「シンプルL」は25GBで月額4,158円。それぞれ余ったデータ容量の翌月繰越も可能です。また、「家族割引サービス」や、対象の固定通信サービスとのセット割を適用できれば、より安くなります。
「家族割引サービス」では家族複数人で加入した場合に2回線目以降の料金から毎月1,188円の割引を適用できます。固定通信サービスとのセット割である「おうち割 光セット(A)」も同様です(※「家族割引サービス」との併用は不可)。「シンプルS」なら月額990円、「シンプルM」なら月額2,090円、「シンプルL」なら月額2,970円にまで下げられます。
また、ワイモバイルには「Yahoo!プレミアム」(通常は月額508円)が無料になる特典があります。ヤフーの各種サービスの利用頻度が高い場合には大きな魅力です。「ymobile.ne.jp」「yahoo.ne.jp」といった独自ドメインのメールアドレスを貰えるキャリアメールサービス(無料)もあります。
申し込み手続きや端末購入などをオンラインだけでなく全国約4,000店の実店舗で行えることも特徴の一つです。
→ワイモバイル公式サイトはこちら
LINEMOとワイモバイルの違い、選択の判断基準
LINEMOとワイモバイルをいずれかを選択する際の判断基準は結局のところ前述した特徴の違いによります。主な判断基準のポイントをリストアップすると下記の通りです。
- 毎月の使用データ量はどれくらいか?
- 家族割引とセット割の適用有無
- LINEギガフリーの必要性
- Yahoo!プレミアムの必要性
- キャリアメールの必要性
- 実店舗と電話サポートの必要性
- 端末販売は必要か?
それぞれ順に見ていきましょう。
<1. 毎月の使用データ量はどれくらいか?>
何よりもまず最初に確認するのは、自分が日常的に使用するデータ通信量です。LINEMOとワイモバイルの料金プランの中で、自分の使用状況に適したプランはどれなのか目安を付けることが肝心です。その上で料金、適用可能な割引施策、サービス独自の特典を見ていくことになります。
<2. 家族割引とセット割の適用有無>
LINEMOの料金はシンプルですが、ワイモバイルの料金は条件次第で大きく変わります。「家族割引サービス」か「おうち割 セット(A)」を適用できれば家族の2回線目以降の料金から回線毎に毎月1,188円の割引ができるので、家族全体での通信費を押し下げられます。一方、一人で加入する場合や「おうち割 セット(A)」を適用できないのであれば明らかにLINEMOの方が低コストで運用できます。
選択基準の最大のキーポイントはここだと思います。
<3. LINEギガフリーの必要性>
LINEアプリの使用頻度、使用データ量もポイントの一つです。月々の使用データ通信量に占めるLINEアプリの通信量が大きいほどLINEギガフリーの存在が効いてきます。
<4. Yahoo!プレミアムの必要性>
LINEMOにおける大きな特典はLINEギガフリーですが、ワイモバイルではYahoo!プレミアムです。Yahoo!プレミアムが必要かどうかでワイモバイルの実コストが変動します。必要ならYahoo!プレミアムの月々508円の会費分が浮きます。
<5. キャリアメールの必要性>
昔と比べてキャリアメールの必要性は相対的に低くなっていると思いますが、必要ならワイモバイル、不要ならLINEMOでも問題ありません。
<6. 実店舗と電話サポートの必要性>
実店舗と電話サポートの必要性も判断基準の一つになります。ただ、サポートについては前述したようにLINEMOでもチャットとLINEでのオペレーター対応が提供されているので、基本的には問題ない例が多いと思います。
<7. 端末販売は必要か?>
SIMフリースマホも増えてきましたし、望むスマホが通信キャリアのラインナップには無いという例も近年は増えつつあると思います。しかし、従来通り通信会社が扱っている端末を購入したいとか、通信サービスと端末購入を全て一纏めにしたいという場合にはLINEMOよりもワイモバイルの方が向いているでしょう。しかし、そうでないなら端末は好きな機種を別途購入すればいいだけです。
総括
いくつか選択基準をリストアップして紹介しましたが、一人での加入やシンプルさを求める場合にはLINEMOが手軽に安く済むパターンが多いと思います。一方、家族全体で携帯電話サービスのコストを下げたい場合にはワイモバイルが適しているかもしれません。ただ、家族複数人での加入を検討している場合には、必ず事前にシミュレーションすることを勧めます。どの割引施策を適用できるのか? 実際にいくら掛かるのかを正確に把握すべきです。
また、国内通話の定額オプションを利用する予定がある場合にはその点も考慮することを勧めます。例えばLINEMOの場合には通話定額オプションが1年間毎月550円割り引かれるキャンペーンもあります。また、オプションの内容も異なります。LINEMOでは1回5分以内の通話が無制限のオプションがありますが、ワイモバイルでは1回10分以内の通話が無制限のオプションからとなっているなど、オプションの内容が若干異なります(※24時間通話し放題のオプションはどちらにもあります)。
実際にLINEMOとワイモバイルの選択で悩んだときににはLINEMO公式サイトの「サービス」メニュー内にワイモバイルとの違いを詳しく紹介したページもあるので、そちらも参照してみて下さい。
情報元、参考リンク