<▲図:「楽天モバイル」のMNO、MVNOの契約者数の推移> |
楽天モバイルでは通信キャリアサービス(以下、MNO)を本格提供開始する前より他社の回線を借り受けて通信サービスを手掛けるMVNOの形式で同名のサービスを提供してきた。いわゆる「格安SIM」サービス時代の楽天モバイルで、依然として当時からの利用者向けにサービスを継続しており、その契約者数も含めて明らかにされている。
まず、昨年12月末時点ではMNOが450万契約、MVNOが87万契約、合計で537万契約に達していた。そして2月時点では合計で550万契約に到達しているという。MNOの新規契約はすでに受付終了していることから増分はMNOによるもの。昨年4月に基本プラン1年間無料キャンペーンが終了するタイミングで駆け込み需要があった楽天モバイルだが、それ以降も順調に伸びている。
契約者数は順調に伸びている楽天モバイルのMNO事業だが、収益面では依然として厳しい。インフラ整備への投資に加えて、パートナー回線であるauへのローミング費用が重く圧し掛かっている。自社回線でカバーできていないエリアではauへのローミングで補っているが、当然費用が発生する。この負担を軽減する意味からも楽天モバイルでは自社回線の整備が急務とされてきた。
その点に関しても昨年は大きく改善した。
当初は人口カバー率96%の達成は約4年後の予定だったが、2月4日時点で達成した。
実現の背景には完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークによって実現したシンプル、コンパクトな基地局構成、AIを活用した基地局用地の探索、ドローンを活用した現地調査等のIT技術などあるとされている。
自社回線インフラの整備を大きく前進できていることもあり、2022年度にはauローミングの費用を削減していける見込み。加えて、通信プラットフォーム事業である「楽天シンフォニー」の売上、さらには1年間無料キャンペーンの適用ユーザーの無料期間が順次終了していくことからユーザーごとの売上増も見込める。
<▲図:モバイル事業の四半期業績推移> |
それらの効果によって2022年度第2四半期以降には収益改善が期待される。
<▲図:モバイル事業の四半期業績今後の見通し> |
なお、楽天モバイルは1年間無料キャンペーンの終了後に3カ月間無料キャンペーンを長く実施してきたが2月8日に受付終了している。その後には料金プランが一定期間無料になるタイプのキャンペーンは行われていないものの、依然として新規加入やMNP、端末購入などでのポイント還元キャンペーンは継続されている。
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