<▲図:「Libero 5G II」(カラー:ホワイト)> |
Libero 5Gといえば、現行モデルが登場したのが4月なので、約8カ月という短いインターバルで後継機種が登場することになるが、スペックを確認する限り、大きな性能向上を果たした新機種という訳ではなく、置き換えに近い印象を受けるので半導体不足の影響を受けた仕様変更モデルなのかもしれない。とはいえ、その辺りの実際の背景は分からないし、前モデルのLibero 5G自体が価格の割に悪くない製品だったこともあり、Libero 5G IIにも注目したい。
<▲図:「Libero 5G II」(カラー:ピンク)> |
Libero 5G IIは6.67インチ、解像度がフルHD+(2,400 x 1,080ドット)のTFT液晶ディスプレイを搭載し、CPUがMediaTek Dimensity 700、メモリが4GB、ストレージが64GBといった基本スペックのAndroidスマートフォン。
前機種であるLibero 5Gは、6.5インチ、フルHD+(2,340 x 1,080ドット)のTFT液晶、CPUがQualcomm Snapdragon 690 5G、メモリが4GB、ストレージ容量が64GBだ。
<▲図:初代「Libero 5G」> |
Snapdragon 690 5GとDimensity 700は、ベンチマークスコアだけで比較すると同等クラスの性能のチップセットであり、Libero 5G IIが基本パフォーマンス面で進化した機種とは言いにくい。また、バッテリー容量は3,900mAhでLibero 5GとLibero 5G IIは同容量だが、チップセットやディスプレイなど細かな仕様が異なることから連続待受時間も若干異なる。ただ、実用上は誤差の範囲かもしれない。
また、チップセット変更に伴い、理論的最大通信速度も変わった。5Gの通信速度は下り側(ダウンロード側)は最大1.8Gbpsで同じだが、上り側(アップロード側)はLibero 5Gの最大110Mbpsから最大159Mbpsになった。一方で4Gに関しては下り側の最大速度が416Mbpsから285Mbpsに落ちている。上り側は最大46Mbpsで同じ。
また、指紋認証センサーはLibero 5Gでは背面に独立センサーが用意されていたが、Libero 5G IIでは画面内タイプに変更となっている。この違いは好みがあると思う。
<▲図:「Libero 5G II」(カラー:ブラック)> |
カメラも基本スペック上は大差なく見えるが、3眼の配置が異なる。約1,600万画素のメインカメラ、約800万画素の広角カメラ、約200万画素の深度カメラという構成自体は同じようだが、その配置が縦並びから縦横並びに変更されている。また、レンズ/CMOSセンサー等の細かな仕様違いまでは現時点では分からない。
フロントは約800万画素のシングルセンサーカメラ。こちらも性能差は分からないが、配置が変わった。Libero 5Gはディスプレイの左上の角付近にフロントカメラを配置し、パンチホールが空いていたが、Libero 5G IIでは上部中央配置のパンチホールとなっている。
一方、カメラアプリ自体は進化している可能性があるが、「スーパーナイトモード」や背景のぼかし機能などは健在。
OSはLibero 5GではAndroid 11搭載で発売されたが、Libero 5G IIでも同様。Android 11で出荷される。
また、おサイフケータイ対応や防水・防塵対応なども踏襲。
一点、明確なグレードアップポイントはmicroSDカードスロットで、Libero 5Gでは最大512GBのmicroSDXCまでしかサポートしていなかったが、Libero 5G IIでは最大1TBのカードまで対応している。SIMカードに関しては、Libero 5G IIはeSIM対応となっている。
Libero 5G IIは価格を抑えての販売となることがすでに明らかにされているため、安価での発売となることが予想されるものの、個人的にはLibero 5Gが思いの外悪くない製品だったと思うので、価格差次第では前機種のLibero 5Gを選択するのも悪くないと思う。ワイモバイルは低価格のエントリー/ミドル製品をいくつかラインナップしているが、Libero 5Gは純粋にAndroid OSを搭載していてUIに癖がなく、パフォーマンスもSnapdragon 690 5Gでそれなりに良い。
一方で、新機種のLibero 5G IIは、スペックだけでは分からない部分で、Libero 5Gにおける不満点が解消されている可能性もあるので、Libero 5G IIの方が良いのかもしれない。この辺りは実機を触ってから確認したいところ。