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楽天モバイル、10月より23道県でauローミング順次終了。計39都道府県で楽天回線への切り替え進む

楽天モバイルは4日、「パートナー回線エリアから楽天回線エリアへの切り替えについて」と題した発表を行った。楽天モバイルでは自社回線のインフラ整備が完了するまでの間、パートナー回線としてKDDIからau回線を借り受け、au回線へのローミングで通信サービスを補完している。NTTドコモ(以下、ドコモ)、au、ソフトバンク、ワイモバイルなどから乗りかえた場合に戸惑いかねないことがこの点で、自分の生活圏が楽天回線エリア下にあるのかどうか、そしてauパートナー回線の提供有無が非常に大きな判断基準になってくる。

<▲図:2021年9月27日時点でのサービスエリアマップ。11月末までの予定や、2022年1月以降の予定も確認できる>

というのも、楽天モバイルの料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」において上限ステップの3,278円(税込、以下同)でデータ通信が速度制限無しで使い放題となるのは楽天回線での通信に限られるからだ。パートナー回線であるauローミングの通信に関しては、高速データ通信は月々の上限が5GBまでに限定され、超過後はauローミング通信時の速度が最大1Mbpsに制限される。

例えば筆者の場合、生活圏が楽天回線でカバーされたエリアなので、1年間料金プランが無料のキャンペーン適用期間中は何のためらいもなく楽天モバイルのスマホで高速データ通信をし放題にできるが、そうでない地域に住んでいる方だったり、auの電波を掴みがちのエリアや端末の場合には話が変わってくる。

一方で、au回線のカバーエリアの方が当然現時点では広く、使っている周波数も楽天回線の1.7GHz帯よりも回折性に富み、広くエリアカバーできる800MHz帯なので、auローミングが終了した途端に困ったことになるユーザーもいると思う。

楽天モバイルはKDDIとパートナー回線の提携契約を結び、その期間は2026年3月末までだが、自社回線のエリア整備が済んだ地域については順次停波となる。しかし、その展開は当初計画よりも前倒しになってきているようだ。その背景には楽天回線のエリア整備が大幅に前倒しで進んでいることに加え、収益面でauローミングコストが非常に重く圧し掛かっていることがあるだろう。

とはいえ、ユーザーにとって重要なのは自分のスマートフォンが快適に通信できるかどうかだ。

話を主題に戻すと、楽天モバイルでは10月以降順次、全国39都道府県の一部地域においてはパートナー回線によるローミングサービスから楽天回線によるサービス提供へ切り替えるという。

今春4月から東京都、宮城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、静岡県、愛知県、滋賀県、京都府、兵庫県、広島県、愛媛県、福岡県では順次切り替えが始まっている。細かな切替時期の違いは地域によって異なるものの、すでに動いているのがこの14都府県。さらに、昨年10月から順次切替中なのが大阪府と奈良県だ。この2つを合わせると、16都府県で切替が進められてきた。

さらに今年10月1日より23道県での切り替えが順次行われる結果、全国39都道府県での切り替えが進み始めたことになる。

<▲図:2021年10月4日に発表されたパートナー回線から楽天回線への切り替えについての案内>

ただし、主に屋外基地局での通信に関しての話であり、地下鉄、地下街、トンネル、屋内施設や観光名所等の一部地域については、切替対象地域であってもauローミングサービスでの提供がしばらく継続となるエリアもあるという。また、東京23区、大阪市、名古屋市については昨年春のサービス提供当初より楽天回線でのサービス提供となっている。

注意したいのは前述したようにauパートナー回線が使えなくなることで楽天モバイルの利用が困難になるユーザーが出てくるかもしれないことだ。楽天回線の電波が弱い場所に住んでいる方で、auパートナー回線が無くなる場合は最悪の例だろう。下手をすると通信できない、もしくは通信しにくくなる恐れがある。そのように、電波が繋がらないなどの不便が生じた場合には、下記の楽天モバイルコミュニケーションセンターへ問い合わせるよう案内されている。個別に状況調査を行った後、スマートフォンの一時貸出などの対応を採るという。

楽天モバイルコミュニケーションセンター
電話番号:050-5434-4653
営業時間:9:00~20:00(年中無休)
お問い合わせフォーム:楽天モバイルご利用者様用電波改善・調査依頼

貸し出される端末は、普通のスマートフォンだが、SIMカードは楽天モバイルの通信キャリアサービスのものではなく、キャリアサービス開始前から提供してきたMVNOとしてのSIMになるという。また、端末貸出だけでなく、電波対策として「Rakuten Casa」の設置や屋外基地局の設置、一時的基地局の出動といった場合もある。

なお、影響が出ることが予測されている地域のユーザーに対しては、すでに9月中旬より案内を開始しているという。

今後、2022年3月末までの間に急ピッチで楽天回線のエリア整備及びパートナー回線からの切り替えが進むものとみられるため、既存ユーザーは自分の生活圏のエリアカバー状況を確認しておいた方がいいし、これから加入する予定の方も今後のエリア整備計画を知っておいた方がいいだろう。

情報元、参考リンク
楽天モバイル/パートナー回線エリアから楽天回線エリアへの切り替えについて
楽天モバイル/サービスエリア
楽天モバイル公式サイト

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