<▲図:NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアの子会社化、事業再編のステップ> |
NTTコミュニケーションズについては、NTT株式会社が保有する株式の全てが2022年1月1日付けでドコモに移管される。以降、NTTコミュニケーションズはドコモの100%子会社となる。
NTTコムウェアの場合は、日本電信電話株式会社が保有する株式の一部が2022年1月1日付けでドコモに移管され、ドコモはNTTコムウェアの株式の66.6%を保有することになる。
<▲図:法人事業ブランドとして「ドコモビジネス」を新たに展開> |
注目すべき最大の動きは、ドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアが新ドコモグループとして法人事業ブランド「ドコモビジネス」を一元展開すること。法人事業がドコモビジネスに統合され、全ての法人顧客をワンストップでサポートしていくという。
<▲図:3社の機能統合、事業責任の明確化などについて> |
従来の法人事業は3社が個別に展開してきた。ドコモはドコモ、NTTコミュニケーションズはNTTコミュニケーションズで、それぞれが持つ技術/サービスを活かして法人事業に取り組んできた。しかし、今後は3社の技術、ノウハウ、リソースが組み合わさり、より強化された法人事業を展開していく。少なくとも移動通信サービス、固定通信サービスのさらなる融合を果たしたサービスや、5G、IoTなども含めた先端ソリューションも含めて、法人事業でのイノベーション創出を目指していくという。
<▲図:3社統合の法人事業など様々な面においてシナジーが見込まれる> |
そして、NTTコミュニケーションズの完全子会社化が済んだ後、来年度の第2四半期をめどに法人事業はNTTコミュニケーションズが取り扱う形となる。NTTコミュニケーションズがドコモビジネスを一手に引き受けることになる。
<▲図:法人事業の成長戦略について> |
ドコモからは従来の法人事業が離れ、通信事業、国際事業、研究開発、スマートライフ事業などに注力するという。
では、NTTコミュニケーションズが現在手掛けている「OCN」ブランドの個人向けサービスはどうなるのか? というと、NTTレゾナントに移管される。NTTコミュニケーションズはISP事業、MVNO事業を個人向け、法人向けに展開しているが、その内、個人向けサービスをNTTレゾナントに移す形となる。NTTレゾナントの株式は現在は66.6%をNTTコミュニケーションズが、残りをNTTドコモが保有している。
そして、MVNO事業の個人向けサービスとして展開中の「OCN モバイル ONE」は今後もNTTレゾナントが力を入れて取り組んでいくとのこと。NTTレゾナントは現在も「OCN モバイル ONE」公式サイトにおける「スマホセット」での端末販売の実務を担っているばかりか、通販サイトの「goo Simseller」も展開していて、すでに関わりは深い。
また、ドコモとしては「OCN モバイル ONE」は今後も他のMVNO事業者と横並びに扱い、公平な関係で競争をしていきたいという。現時点では「OCN モバイル ONE」をドコモのサブブランドに変化させるような意向はないという。それよりも既存のMVNO市場での競争力強化にドコモも支援する方針としている。
<▲図:通信事業ではプレミア、「ahamo」に加え「エコノミーMVNO」によって小容量低料金へのニーズにも対応する> |
実際ドコモは10月21日より「エコノミーMVNO」と題したプロジェクトを開始し、全国のドコモショップにて「OCN モバイル ONE」と「フリービット」の取り扱いを開始している。「OCN モバイル ONE」、「フリービット」との接点が大幅に増える状況で、例えばドコモ取扱いスマートフォンを購入して「OCN モバイル ONE」の通信サービスを使う、といったことが今まで以上に気軽にできるような環境が整っていく。
さらに「OCN モバイル ONE」に限らず「OCN」全体での「dポイント」の取扱いも始まっており、ポイントサービスの魅力も新たに加わっている。
また、エコノミーMVNOは他のMVNO事業者の参画も期待され、今後新たに加わる可能性もあるため、その点にも注目だろう。