この降水予報は、首都圏を対象地域として30秒ごとに更新し、30分後までの予測を行うというもので、理化学研究所のWebサイト、エムティーアイのスマートフォン向けアプリ「3D雨雲ウォッチ」で20日正午から公開され、誰でも閲覧できる。
ただし、あくまでも実証実験として提供されるデータのため、実用に供する気象予報に十分な精度や安定した配信環境が保証されたものではないとされているので注意して欲しい。
今回の実証実験では、突発的なゲリラ豪雨などの降水リスクに対して、スーパーコンピューター「富岳」上の仮想世界と現実世界をリアルタイムにリンクさせることで、「富岳」の高度な利用可能性を切り開き、超スマート社会Society 5.0の実現に向けた貢献として期待できるという。
共同研究グループは昨年ゲリラ豪雨予測の実証実験を行っている。
その時の実験は、埼玉県さいたま市に設置されている情報通信研究機構が運用する最新鋭のマルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダによる30秒ごとの雨雲の詳細な観測データと、筑波大学と東京大学が共同運営する最新鋭の共同HPC基盤施設のスーパーコンピューター「Oakforest-PACS」を用いたもので、やはり首都圏が対象で、30秒ごとに新しいデータを取り込んで更新する形式で、30分後までの予測を行っている。
今回の実証実験では「富岳」を用いるなど、その時とは異なるもので、昨年よりも20倍大きな1,000通りのアンサンブル計算を行うという。システムの見直しも行い、解像度500mでの気象予測になる。
毎年全国各地で豪雨被害が発生しているだけに、ゲリラ豪雨の予測を精度高く行うことができるようになり、一般人が普段からその情報に触れる環境が提供されるのであればとても役立つだけに、そうした未来に向けた実証実験は非常に重要だ。少なくとも今回の実証実験のデータはWebサイトとアプリで公開されるので、首都圏を生活圏としている方はチェックしてみるといいかもしれない。
なお、実証実験は7月20日正午に開始し、8月8日まで一旦行われる。その後、間をあけて8月24日に再開し、9月5日まで行われる。
情報元、参考リンク
<編集後記>
返信削除毎年日本中のあちこちで豪雨の被害が発生するようになっているだけに、ピンポイントでの短時間の高精度な豪雨予測というのも正確になればなるほどありがたいので、こうした研究は今後も積極的に進んでほしいですね。そしてアプリで実際に自分でも確認できる機会は嬉しいですね。