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楽天モバイルの通信サービスエリアは? 楽天回線の4G/5Gエリア(ミリ波、sub6)、auパートナー回線の違いや注意点も

楽天モバイルの通信サービスはNTTドコモ、au、ソフトバンクといった先行通信キャリアと比べると若干複雑だ。というのも、本格サービスが始まって間もないだけに、先行キャリアのように日本全国の隅々まで基地局の設置が完了しておらず、自社回線でカバーできないエリアについては提携するパートナー、すなわちauの回線網を利用しているからだ。自社の通信インフラによる「楽天回線」とauへのローミングを行う「パートナー回線」、この2種類で現在の楽天モバイルの国内向け通信サービスは提供されている。


本記事では、楽天モバイルの通信サービスエリア、回線の違い、それによる注意点などを紹介したい。これから楽天モバイルに加入する方や、既存ユーザーでも通信方式やエリアの概要を知りたい方の参考になれば幸いだ。

楽天モバイルの通信回線について

楽天モバイルの通信サービスが楽天回線とauパートナー回線で構成されていることは前述した通りだが、改めて詳しく説明したい。具体的には下記の通信方式で国内向け通信サービスが提供されている。

  • 楽天回線 4G LTE
  • 楽天回線 5G(sub6)
  • 楽天回線 5G(ミリ波)
  • パートナー回線(au 4G LTE)

楽天モバイルの自社インフラでは4G LTEと5Gのサービスが提供されていて、5Gに関しては他キャリア同様、「sub6」(サブシックス)と「ミリ波」に分けてサービスエリアマップでも記載されている。sub6は6GHz未満、ミリ波は28GHz以上の周波数帯を指している。ミリ波は機種によっては対応していないので、5Gスマートフォンのユーザーがサービスエリアマップを見る際には、自分が使っている機種の仕様を確認した上で、sub6とミリ波の区分を分けて確認する必要がある。

また、auパートナー回線では4G LTEのみで、5Gは使えない。3Gについては楽天モバイルの国内向け通信サービスでは提供されていない。


楽天モバイルのサービスエリアマップ

楽天モバイルは4月中旬に公式サイト上の「通信・エリア」ページ内で5Gも含めたサービスエリアマップを公開した。以前は5Gのカバーエリアは住所のリストで確認するしかなかったので便利になった。sub6とミリ波も区分されている。


注意したいのはパートナー回線だ。KDDIとの通信パートナー契約は2026年3月末までだが、都道府県ごとに楽天回線エリアの人口カバー率が70%を超えた時点で協議を行い、そのエリアにおけるパートナー回線(auローミング)の提供継続を見直す取り決めになっている。そのため、徐々にパートナー回線エリアは縮小していくので注意して欲しい。例えば東京都は4月から一部の地域を除き、パートナー回線の提供が終了となっている。同様に、大阪府や奈良県の一部地域でも10月以降に終了予定だし、他の場所でも段階的に楽天回線への一本化が進められる予定となっている。

auのパートナー回線の提供状況や終了予定は下記のKDDIのページで随時公開されているので参照して欲しい。



楽天回線のエリア拡大予定

楽天モバイルは当初、2026年3月末までに楽天回線(自社インフラ)による人口カバー率96%を目標としていたが、現在は大幅に前倒しされ、2021年夏頃を目途に達成する予定だ。

楽天回線エリアの拡大について
<▲図:楽天回線エリアの拡大について(2020年12月23日の「デジタル変革時代の電波政策懇談会(第2回)説明資料」より>

ただし、ここで言う人口カバー率は楽天回線の4G LTEについてであって、5Gは含まれない。個人的には4G LTEを建物内も含めてキメ細かくカバーすることが先決だと思うので、5Gのエリア整備が遅くとも大きな支障はないだろう。

なお、筆者の場合、千葉県北西部の郊外在住だが、楽天回線は生活圏においては時間帯問わず全く問題なく繋がり、実用十分な速度も出ている。スーパーなどの店舗内も含めて、下り最大20-30Mbps、場合によっては60Mbps程度、上りも数Mbpsから20Mbps、場合によっては40Mbps程度出ている。しかし、楽天回線は地域・場所によって大きな違いがあるようなので、少なくとも加入前にサービスエリアマップや口コミを確認することを勧めたい。

また、楽天モバイルでは災害対策として「スペースモバイル計画」を進めている。地上の基地局設備が故障しても衛星通信でカバーする。

<▲図:スペースモバイル計画について>



auパートナー回線によるデータ量の扱いについて

楽天モバイルの料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」は、毎月使った分だけ支払う段階制の定額形式。1GBまでは0円(※1人1回線まで。2回線目以降は1,078円。税込、以下同)、3GBまでは1,078円、20GBまでは2,178円、それ以上は上限無しの使い放題で3,278円だ。

「Rakuten UN-LIMIT VI」について
<▲図:「Rakuten UN-LIMIT VI」について>

注意点はauパートナー回線における通信量だ。パートナー回線でのデータ通信量が一月で5GBを超過すると、月末まで最大1Mbpsの速度制限が掛かる。もちろん速度制限が掛かっても使えるデータ通信量の上限は無く、使い放題だが、速度が最大1Mbpsになる点には注意して欲しい。


楽天回線とauパートナー回線の違いは、このことからもしっかりと理解しておく必要がある。


楽天回線とauパートナー回線の自動切り替えについて

楽天回線とauパートナー回線について、もう一点注意事項がある。動作保証機種であれば、基本的には回線の自動切り替えが可能だ。しかし、楽天モバイルの通信方式に対応していても、動作保証外の機種などの場合には自動切り替えが上手く働かない場合がある。また、動作保証機種であっても、自動切り替えに失敗する機種もある。仮に、失敗した場合、すなわちauパートナー回線から楽天回線に接続が戻らない場合には、「機内モード」のオン/オフや再起動を行うなどの対処が必要となるので注意して欲しい。

購入端末を選ぶ際には、自動切り替えの不具合が生じていないかどうか口コミで確認することを勧めたい。

また、トラブル時の対処方法については下記のリンク先のページで案内されている。



本格サービスの提供開始からまだ1年しか経過していないだけに、サービスエリアも含めて完全ではない部分のある楽天モバイルだが、圧倒的に安くシンプルな料金プランと端末販売におけるキャンペーンは大きな魅力で、欠点を補っていると思う。しかし、メイン回線として常用する場合には通信サービスエリアの確認はとても重要なので、多少なり参考になれば幸いだ。

また、楽天モバイルへの申込みの際には下記の記事も参考になるかもしれない。



情報元、参考リンク
楽天モバイル公式サイト

読者&編集部コメント欄

この記事のコメント:1 件
  1. <編集後記>
    楽天回線とauのパートナー回線があることで、加入前は楽天モバイルの通信サービスについて良く分かっていないという方は多いのではないかと思います。加入後も、自分が今、楽天回線に接続しているのかパートナー回線なのか、分からないとか、データ量の扱いや速度制限についても分からない部分があると思いますので、多少なり参考になれば幸いです。また、公式サイトで検索すれば、よくある質問の内容が結構リストアップされるので参考になると思います。

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