<▲図:内容変更後の「シンプルプランS/M/L」> |
今回の内容変更は、ソフトバンクが昨年12月22日に新料金プランを発表した時と市場環境に変化があったためと考えられる。今年に入り、KDDIがauで新プランを発表する際、サブブランドの「UQ mobile」でも安価なプランが発表された。
UQ mobileはMVNO、ワイモバイルは自らのインフラを持つMNOながら、元々両サービスは競合していた。その対抗措置は必須と考えられた上、先日は楽天モバイルが1GB以下なら無料、1GBから3GBまでなら980円など使用データ量によって料金が変わる段階制の安価な定額プランを発表した。他にも各社が続々と安価なプランを発表する状況が続いている。
競合他社の同クラス帯のプランを料金とデータ量の点だけで比較すると、昨年12月22日発表時点のワイモバイルのプランは見劣りする状況となっていた。
とはいえ、通信サービスの比較は、本来は通信品質、サポート、端末ラインナップ、サービス内容など総合的に見るべきであり、実際にそうだ。一方、パッと見の料金とデータ量の数字だけで割高だと感じた場合には、やはり競争力を維持できない。そうした背景もあり、今回の内容改定に至ったものと思われる。
結果、ワイモバイルのプランは強化され、他社と比べても遜色ない内容になったといえる。
まず、昨年12月発表時点ではシンプルSは3GBで月額1,980円、シンプルMは10GBで2,980円、シンプルLは20GBで3,780円とされていた。そこに「家族割引サービス」か「おうち割 光セット(A)」のどちらか一方を適用できる。しかし、その割引額は500円。学割は適用対象だが詳細は後日発表予定とされていた。
それが今回、シンプルSのデータ量と料金は変わりないが、シンプルMとシンプルLではそれぞれ5GB増量された。
さらに割引額が500円から1,080円に増えた。結果、割引を適用できた場合の料金はシンプルSで900円、シンプルMで1,900円、シンプルLで2,700円にまで下がる。
学割はシンプルMとシンプルLのみが対象で、5歳から18歳を対象に12ヶ月間1000円の割引を受けられる。
しかし、学割は利用できる方が限られるので、ひとまず学割抜きで比較すると、シンプルSは、楽天モバイルの1GBから3GBまでが980円と比較したとしても、割引適用時なら900円と若干勝る。シンプルMとシンプルLは、さすがに楽天モバイルのプランとデータ量比で考えると高いが、楽天モバイルは現時点では通信インフラ整備が遅れているので、ワイモバイルはその点では優れる。それでも楽天モバイルは1GB以下なら無料なので、本当に驚異的なプランだ。一方、ワイモバイルのプランを、格安SIMながら通信品質に優れるUQモバイルと比較した場合、遜色ないレベルになった。
ただし、いずれも割引を適用できた場合の話で、適用前だとシンプルSが1,980円、シンプルMが2,980円、シンプルLが3,780円なので、同じグループ内で新たに登場する新ブランド(コンセプト「SoftBank on LINE」の新ブランド)における、20GBで月額2,980円のプランと比べても、場合によっては割高に見える。
しかし、20GB/2,980円もしくは20GB/2,480円のオンライン申込み専用プランと、他のプランやサブブランドのサービスとの比較に関して言えば、ソフトバンクとワイモバイルの関係に限った話ではなく、他社でも比較が難しい状況で、一概にどちらが良いとは判断しにくい。
ともかく、いずれにしても、割引額を増やし、データ量を増量することで魅力を増したワイモバイルの新プランが2月18日に登場する。
【情報元、参考リンク】
・ワイモバイルオンラインストア
・ワイモバイル/プレスリリース