<▲図:ギガプランの料金表> |
しかし、その中でも今回のIIJの発表内容はかなりインパクトのあるものだった。とにかく安い。しかも、機能/内容別に細かくプランを選べる形となっていて、本当に必要なものだけに絞って無駄なく利用できるという点も格安SIM/スマホサービスとしては、とても適したスタイルで魅力的に見える。
大別すると上表の通り5種類で、月々のデータ通信量で分けられる。
「2ギガプラン」「4ギガプラン」「8ギガプラン」「15ギガプラン」「20ギガプラン」だ。
そしてそれら各プラン内に4つの細かな選択肢が用意されている。「音声SIM」「SMS機能付きSIM」「データ通信専用SIM」「eSIM」で、「音声SIM」のプランには音声通話とSMS、データ通信が含まれ、「SMS機能付きSIM」にはSMSとデータ通信、「データ通信専用SIM」にはデータ通信、「eSIM」にはデータ通信が含まれている。また、「音声SIM」と「SMS機能付きSIM」のプランではNTTドコモ(以下、ドコモ)とauのインフラのいずれかが選択可能で、「データ通信専用SIM」と「eSIM」はドコモ網のみでのサービス提供となる。
例えば2ギガプランの場合、「音声SIM」「SMS機能付きSIM」「データ通信専用SIM」「eSIM」の月額料金は、順に780円、750円、680円、400円となっている。
音声通話サービスも利用したい方は「音声SIM」を選ぶことになるが、月額780円の設定自体、とても安い。
さらに驚異的なのはeSIMプランで、何と月額400円だ。例えば通話は「LINE」オンリーなど、通常の音声通話回線を使わないという場合、かつeSIM対応機種を持っている場合もしくは新たに買う場合、月間2GBのデータ量を月々400円で運用できるのは本当に嬉しい安さだ。楽天モバイルが先月発表した料金プランは、音声通話サービス込みで、1GBまでなら無料、3GBまでで月額980円、20GBまでで月額1,980円、それ以上は上限なしで月額2,980円といった4段階制となっている。このプラン自体、非常にインパクトがあるもので、格安SIM/スマホ市場にとっても手強い内容だと思うが、今回発表されたIIJmioのプランも負けず劣らずの安価ぶりだ。
30円しか変わらないのであれば個人的には「SMS機能付きSIM」の設定は不要に感じるが、ともかく機能/サービス別に細かく選べるというのは「無駄なく最小限、最安値で使いたい」という目的を持つ方にはベストだと思う。
ただし、プラン自体は超安価だが、注意事項もある。
初期費用が3,000円発生するという点と、SIMカード(物理カード、eSIMどちらにおいても)の発行手数料がドコモSIMで394円、au SIMで406円、eSIMで200円掛かることには注意したい。通信事業者によってはこの辺りの手数料を無料化しているところもあるので、一概に月々の料金のみで比較できない。
また、余ったデータ量は翌月への繰り越しができるので、普段1GBから3GB程度の間を行き来している方などの場合は、おそらく2ギガプランで十分だと思う。
なお、ギガプランの提供開始は4月1日になる予定だ。
今後、他の格安SIM/スマホ各社はIIJmioの内容を見て対抗値下げをするかもしれないし、しないかもしれない。少なくともユーザー基盤が大きな事業者以外は、ここまでの値下げはできないようにも思うが、明らかに高いようであれば競争力を失う訳で、現状で差がある事業者は何らかの対抗をするだろう。それにしても、2021年の格安SIM/スマホ市場は生き残りを掛けた厳しい一年になりそうだ。そして、その中において、IIJmioの料金プランは現時点でかなり魅力的だし、現実問題として、このラインはほぼ限界点ではないかと考えられる。仮に数社が横並びになった場合、回線品質を含めたサービス内容そのものの質、端末、オプションなどで比較することになってくると思うが、IIJmioは回線品質も良い方で、長年に渡って、格安SIM/スマホサービスにおいて、いわゆる無難な選択肢の一角を占めてきたので、今後も競争力を維持しそうだ。
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