<▲写真:本アンテナの60GHz帯域での実証模様> |
ドコモは今回開発したアンテナを活用することで、5G以降の世代の通信サービスで利用される高周波数帯の安定した通信エリアをきめ細かく構築することが可能になるとしており、5Gはもちろん、第6世代移動通信方式「6G」のエリア構築でも重要な技術となりそうだ。
5G、6Gでは4Gまでと比べて非常に高い周波数帯の電波を使うことになるが、周波数が高い電波ほど直進性が高く、障害物を迂回することが困難になるため、基地局をきめ細かく設置する必要が出てくる。それもあって5Gの通信エリア構築では通信キャリア各社が時間とお金、どちらも莫大な投資が必要になるとしており、KDDIとソフトバンクはキャリア間での連携までして取り組んでいる。
今回ドコモが開発したアンテナは、そのような高周波数帯において、きめ細かな通信エリアを構築することに非常に大きな役割を果たすことになりそうだ。
設置も容易で、高周波数帯の電波を伝搬するケーブル(伝送線路)である「誘電体導波路」の任意の箇所を、プラスチックの小片でつまむだけ。
つまんだ箇所から電波の一部が「誘電体導波路」の外部に漏洩し、その漏洩電波を利用して通信エリアを周辺に構築できる、というもの。
逆に、プラスチック小片を外せば電波漏洩を解消できるので、不要な場合には即座に対処できる。例えば工場やオフィスで電波干渉などの問題が生じた場合、アンテナを外すだけで対処できるというのも、大きな利点といえそうだ。
このアンテナの詳細は、2月4日から7日にオンライン開催されるイベント「docomo Open House 2021」で公開予定となっている。また、2021年度上期より5Gサービスで利用している28GHz帯において、本アンテナによる通信エリア構築の検証を開始し、実用化を目指すという。
【情報元、参考リンク】
・NTTドコモ/プレスリリース