しかし、少なくとも今回の発表内容は対ドコモの料金プランではなかった。今回は元々、対ドコモのプラン発表を行う予定はなかったのだとみられるし、今後、サブブランドの「UQ mobile」も含めて何らかの検討は行われるようなので、引き続きauからの発表に期待したいところ。ひとまず、今回の内容を確認したい。今回新たに登場する新プランは「データMAX 5G with Amazonプライム」だ。
名称通り、データ使い放題の「データMAX」シリーズの新プランで、「Amazonプライム」を利用できる特典がついてくる。加えて、名称には記載ないが、動画配信サービス「TELASA」もついてくる。
Amazonプライムは、Amazon.co.jpにおける有料会員サービスで、筆者も長年加入しているが、年額4,900円で、通販における「お急ぎ便」「日時指定」が無料になるという点が最大の魅力。年間で何度もAmazon.co.jpで買い物する場合には明らかに加入した方がお得なので、Amazon.co.jpのヘビーユーザーは基本的に加入していると思う。
加えて、「Prime Video」「Prime Music」「Prime Reading」「Prime Gaming」など、動画・音楽・電子書籍・ゲームなどのデジタルコンテンツに関する特典もあるし、プライム会員限定のセールなどもあるので、積極的にAmazon.co.jpを利用する方の場合は、本当にお得だ。
そのAmazonプライムの会費相当分のギフトコードが新料金プランでは提供される。
すでにAmazonプライムの会員であっても新料金プランの特典は享受できる。プライム会員の更新費用としてギフトコードを使えるからだ。一方で、プライム会員ではない方は、もちろん加入の際にギフトコードを使うことができる。
そして、新プランではデータ通信は使い放題だが、テザリング・データシェア・国際ローミング通信に関しては対象外で、それらを利用する場合は月間上限が60GBになるので、その点には注意して欲しい。すなわち、本プランを家の固定回線代わりとして毎日何GBも通信するような使い方は当然ながらできない、ということになる。
月々の料金は、2年契約の場合は9,180円だが、そうでなければ9,350円。ただし、データ通信量が月間2GB以下のときにはそれぞれ順に7,700円、7,870円となる。
ここに複数の割引施策を適用していくことで料金を下げていくことができる。
まず、家族複数人でauを利用する場合に適用できる「家族割プラス」において、2人の場合は500円引き、3人で1,000円引き、4人で2,020円引きとなる。さらに対象の固定通信サービスを利用している方が適用できる「auスマートバリュー」で1,000円引き、「スマホ応援割III」によって6か月間だけ月々1,400円引き、「5Gスタート割」で12か月間だけ月々1,000円引きだ。
割引を最大限適用できた場合で、月間データ量が2GB以下の場合には月額2,280円、2GBを超える場合は3,760円からになる。
<▲表:料金イメージ(※クリックして拡大)> |
どうしてもドコモのahamo対抗プランの発表を勝手に期待したことから肩透かしを食らった感じだが、冒頭でも軽く触れたように、KDDIの場合はサブブランドの格安通信サービス「UQ mobile」があり、事業体制が異なる。ahamo対抗プランを出すということは、UQ mobileのプラン構成にも手を加える必要が出てくるはずであり、僅か数日では用意できないだろう。また、UQ mobileは通信品質に優れていることもあり、単に格安SIM/スマホサービスと呼ぶこともできない。
いずれにしても、月々のデータ通信量が多く、家族複数人でauを使っている方、もしくは使おうと思っている方のうち、Amazon.co.jpのヘビーユーザーであれば、新料金プランは検討の価値が出てくると思う。
それ以外の場合で、auの料金を抑えたい場合には、やはり依然として「ピタットプラン」シリーズということになるだろうし、さらに下げたければUQ mobileへの移行ということになるだろうし、近い将来、auから安価なプランが出る可能性もあるので、しばらく様子見するというのも手だろう。
【情報元、参考リンク】
・KDDI/プレスリリース
・au Online Shop