楽天は12日、2020年第3四半期決算説明会を開催。その中で携帯電話事業を担う楽天モバイルの実績や今後の計画にも触れている。
まず、今春から本格サービスの提供が始まった楽天モバイルの累計での申込数が11月時点で160万件を突破したことが明らかにされた。あくまでも「申込数」であって「契約数」ではない点には注意が必要だが、順調に伸びていることは確かだろう。
推移としては6月時点で100万件、9月時点で143万件、そして11月で160万件ということで、爆発的な伸びを記録しているわけではないものの着実に増えている印象だ。各種手数料等、様々な負担を無料化した「ZERO宣言」も後押しとなっているだろう。
しかし、現状のままでは契約数が急拡大するイメージも湧きにくい。
楽天モバイルの料金プランは1プランで分かりやすいし、料金も2,980円で比較的安価だし、楽天ポイントを日常利用している方にとってのシナジー効果もある程度はあるが、肝心の自社インフラエリアが狭い。同社のプランは、自社インフラのエリアが広がることで初めて魅力が増してくるので、エリアが狭い現状では魅力に乏しいと感じざるを得ないのも事実だと思う。そのため、他社のユーザーが楽天モバイルへの切り替えを本格的に考慮し始めるのは、自社インフラの整備がある程度進んでからだろう。
それもあってか、同社は自社インフラの整備計画を大幅に前倒しすることを明らかにした。
現在の楽天モバイルの通信サービスは自社インフラによるものと、KDDIのau回線へのローミングの2種類で提供されている。au回線のローミングは当然全国各地で繋がるものの、楽天モバイルのプランで定められている「使い放題」の対象にはならないので、現在の楽天モバイルは真の意味での使い放題サービスとは言えない。
そのため尚更自社インフラの拡大が望まれているわけだ。
さて、その自社インフラ整備計画だが、当初は2026年夏に人口カバー率96%達成を目指していた。ところが、5年も前倒し、2021年夏に自社インフラによる人口カバー率96%の達成を目指すという。2021年夏といえば1年を切っているわけで、同社が自社インフラの整備を非常に重要視していることが分かるし、実際に考えうる限り急ピッチで取り組むのだろうし、達成できれば来夏以降の楽天モバイルの競争力は大きく向上するはずだ。
すでに様々な工夫により、当初よりも基地局の展開速度は向上しているという。具体的には6月時点では月間の基地局展開数は750局だったものが、12月には1,500局に拡大される見込み。
楽天モバイルの場合、楽天グループの様々なサービスとのシナジーも期待できる上、「楽天市場」はAmazon.co.jpに並び、多くの方が使ったことのある大手通販サービスの一つであり、「楽天ポイント」も同様に多くの方が使っているはず。
筆者はAmazon.co.jpの次に楽天市場、Yahoo!ショッピング、そしてヨドバシ.comやビックカメラなどの通販を利用しているが、同じような方は相当多いと思う。となると、楽天ポイントやPayPayボーナスのお得度合いでソフトバンクやワイモバイル、楽天モバイルへの切り替えを考える方も出てくるはずであり、今後インフラ整備が進んだ段階での楽天モバイルの動きは本当に気になるところだし、現在政府が携帯電話料金の値下げ要請をしている状況を考えると、急ピッチでインフラを整えないことには、楽天モバイルは先行3社との競争がかなり厳しいことになりかねない。ようやく登場した4つ目の携帯電話事業者であり、楽天モバイルが競争力を持つことを期待したい。
【情報元、参考リンク】
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