本来は3日に開催予定のオンラインイベントの中で詳しく紹介される予定だったが、人種差別に対する抗議活動が世界的に行われている状況を受けて中止となり、結果的に静かなリリースとなった。さらに言えば、オンラインイベント自体一旦延期されていたし、そもそもの予定では開発者向けイベント「Google I/O」でのお披露目になるはずだった。しかし、Google I/Oは新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受けて中止となっていた。
最終的には度重なる予定変更の後のリリースだが、大きな遅延というわけでもなく、今後、正式版は7月から9月の間に提供予定となっている。
とはいえ、新型コロナウイルスを筆頭に、世界情勢次第でスケジュールが変わる可能性が考えられるので、今後も注意は必要だ。
なお、リリースされたβ版は、まずは「Pixel 2」「Pixel 3」「Pixel 3a」「Pixel 4」から対応し、他の機種へも順次拡大していく予定だ。または、Android 11は、Googleが提供する「Android Emulator」で試すことも可能だ。
さて、Android 11には派手な新機能はないが、3つのテーマを軸に進化を遂げている。「コミュニケーション」「コントロール」「プライバシー」だ。
コミュニケーションについては、例えば現在はアプリごとにメッセージの通知が来る。Twitterでのメッセージ、Facebookでのメッセージ、メール、電話の着信など、それぞれのサービスやアプリ毎に通知が行われ、管理されている。同じ人から複数のアプリで連絡があった場合も、各アプリ毎に通知が来るわけだ。
しかし、Android 11では、人毎にまとめて通知を扱うことのできる「Conversations」カードが追加される。
このConversationsカードでは、Twitter、Facebook、メールなど、複数のサービスの通知をAさん、Bさん、Cさんといったように人ごとに扱い、まとめてチェックできる。
とはいえ、個人的には、これが便利かどうかは実際に日常利用してみないことには分からないように感じる。一方で、便利かもしれないので、早く試したいところ。
さらに、「Facebook Messanger」を利用している方には馴染み深い、バブル表示機能が導入される。Facebook Messangerには、画面上にユーザーアイコンをオーバーレイ表示する機能がある。他のアプリを使っていようが、その画面の上に重ねて常に表示される機能だ。ユーザーアイコンをタップすることで素早くメッセージのやり取りができるので、頻繁に連絡を取り合う際には便利だ。もちろん邪魔になればサクッと消せる。
それと同じような形で、ユーザーアイコンをバブル表示で常駐させることができる機能がAndroid 11では導入される。
次にコントロールだが、その対象はスマートデバイスやモバイル決済サービス、電子チケットなど多岐に渡る。
具体的には電源ボタンを長押ししたときに表示されるメニューの多機能化で、スマートデバイスの操作カードが加わったり、モバイル決済サービスのバーコード表示や電子チケットの表示などが、端末のロック解除→アプリの起動→操作、といった流れよりも少ないステップで行えるようになる。
最後にプライバシー関連だが、現在もアプリごとにアクセスできる情報/権限の設定は可能だが、権限の付与を1回限りの回数制限ありで行えるようになったり、しばらく使わなかった場合に権限が自動的にリセットされるような機能が導入される。
【情報元、参考リンク】
・Android 11 Beta公式サイト
・Android Emulator