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米国によるファーウェイへの制裁強化。米国製の生産機械で製造した半導体は海外生産品でもファーウェイへの輸出禁止

米商務省は15日、中国の大手通信機器メーカーであるファーウェイ(華為技術)に対する輸出禁止措置を強化することを明らかにした。具体的には、米国製の生産機械を使って製造した半導体は、それが米国外で生産されたものであったとしても、許可なくファーウェイへ輸出することはできない、という内容が追加された。

今回の措置は、米国企業のみならず米国外の企業にも大きな影響を与える。

例えば、日本の半導体メーカーが米国製の装置を使って製造した半導体部品も米国の許可なくファーウェイに供給することはできない、ということになるからだ。当然、対象は日本メーカーだけでなく、海外の全てのメーカーに及ぶ。

大まかに言えば、ファーウェイには米国の技術は一切使わせない、ということになる。すでにソフトウェアに関してはGoogleのAndroidを新製品に採用できないことで、ファーウェイのスマートフォン事業は大きなダメージを受けているが、ハードウェアの設計・製造においても、決定的なダメージを受けることになるだろう。

実際、ファーウェイのスマートフォン事業は中国市場以外では生き残れない可能性が現実のものとなってきたようにも見える。もちろん、今後、どうなるのかは全く分からないし、制裁が緩和され、再び勢いを取り戻す可能性もあるかもしれない。とはいえ、現時点では先行きが厳しいように見える。

ファーウェイへの制裁は、米国の安全保障問題及び米中貿易摩擦に絡んで行われてきたものだが、現在は新型コロナウイルスの影響も受け、より複雑さを増している。新型コロナウイルスの感染拡大に関して、米国は中国政府の初動に大きな不満を示している。加えて、新型コロナウイルスの発祥は中国・武漢の研究所だという証拠も入手したとしている。これによって、現在、米国と中国の対立は深まっており、ファーウェイはこの対立に巻き込まれた格好にも見える。しかし、米国としてはファーウェイに対する制裁強化は、安全保障上の問題によるものだとしている。

新型コロナウイルスの脅威に押され、ファーウェイ問題は一時的に足踏み状態になりつつあったが、ここにきて再び戻ってきた感がある。

また、本件は、ファーウェイとの取引が多い半導体メーカーにとっても大きな打撃となることが予想されるため、日本の半導体メーカーにとっても無視できない、大きな動きと言えるだろう。今後、どのような進展を見せるのか注目だ。

【情報元、参考リンク】
米商務省/プレスリリース

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