中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)への米国による輸出禁止措置の強化が早くも大きな影響を与え始めた。ファーウェイは自社のスマートフォン、タブレット等のモバイル機器の多くに搭載するCPUとして、子会社のHiSilicon(ハイシリコン)が設計する「Kirin」シリーズなどを採用している。
CPU以外にもHiSiliconは半導体部品をいくつか手掛けており、当然ファーウェイの製品に採用されている。そして、それらHiSiliconの半導体部品は、半導体の受託生産大手である台湾の台湾積体電路製造(以下、TSMC。Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.の頭文字から)が請け負っている。そのTSMCがファーウェイからの新規受注を停止することを明らかにした。
昨年から米国はファーウェイに対して輸出禁止措置を科しているが、多少の抜け道があり、依然として米国の技術を使うことは一部できていた。ところが、今回新たに追加された措置によって、米国の技術を使った生産機器で作られた半導体部品のファーウェイへの輸出が全面的に禁止となった。しかも、海外生産品にも及ぶ。
そのため、実質的に多くのメーカーが米国の許可なくファーウェイに半導体部品を供給することが困難になった。そしてその第一弾ともいえる動きがTSMCの決断だ。
TSMCは米国の決定を受け、すでに受注済みの部品に関しては9月中旬までは出荷するものの、新規受注は停止するという。日本経済新聞が18日に報じた。詳細までは開示されていないものの、今後、TSMCがファーウェイ・グループの半導体部品を新規に供給することは、少なくとも当面は無くなったことになる。仮にTSMCがファーウェイに対して半導体部品を納める場合には米国の許可が必要だ。
ファーウェイは昨年来、自社のスマートフォンのハードウェアを構成する半導体部品を中国メーカー製に順次置き換えているが、今回の米国の追加制裁によって、その動きをさらに加速せざるを得ない状況になった。
他のメーカーもTSMCに続き、ファーウェイからの新規受注を停止することになると考えられるだけに、同社のスマートフォン事業は大きな岐路に差し掛かっている。グローバルではAndroidスマートフォンが圧倒的なシェアを占めており、そのAndroid市場でファーウェイは右肩上がりで売り上げを伸ばし、シェアを拡大してきた。ところが、Androidを使えない、米国の技術が絡む半導体も使えない、となると、グローバル市場は厳しい。
日本でもSIMフリースマートフォン市場における好調を受け、通信キャリアモデルでも攻勢を掛けようとしていたのが、ちょうど1年前だ。ところが、規制によって勢いは削がれ、今後はさらに厳しい状況が待ち受けている。
ファーウェイ問題に関しては、安全保障問題、米中の貿易摩擦、そして現在は新型コロナウイルスを巡る米中の論争も絡んできているため、かなり複雑で難しいことになってきている。
逆にライバルメーカーにとっては好機といえる。「Xperia」シリーズのソニーモバイル、「AQUOS」シリーズが好調なシャープ、再び「arrows」を輝かせたい富士通、堅実な機種を多数揃える京セラらにとってはシェア拡大のチャンスだろう。
いずれにしても、今後も動きを注視していきたい。
【情報元、参考リンク】
・日本経済新聞
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