楽天モバイルは24日、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象地域増加を受け、自社及びパートナー企業の従業員の安全確保、感染拡大防止に向けた措置の一環として、ユーザーをサポートする窓口である「楽天モバイルコミュニケーションセンター」の一部機能をオペレーターによる在宅対応に順次移行すると発表した。
サポートセンター、コールセンター、呼び方は様々だが、この種のユーザーサポートをオペレーターによる電話応対で行う拠点では、日本だけでなく海外でも集団感染の事例がある。それだけに楽天モバイルの措置は大きな動きの一つといってよさそうだ。
しかも、楽天モバイルでは一見するとユーザー側からは体制変更が分からない、平時と同じ形式を維持できることも利点の一つだ。ユーザー側は体制変更を何も気にする必要がなく、これまで通りのお問合せ窓口に電話もしくはメッセージで連絡を取ることが可能とされ、受付時間の変更もない。
ところが、その裏側では全国複数の楽天モバイルコミュニケーションセンターの拠点にオペレーターが集まって対応するという従来の形ではなく、各自が自宅から対応する、という環境に切り替わっていく。一斉対応ではなく、業務委託先企業との了承が得られた拠点から順次移行とのことだが、オペレーター業務を在宅勤務に切り替えても大きな問題が生じない場合、他の企業にとっても参考事例の一つとなりそうだ。
というのも、コールセンター業務はユーザーとの電話応対が主となり、喋る時間が長く、閉鎖空間内での人数も多いため、飛沫が飛び交いやすく、感染の可能性が高い業種の一つだと考えられている。そのため、企業によっては窓を開けるなどの換気を徹底し、オペレーター同士の間隔を広げ、衝立等で互いの飛沫が周囲に飛び散らないようにする、勤務時間帯をズラす、出勤数を減らすといった様々な対応を採っているが、当然ながら在宅対応が可能なのであればそれに勝る対策はない。
ただし、オペレーターシステム自体が在宅勤務へ対応する改修に対応できるかどうか等、様々な準備が必要なので、全ての企業が簡単に導入できるわけでもないだろうが、今後、このような移行は広く進みそうだ。
なお、オペレーターの自宅のネットワーク環境に通話時の音声品質等が左右される恐れがあるとのことで、場合によっては音声を聞き取りづらい問題等が発生する可能性があるとされている。
しかし、そのようなトラブルは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことが最重要だと考えれば全く問題のない、些細な点だろう。
また、ユーザーの個人情報の取り扱いについてもセキュリティに十分配慮した環境での対応になるとしている。
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