<▲写真:AQUOS zero2、AQUOS sense3シリーズ> |
通信キャリアではAQUOS zero2はドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアからリリースされる。AQUOS sense3はドコモとau、AQUOS sense3 plusはauとソフトバンクが取り扱う。ただし、AQUOS sense3 plusのau版はパイオニア製のワイヤレスイヤホンが同梱される特製モデル「AQUOS sense3 plus サウンド」となっている。
<AQUOS zero2>
<▲写真:AQUOS zero2> |
AQUOS zero2は、昨年発売モデル「AQUOS zero」の後継機種で、シャープ独自のOLED(有機EL)をさらに進化させ、通常の4倍速となる240Hzで駆動するディスプレイを搭載する。前モデルでは、ハイエンドスマートフォンのスペックに加えてOLEDディスプレイの表現力、そして約146gの軽さからゲーミング用途を訴求していた。
新機種のAQUOS zero2でもゲーミングスマートフォンを訴求しているが、ターゲットはゲームを極めたり長時間プレイしたりする「ガチ層」ではなく、暇つぶし程度に遊ぶライト層とガチ層の間に位置する「エンジョイ層」であるとしている。
<▲写真:シャープとしてはガチ層とライト層の間のエンジョイ層をターゲットとしているという> |
そのため、ゴツくて大きい「いかにもゲーミング用途のスマートフォン」ではなく、シンプルなデザインながらハイスペックを実現し、普段使いのスマートフォンとしてもスタイリッシュな製品に仕上げている。実際、開発時のターゲットがエンジョイ層だとしても、完成品はガチ層、ライト層も含めてカバーできる普遍的な魅力を備える製品になっていると言ってよさそうだ。
<▲写真:背面を見ても「ゲーミングスマホ」というよりは「普通のスマホ」だ> |
AQUOS zero2はハイスペックのスマートフォンだが、単にCPUやメモリが良いだけでなく、独自の特徴をいくつか備えている。
詳しくは後述するが、240Hzという驚異的な速度で動くディスプレイ、そして、AQUOS zeroよりも約3g軽いボディ、独自の放熱技術、充電技術などだ。軽さについては、約6.4インチという大画面のディスプレイ、背面のツインカメラなどを搭載しつつ約143gなので、相当なものだ。
スマートフォンが軽ければ手の負担が少なくて済む。それはゲームプレイ時にも重要だ。負担が少なければ長時間夢中になってプレイすることも可能となる。ガチ層にとっても、この軽さは魅力的だと思う。
また、長時間ゲームで遊ぶ際に、バッテリーを充電しながらプレイすることもあると思う。ところが、充電しながらスマートフォンで高負荷のアプリを使う際に問題となるのが、熱だ。スマートフォンの筐体内に熱をこもらせると、過熱を防ぐためにプロセッサのパフォーマンスも落ちてしまう。
<▲写真:充電しながらスマートフォンを使っても従来機種と比べて発熱を抑えることができる> |
そこで、AQUOS zero2では、給電を2系統に分けた「パラレル充電」を採用している。この方式では、充電しながら使用しても熱を従来の半分に抑えることができるという。
そして、AQUOS zero2の最大の特徴である240Hz駆動のOLEDは、設定で240Hz駆動に変更すると、映像と黒画面を交互に表示することで、動きがぼやけて見える「網膜残像」を抑えてクッキリとした映像表示を実現する。
説明を追加 |
実際の映像は240Hzの半分しかないため、実質的には120Hzの倍速表示となるが、高速のアニメーションや移動するキャラクターの残像を抑えた滑らかで見やすい画面である。
なお、倍速表示に対応するアプリの場合は、この機能によって倍速表示できるが、60Hz固定で作られたアプリの場合には倍速表示にはならず、他のスマートフォンと変わらない。その点には注意が必要だ。
また、240Hzで駆動するのは新しいOLEDだけではない。タッチ操作のセンサーも240Hzで動作する。一般的なスマートフォンの場合はタッチ・センシングは60Hzで行われるため、1回のセンシングのタイミングは約20ミリ秒毎になるが、240Hz駆動の場合は約5ミリ秒毎なので、非常にキメ細かな入力レスポンスが可能になる。例えば、音楽ゲームなどの場合はタイミングにシビアなので、ラグを極力抑えたいと思う。そうしたゲームでは大きな威力を発揮しそうだ。
ちなみに、タッチ・センシングは表示が60Hz固定のアプリであっても240Hzで駆動する。
<▲写真:AQUOS zero2では4倍速タッチ検出も大きな特徴> |
最後に基本スペックをおさらいしておきたい。
チップセット(SoC)にはQualcomm Snapdragon 855を採用し、メモリ(RAM)は8GB、内蔵ストレージ(RIM)は256GBで、外部メモリ(SDカードスロット)は搭載しない。ディスプレイは前述した通り、約6.4インチサイズで解像度がFHD+(1080×2340ドット)の有機ELで、背面のアウトカメラは26mm相当の約1220万画素カメラとF1.7/18mm相当の約2010万画素カメラによるツインカメラ(デュアルカメラ)構成で、前面のインカメラは約800万画素。
バッテリーは3,130mAhで、無線LAN(Wi-Fi)はIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠、ボディの防水性能はIPX5・IPX8相当、防塵はIP6X相当で、おサイフケータイ(FeliCa)対応、画面内指紋認証対応、顔認証対応となっている。AQUOS zero2は、専用の指紋認証センサーエリア(キーも含めて)を持たず、ディスプレイの指定エリアに指を当てることで指紋認証ができるようになっている。
AQUOS zero2がもたらす快適なゲーミング体験は、滑らかな倍速表示と入力ラグを抑えたタッチセンシング技術によるもので、周辺デバイスも自社開発出来るシャープの強みが出ている製品だ。
発売時期は2020年1月下旬以降の予定。
各通信キャリアの価格や予約受付時期などの情報は時期が来ればオンラインショップなどでも公開されるなので参照して欲しい。
・ドコモオンラインショップ
・au Online Shop
・ソフトバンクオンラインショップ
<AQUOS sense3、AQUOS sense3 plus、AQUOS sense3 lite>
<▲写真:AQUOS sense3> |
2019年上半期に最も売れたスマートフォン「AQUOS sense2」の後継となるのが「AQUOS sense3」シリーズだ。
AQUOS sense3シリーズの細かなラインナップは下記の通り。
- AQUOS sense3
- AQUOS sense3 plus
- AQUOS sense3 plus サウンド
- AQUOS sense3 lite
似たような名称で4種類もあって混乱を招きそうだが、ベース部分は共通で、細かな仕様に若干の変化がある。
AQUOS sense plusはディスプレイの大型化、メモリ増量といった細かなスペックアップがある製品で、「サウンド」がつくのはauモデルでパイオニア製のワイヤレスイヤホンが同梱される。AQUOS sense3 liteは楽天モバイル専売モデルで、基本スペックはAQUOS sense3と同じだが、背面カメラがデュアルカメラからシングルカメラにグレードダウンしている。その分価格が下げられるはずだ。
<▲写真:AQUOS sense3の背面。デュアルカメラを搭載する> |
AQUOS sense3 liteを除き、背面にはデュアルカメラを搭載する。27mm相当の標準カメラと16mm相当の超広角カメラによる組み合わせで、撮影の幅と楽しさを訴求する。
特に超広角カメラはAppleの最新スマートフォン「iPhone 11」シリーズにも搭載され、一般にもその表現力が認知されつつあるタイミングなので追い風になりそうである。
主なスペックは、チップセットがSnapdragon 630、ディスプレイが約5.5インチで解像度がフルHD+(1080×2160ドット)のIGZO液晶、メモリ(RAM)は4GB、ストレージ(ROM)は64GBだ。
一方のAQUOS sense3 plusではディスプレイが約6インチにサイズアップする。解像度はフルHD+(1080 x 2220ドット)だ。
<▲写真:AQUOS sense3 plus> |
<▲写真:AQUOS sense3 plusの背面> |
チップセットはSnapdragon 636、メモリ(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は64GBもしくは128GB。
AQUOS sense3 plusの6GBメモリの効果は、写真を撮ってアプリで加工してSNSに投稿するといった一連の流れの際に、アプリ間の移動が若干スムーズに行えるといったところなどで体感しそうだ。AQUOS sense3とAQUOS sense3 plusの機種選びのポイントは、大画面を必要とするか、持ちやすいサイズ感を大事にしたいかがポイントになると思う。ベース部分は先ほど述べたように同じだ。
なお、おサイフケータイ(FeliCa)や防水防塵にも対応している。Snapdragon 636を採用していることもあり、普段使いならどちらの機種も快適なのは間違いない。
AQUOS sense3シリーズは11月以降に登場予定だ。通信キャリアによって微妙に発売時期が異なるがAQUOS zero2よりも早く、年内リリースなので少し待つだけでいい。
・ドコモオンラインショップ/AQUOS sense3製品ページ
・au Online Shop
・ソフトバンクオンラインショップ
(記事:mi2_303)
【情報元、参考リンク】
・ドコモ 2019冬・2020春モデルについて
・au 2019秋冬・2020春モデルについて
・ソフトバンク 2019秋冬モデルについて