しかも、LINEが手掛けるAIエージェント「Clova」を活用したAIカーナビとなっている。もちろんスマートスピーカーと同じく、Clovaを介しての音声操作が可能だ。さらに、トヨタ自動車(以下、トヨタ)のカーナビゲーションエンジンを搭載している点も大きな特徴と言えるだろう。
スマートフォン向けのカーナビアプリはGoogle、ヤフー、NAVITIMEなど複数の企業が手掛けていて、各社年々レベルが上がっているため、もはや新規参入は難しいように感じていたが、LINEにはClovaという大きな武器がある。他社サービスでも音声操作は可能だし、Googleマップはかなり賢いが、AIを前面に押し出している訳でもない。
今回新たに登場したLINEカーナビでは、Clovaで培った日本語音声認識技術、音声合成技術、トヨタのナビエンジンとの連携によって、走行中でも音声による対話で操作できるうえ、トヨタのナビエンジンによる豊富な走行データによる走りやすいルートを提示してくれるという。
例えば「ねぇClova、新宿駅に行きたい」などと話しかけることで目的地を設定できたり、「ドライブに合う曲をかけて」といえば音楽を掛けてくれるし、「LINEを送って」といえばLINEでメッセージを送ることもできる。ただ、それくらいならGoogleマップ、Android Autoでも普通にできるので、現時点ではAI連携しているとはいえ、大差ない。とはいえ、2年後、3年後に運転時の心強いエージェントと呼べるほどの進化をしても不思議ではない。
ちなみに利用料金は無料だ。
さらにGoogleの「Android Auto」やAppleの「CarPlay」のように対応する車載機器であれば車載機の画面に出力しての利用もできるという。そちらの対応車種等の詳細は後日発表予定だという。もちろんスマートフォンでLINEカーナビを利用することは可能だ。
<▲図:SDL(Smart Device Link)対応アプリとして車載機に接続して利用することもできる> |
LINEカーナビでは今後、個人個人の利用傾向を考慮したルートのパーソナライズ機能、駐車場との連携機能などを追加予定としている。ちなみにGoogleマップも個人の履歴を考慮したルートを案内してくれる。
いずれにしても、Google、ヤフー、NAVITIME等のカーナビアプリも完璧ではないし、専用の車載ナビも完璧ではないことを考えると、新たなサービスの登場は嬉しいニュースだ。カーナビ利用中に「ここを通れって言ってるの!? 正気!?」といった道を案内されてストレスを感じた経験はほぼ全てのドライバーにあると思うが、ビッグデータとAIが高度に連携することでそうしたシーンも大幅に減るかもしれない。
当然GoogleもAI開発に注力しているし、今のAndroidはAIがユーザーの利用履歴を学習し、複数の分野で高度に自動調整してくれるようになりつつあり、AIスマホに進化し始めている。音声認識もかなり精度が高まっているし、将来的にどのサービスが最も便利になるのかはまだ分からない。しかし、今後のカーナビアプリは音声認識、AI、より現実的なパーソナライズ性能などが大きなポイントになってきそうだ。
ともかく関心がある方は試してみよう。
「LINEカーナビ」アプリは下記リンク先からダウンロードできる。
【情報元、参考リンク】
・LINE/プレスリリース