<▲図:Pocket WiFi 803ZT> |
モバイルWi-Fiルーターの特徴を語る場合、基本的にはモバイルデータ通信でどの程度の速度まで対応しているかとアンテナ性能、Wi-Fi性能、バッテリー容量、そしてデザインやサイズなどとなるが、803ZTの最大の魅力は下り最大988Mbpsに対応する点だ。
下り最大988Mbpsの高速通信は、複数の周波数帯に同時に通信を行うことで速度を上げる「キャリアアグリゲーション」という技術によって5つの周波数帯を束ねることや、送信側と受信側の双方で4つのアンテナを使って同時に通信できる「4x4 MIMO」という技術、そして情報密度を高めて一度に転送できるデータ量を増やすことができる「256QAM」という技術の組み合わせで実現している。
もちろん、あくまでも通信サービスとしての理論的最大値が988Mbpsということになり、実際に803ZTで通信を行う際には、まずはその場所が下り最大988Mbpsに対応しているエリアかどうか、そして電波状態、他のユーザーの存在などによる混雑状況など、複数の要因で変わってくる。
それでも最大988Mbpsに対応しているという時点で、基本的には従来機種より平均的に高速通信できることが期待されるだけに、注目の新製品だと言える。
上り(アップロード側)の速度は最大37.5Mbps対応だ。
それ以外の特徴を見ていくと、まず、バッテリー容量が3,000mAhと、それなりに大きな容量を積んでいて、約12時間の連続通信が可能となっている。ただ、近年のモバイルWi-Fiルーターは大容量バッテリーを積む製品が多いので、平均的かもしれない。
それよりもWi-Fi性能の方が注目だろう。
803ZTはIEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)に対応していて、対応規格の面では普通だが、同時接続が可能なWi-Fi機器の台数が16台と多い点は魅力だ。これは外出中だけでなく家でも使う場合には特に嬉しい。
また、スマートフォンとの接続設定については、本体に搭載されたディスプレイにQRコードを表示して、それをスマートフォンのカメラで読み込むことでいい、という簡単接続方法が用意されている。
803ZTの本体サイズは約112 x 67.5 x 15.6mmで、重さは約153g。
ちょっと嬉しい仕様として、IPX2/IP5X相当の防水/防塵仕様となっている。ただ、IPX2はかなり軽い防水性能なので、水の中に浸けたり、お風呂場での長時間放置は避けるべきなので、その点は注意が必要だ。
なお、別売りオプション品のクレードルを使えば、有線LANを繋いでWi-Fi化するような使い方も可能となる。例えば、家の固定通信などを繋いでホームルーター代わりにしたり、旅先の宿泊施設で用意されている有線LANに繋いで、Wi-Fi化するなどだ。
【情報元、参考リンク】
・ワイモバイルオンラインストア
・ソフトバンク/プレスリリース