<▲写真:ZenFone 6。カメラが回転して前面に向いたところ> |
23日よりASUS Store、家電量販店、ECサイト、MVNO(格安SIM/スマホ事業者)が取り扱いを開始しており、6GB RAM/128GB内蔵ストレージモデルが69,500円、8GB RAM/256GB内蔵ストレージモデルが82,500円(価格は全て税抜)となっている。
本記事ではZenFone 6のレポートをお届けしたい。
価格は前述の通りで、メモリ(RAM)、ストレージ容量の違いによって異なる。
最初に冒頭の写真を簡単に説明すると、不思議な形状をしているのは上部のカメラ部分であり、実はZenFone 6では背面のアウトカメラがインカメラの機能も兼ねて、回転する設計となっている。最初の写真ではそのカメラを180度回転させた状態というわけだ。背面側に戻れば、凸形状から普通の□形状に戻るのでご安心を。常にこの状態ではない。
<▲写真:カメラを背面側に戻せばご覧の通り普通のフロントになる。しかも他機種に多いインカメラ部分のくり抜きがないスマートなデザインかつ狭額縁を実現している> |
さて、ZenFone 6の主要スペックを見ると、プロセッサにはQualcomm「Snapdragon 855」を搭載している。
メモリ、ストレージと合わせてハイエンドスマートフォンとしてのスペックでありながら、10万円以下で購入可能という、コストパフォーマンスに優れたスマートフォンだ。
ゲーミングスマートフォンである「ROG Phone」以来のASUSらしい尖ったスマートフォンだ。
ZenFone 6は既にグローバルで発表済みだったが、今回日本では初公開ということで楽しみにしていたスマートフォンでもある。
<▲写真:インカメラが無いのでディスプレイの切り欠き等も無い。上側の額縁部分(ベゼル)を超狭くしつつ、スマートなディスプレイだ。画面占有率は92%に達する> |
ディスプレイは6.4型ワイド IPS液晶で、解像度はFHD+(1080×2340ドット)だ。その特徴は何といっても、上部にインカメラのための切り欠きがないことだ。画面の占有率は約92%で、いよいよスマートフォンの前面デザインは画面のサイズや縦横比、そして角の丸みのみで個性づけするような時代に突入した。
「ベゼルレス」と言えるほど額縁部分が狭いこともあり、ディスプレイは高い強度をもつ「Corning Gorilla Glass 6」を採用することで強化している。
<▲写真:カラーがトワイライトシルバーのモデル。美しい光沢仕上げとなっている> |
本体カラーは、写真のトワイライトシルバーとミッドナイトブラックの2色。どちらも美しい光沢仕上げが特徴だ。
<▲写真:こちらはプレス写真。上の実機写真と比べると色味が異なると思うが、見る角度によって変わる美しい仕上げとなっている。中央のモデルがミッドナイトブラックだ。> |
背面のアウトカメラは、2つのカメラを横に並べたデュアルカメラタイプ。メインカメラは4800万画素、F1.79のレンズで、もう一つのカメラは125°の超広角レンズで、画素数は1300万画素となっている。
<▲写真:カメラについて(発表会より)> |
撮影時には標準カメラと超広角カメラを簡単に切り替えることができ、被写体に合わせて自由に切り替えての撮影を楽しめるようになっている。
動画については、4K 60Pでの撮影が可能で、高精細で滑らかな映像を記録することができることに加えて、「EIS」(電子手ブレ補正)によって手持ち撮影をサポートしてくれる。
<▲写真:先ほど「アウトカメラ」と書いたが、「インカメラ」の役目も担うので、「自撮り」性能にも注力している> |
このカメラは、インカメラに切り替えると自動的に起き上がり、自撮りモードに切り替わる。
ASUSはこのカメラを「フリップカメラ」と名付けている。
アウトカメラの性能をそのままインカメラとしても使えるため、高画質撮影ができる上、グループショットにも最適な超広角レンズ撮影も可能だ。しかも、自撮り動画も4K 60Pの高精細で記録することが可能となっている。
<▲写真:逆光のシーンでは自動的に「HDR+」モードに切り替わる。さらに、それでみ見えにくい明部、暗部のディティールがハッキリとする「HDR++」モードも搭載する> |
白飛び、黒つぶれにつながる逆光のシーンでは、自動でHDR+モードに切り替わる。それでも見えないようなディティールをハッキリ撮影できる「HDR++」モードも搭載する。この「HDR++」モードは、自動ではなくユーザーが手動で切り替える。
<▲写真:フリップカメラの角度調節は自由にできる> |
フリップカメラは自撮りモード以外に、ボリュームキーの上下もしくは画面内の自撮り切り替えボタンを上下に操作することで、角度を自由に調整できる。
上の写真のように、90°起こした状態にすることで、従来ならば難しかった撮影も楽にこなすことができる。例えば、空の写真は画面を覗くために無理な姿勢を強いられるし、ローポジションでの撮影はしゃがんでのぞき込むという姿勢になる。そういった難点をフリップカメラでは解消してくれる。
下に掲載した写真は天井を映し出しているものだが、一般的なスマートフォンであれば自分自身の上体を反らして画面を見続ける必要があるという、非常に厳しい撮影スタイルを強いられる。ところがフリップカメラを90°上向きにすれば、ご覧の通り、自分自身は体を反らさずにスマートフォンを立てたまま、構図をしっかりと決めてから撮影することができる。
<▲写真:フリップカメラを90°回転させた状態で天井を映し出しているところ> |
さらに、専用のモーターで滑らかに動くフリップカメラの機能を利用したパノラマ撮影も優れている。ZenFone 6を構えているだけで180°の範囲を自動で取り込んでくれるのだ。
<▲写真:フリップカメラはモーター駆動で角度調節されるのでパノラマ写真の撮影もこの通り、ZenFone 6を構えているだけで済む> |
ご覧のように、180°ではないが、ただZenFone 6を構えただけで綺麗なパノラマ写真が撮影できた。
インカメラのためにディスプレイにやむを得ず切り欠きを作る必要があったノッチデザインからの脱却で生まれたフリップカメラは、デザイン面だけではなく、写真や動画撮影においても新たな使い方を生み出すことに成功している。
なお、フリップカメラにはジャイロセンサーや加速度センサーなども搭載されており、インカメラとして使用していた場合に万が一端末を落下させても、その状態を検知して、落下中に自動でフリップカメラを元の位置に戻してくれる。このように破損を防ぐ仕組みも搭載されている。
<▲写真:30周年記念モデル「ZenFone 6 Edition 30」> |
ちなみに今回はASUSが30周年ということで、特別仕様モデルの「ZenFone 6 Edition 30」も発売される。
外観はマットブラックに同心円のスピン加工を施したスペシャルなものとなっている。
しかもデザインに留まらず、スペックもグレードアップされている。大容量メモリ12GB(RAM)と内蔵ストレージ512GBだ。103,030円(税抜)と、コストパフォーマンスに優れた価格設定となっている。
なお、ZenFone 6は、microSDカードにも対応しており、SIMトレイにはnanoSIMカード2枚(DSDV対応)とmicroSDXC(最大2TB対応)1枚をセットして利用できるようになっている。通常モデルでもそうだが、大容量の内蔵ストレージと合わせてバックアップ用にmicroSDカードを併用することで、ストレージ容量不足で困るということはなさそうだ。
運用面では5,000mAhの大容量バッテリーが魅力的で、連続待受時間約35日のスタミナ性能を誇る。さらに、急速充電規格「Quick Charge 4.0」対応で、ワイヤレスでの急速充電もできる。
さらに「ZenFone Max」シリーズでお馴染みの外部給電機能であるリバースチャージにも対応する。要するに、ZenFone 6をモバイルバッテリー代わりに使い、他のモバイル機器を充電できる、ということだ。
モーター駆動で角度調整も自在のフリップカメラを発明したことでZenFone 6は独自の魅力をいくつも備えた製品となっている。
アウトカメラ画質でインカメラ撮影ができることはもちろん、単純にアウトカメラとしての使用でも角度調整できることでの利点が大きい。さらにはインカメラを廃すことで前面も非常にすっきりとしたノッチ無しデザインとなっている。
このフリップカメラは、ZenFone 6だけで終わらせずに今後の製品にも是非とも搭載して欲しい機能である。
ASUS 30周年記念発表会でお披露目された新製品を動画にも収めているので、そちらも参照して欲しい。
最後に通信について言及しておくと、ZenFone 6はSIMフリーのスマートフォンなので、ユーザーが自由に通信会社/サービスを選び、利用できる。
LTEの対応バンドは公式サイトを参照して欲しいが、NTTドコモ、au、ソフトバンクと国内通信キャリア全ての通信方式/サービスに対応しているし、VoLTEもサポートしているので、基本的には通信事業者は自由に選んで構わない。端末だけをASUS Storeや量販店等で購入してSIMカード/通信サービスは別途用意してもいいし、格安SIM/スマホ事業者で端末とセット購入/加入するのも良いと思う。その場合にはキャンペーンを利用すればお得に購入できる可能性もある。
ちなみに、ZenFone 6の取り扱いが明らかになっている格安SIM/スマホ事業者はIIJmio、AEON MOBILE、exciteモバイル、gooSimseller(OCNモバイルONE)、NifMo、mineo、LINE MOBILE、LinksMateなどだ。
【情報元、参考リンク】
・ASUS公式サイト
・IIJmio
・mineo
・LINE MOBILE