都内で居酒屋を展開しつつ自ら漁業にも取り組むゲイトとKDDI総合研究所は22日、漁業の効率化を目指した「スマート漁業」の実現に向けて、共同で検討及び実証実験に取り組むと発表した。
実際、すでに両社は4月に三重県尾鷲市須賀利町のゲイト漁場(定置網)において「スマートブイ」による水温データの測定や、カメラを搭載した「カメラブイ」による水中撮影等の実権を行っているという。
各種センサーとモバイルデータ通信を活用した様々な分野での「スマート化」は各社が取り組んでいるが、漁業の分野も例外ではない。
KDDI総合研究所は、センサーや通信機能を搭載したスマートブイを用いて、センサーデータや気象データから漁獲量の予測を実現し、これまでは漁師の勘や経験に頼っていた漁業の効率化を目指したスマート漁業の研究に取り組んでいる。
2016年から宮城県石巻湾漁場(宮城県東松島市)において実証実験を開始。2018年には従来のスマートブイと比較して大幅に軽量化・省電力化した新型のスマートブイを開発し、石巻湾漁場において実験を行っている。
一方のゲイトは冒頭で触れたように、都内で「かざくら」「くろきん」など居酒屋を9店舗展開しつつ、2018年から三重県尾鷲市須賀利町において定置網漁を開始している。その理由は、高齢化・後継者不足が進む漁業の現状に危機感を持ち、生産地を活性化したいとの思いにあるという。
両社による共同での実証実験においては、KDDI総合研究所はスマートブイをはじめとする実験機材の提供やデータ分析などを行い、ゲイトは漁場でのスマートブイの設置やメンテナンス作業、漁獲量データの提供などを行うなど分担・協力して取り組んでいるという。
さらに、前述した尾鷲市須賀利町に加えて、熊野市甫母町のゲイト漁場でも実験を行う予定。
今後、実験を通して得られた知見を元に、漁業の効率化を図るとともに、スマートブイに搭載された加速度センサーを利用した波高推定実験など、漁業作業の安全性向上に寄与する検討も行っていく予定だという。
【情報元、参考リンク】
・KDDI総合研究所/プレスリリース
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