同社によれば国内のMNO(いわゆる通信キャリア)による4G LTEスマートフォン向けの料金プランとしては初の月間データ量上限のないものになるとのことだが、実際には「完全な上限無し」とは言い切れないので注意は必要だ。それでも大量のデータ通信を利用しやすいことは間違いないので、日常的に通信量が多いユーザーの場合は、現行プランよりも出費を抑えられるかもしれないし、データ残量を気にするストレスからは解放されるかもしれない。
「auデータMAXプラン」の通常料金は月額8,980円だが、申し込みの翌月から6か月間については毎月1,000円引きとなる「auデータMAXプラン スタートキャンペーン」が実施されるので、ひとまず半年間は月額7,980円で利用できる。
さらに、他のキャンペーン/割引施策を適用することで、最大で3,000円引きにまでできるので、その場合は月額5,980円だ。
<▲表:通常料金およびキャンペーン等を適用した場合の料金について (※クリックして拡大)> |
さて、肝心なプランの内容だが、最大の特徴は月間の高速データ通信の上限がない、という点。
現行プランであれば月々何GBまでという上限が設けられていて、その値を超えたデータ通信を行うと、月末まで通信速度が制限される。しかし、「auデータMAXプラン」では上限が設けられていないため、基本的には使い放題で速度制限もかからない、ということになる。ただし、「基本的には」と書いたことから分かると思うが、例外がある。それが注意点だ。
特に厄介なのは動画配信、ストリーミングサービスなどについての扱いだ。
それらの大量データ通信を行うサービス、もしくは長時間の接続を伴うサービスを利用する場合には、通信速度が制限されるという。
しかも、通信速度制限対象となるサービスはauネットワークへの影響などを勘案して定めるとのことで、随時変わる可能性がありそうだ。ただし、通信の切断はされないということなので、画質が落ちたとしても視聴はできるだろう。しかし、さすがに「Netflix」や「YouTube」での4K画質での長時間視聴などはできないかもしれない。とはいえ、当たり前といえば当たり前の話で、光回線などの固定回線と比べてモバイル回線の方が容量が少ない分、無制限に4K動画視聴を許可すると、他のユーザーに大きな影響を及ぼすはずであり、一定以上の品質でのサービス維持には避けられない制限だと思う。
とはいえ、どのようなサービスをどれくらい利用したら速度制限がかかるのか? という点についてはもう少し具体的な説明が欲しいところ。逆にその点の具体性がなければ加入しにくいと思う。
もう一点はテザリング、データシェア、世界データ定額の扱いについてだ。
これらの3種類のサービス利用時の通信に関しては、データ量の上限が合計で20GBに設定されている。20GBを超えると、テザリング、データシェア、世界データ定額の通信速度は月末までの間、送受信どちらも最大128kbpsに制限されてしまう。3サービスが一括で取り扱われている点にも注意が必要だ。例えばテザリングで20GBを超えた場合、データシェアや世界データ定額にも速度制限の範囲が及ぶということになる。
この「auデータMAXプラン」が良いかどうかという最終的な判断は、速度制限対象サービスや、速度制限が発動する連続通信時間の上限設定などに左右されそうなので、手放しで勧めることはできないと思う。
それこそ、Netflixユーザーの場合は月間25GBまでの「auフラットプラン25 Netflixパック」の方が良い、という可能性もある。
とはいえ、動画配信サービスの利用に関しては、ドラマやアニメを1話、2話見ただけで制限がかかると使い物にならないため、それなりに現実的な設定にはなっているのではないかと思う。それでも可能ならば様子を見てから加入する方が無難かもしれない。
ソフトバンクは「ギガ使い放題キャンペーン」というキャンペーンで事実上の使い放題状態を提供しているが、NTTドコモ(以下、ドコモ)には同種のプランもしくはキャンペーンは無い。その分、ドコモの新料金プランの一つである「ギガホ」は30GBと上限が高めに設定されているので、多くのユーザーが上限まで使っていないと思う。今後のドコモやソフトバンクの動きにも注目したいところ。
【情報元、参考リンク】
・KDDI/プレスリリース