シャープは24日、第5世代のIGZO液晶(以下、IGZO5)を開発したと発表した。ディスプレイを駆動する「TFT(薄膜トランジスタ)」として酸化物半導体「IGZO」を用いた液晶パネルの量産化に2012年に世界で初めて成功したシャープだが、以降、改良を重ね、今回第5世代へと進化を遂げた。
IGZO5では、製膜などのプロセス条件の工夫によって、液晶パネルの駆動性能を左右する電子移動度を前世代の「IGZO4」と比べて約1.5倍に向上したという。大型ディスプレイの駆動用TFTとして一般的なアモスファスシリコンと比べると約30倍に相当する。
電子移動度の高さが何に寄与するかというと、例えばTFTサイズの小型化、ディスプレイの輝度向上、周辺回路のサイズダウンによる超狭額縁化なども可能になるほか、タッチパネルなどのセンサ機能の搭載も容易になるという。
さらに、有機ELディスプレイの駆動用TFTとしても適しており、今後の有機ELディスプレイの展開にも寄与することが見込まれるという。
そして、8Kなどの高精細の中・大型ディスプレイや超高精細のモバイル向けディスプレイにおいて、高速駆動(120Hz以上)することで滑らかな表示を実現しつつ、もちろん低消費電力も達成している。
IGZO5は、今述べたように8Kなどの中型、大型のディスプレイを搭載するテレビなどのほか、モバイル向けディスプレイまで幅広いサイズに対応する。今後続々とIGZO5搭載製品が登場すると思われるが、楽しみだ。
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