日本電子決済推進機能は今秋をめどに「Bank Pay」(バンクペイ)と名付けたサービスを提供開始する。Bank Payは、スマートフォンを使った決済サービスのうち、いわゆる「バーコード決済サービス」と呼ばれるカテゴリのサービス。
そして、最終的な決済形式は、指定した銀行口座から直接引き落とされるデビットカードタイプだ。
デビットカードタイプのスマホ決済サービスは既に複数あるが、Bank Payの最大の特徴は最大1,000以上の金融機関に対応予定の「オールバンクサービス」という点にある。メガバンクだけでなく地方銀行等、合計で1,000以上の金融機関に対応するということで、金融機関を跨いだ共通サービスと言っていいだろう。
Bank Payアプリがあれば、どの金融機関に口座を持つ方であっても利用できる、というのは確かに便利かもしれない。
ただ、各金融機関も独自にデビットカードを発行しているし、スマートフォン向けアプリで決済サービスを提供していたり(今後の提供予定も含めて)もするので、最終的にBank Payの方が良いかどうかは実際に使い分けて比較してみないことにはわからないかもしれない。
それもあってBank Payの付加サービスも気になるところだ。
実際、Bank Payを魅力あるサービスにするため、様々な検討が行われているようだ。Bank Payの機能を小売企業等に開放し、ユーザーが普段利用している飲食店のクーポンアプリやアパレルブランドのショッピングアプリなど、各企業独自のアプリ内でもBank Pay経由での支払い機能が利用できるようになるという。
Bank Payとの連携を取った企業は、自社のアプリ内で会員証・ポイントカード等の販促機能に加えて支払い機能を手軽に導入できることになる。ユーザーにとっても一つのアプリで支払いまで完了できる、という利便性を得られる。
スマホ決済サービスというか、その中のバーコード決済サービスはここ半年で急激に増加中だが、その多くが電子マネーサービスとクレジットカード決済の組み合わせとなっている。一方で、Bank Payのようにデビットカードタイプで銀行口座から引き落とすサービスは多いわけでもない。バーコード決済サービスの多くがユーザー確保に向けて大規模な予算をかけて高還元キャンペーンを実施しているが、デビットカードタイプのサービスではそこまでのキャンペーンは打っていない。
電子マネー/クレジットカードタイプのサービスと、デビットカードタイプのサービスとでは根本的にユーザー層が異なるようにも思われるので、意外とあまり競合しないかもしれない。そうなると対応金融機関が多い、Bank Payのような共通サービスがデビットカードタイプの市場におけるシェアを確保する可能性は十分あるかもしれない。
最終的に魅力あるサービスになるかどうかは今秋のサービスインの時にわかるはずだ。
【情報元、参考リンク】
・日本電子決済推進機構/プレスリリース(PDF)
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