まずはauの携帯電話ユーザー向けの提供となるが、今夏にはオープン化され、auの携帯電話ユーザー以外でも使えるようになる予定。すなわち、NTTドコモ、ソフトバンク、ワイモバイルといった他キャリア、UQモバイル、LINEモバイルなどのMVNOユーザーも利用できるようになる見込み。
au PAYの使い方は「PayPay」などの他社のスマートフォン決済サービスとほぼ同じ。
自分のスマートフォンにバーコードを表示させて店頭のレジで読み取ってもらえばいい。au PAYに限らず、バーコード方式のスマートフォン決済サービスの多くで共通する流れ。このようなスマートフォン決済サービス、電子マネーサービスにおける最終的な支払いは、サービスに登録したクレジットカード、もしくは銀行口座等からチャージした電子マネー残高から行うようになっているが、au PAYの場合は「au WALLET」サービスと統合されていて、「au WALLET プリペイドカード」の残高をそのまま使うことができるようになっているし、「au WALLETポイント」を使ってのチャージもできる。
結局のところau WALLETと何が違うのか? と問われると、バーコード決済が可能になった、というのが最大の違いだと言える。
au PAYの残高チャージはau WALLETの残高チャージと同じで、WALLETポイント、auかんたん決済、クレジットカード、現金等でできるようになっている。auユーザーにとって便利なチャージ方法はauかんたん決済で、残高が不足している時にその場で不足分を自動でチャージすることもできる。
実際にはau WALLETの追加サービスのようなイメージであり、使用するアプリも専用アプリではなく、「au WALLETアプリ」となっている。
支払いごとにポイントを付与してもらえるのはau WALLETと同じ。au PAYでの支払いでも通常は200円(税込)ごとに1ポイントの付与となる。ただし、「auスマートパスプレミアム」の会員であれば200円ごとに3ポイント付与されるので、au PAYの利用機会が多い場合には「auスマートパスプレミアム」に加入した方が逆にお得になるかもしれない。
また、今回KDDIはau PAYのサービス提供開始を記念したキャンペーンを複数企画実施する。
最もお得な企画は「三太郎の日」とのコラボキャンペーンで、4月23日は、「au STAR」会員なら5%(200円ごとに10ポイント)還元、「auスマートパスプレミアム」会員なら20%のポイントを付与してもらうことができる。
さらにau WALLETポイントからチャージをするだけでチャージ額が増額される企画も実施される。このキャンペーンの方が期間が長く、4月15日10時から30日20時までの間にau WALLETポイントからチャージすると、チャージ額が10%増額される。注意したいのはこの企画は対象チャージ総額が100億円に達した時点で終了してしまうという点。「チャージ総額」が100億円に達したら終了なので、キャンペーン企画用の10%ボーナス分の予算総額が100億円ではないことに注意が必要だ。そのため、意外と早期終了してしまう可能性が高いと思う。
また、「食べログ」掲載の対象店舗でau PAYで支払いをすると5%のポイント還元、という企画もある。こちらは実施期間がさらに長く、4月23日から7月31日までとなっている。
そんなわけで新たに登場するauの新決済サービスだが、auの場合はau WALLETが以前から存在していて、au PAYはau WALLETにバーコード決済機能を追加しただけ、という形に近い。にも関わらず、au WALLETとau PAY、従属する関係とは一見分からない、独立したサービスに見える名称が2つあるので、個人的には少々混乱しそうな気がする。というのも、例えば、au WALLETを使えるお店にはau WALLETのステッカーが掲示されているわけで、新たに登場するau PAYを使えるお店にはau PAYのステッカーが貼られる。最終的には支払い時に店頭で伝えるサービスブランドは統一される気がするが、どうなるのかは分からない。
いずれにしても今回、新サービスが登場することでお得なキャンペーンも実施されるし、すでにau WALLETを日常生活で活用している方の場合は違和感なくau PAYも使えると思うので、キャンペーンを上手く活用すると大きな還元を受けられると思う。
なお、冒頭でも触れたように、au PAYは今夏をめどにオープン化される予定となっている。これはKDDIがアカウントサービスの「au ID」を一般開放することに合わせた動きの一つで、auの携帯電話ユーザー以外でもau IDを取得/利用できるようになる。そのため、オープン化の際にはau IDを取得すればau PAYも利用できるようになる予定だ。
ちなみに、au PAYの主な加盟店リストは下記の通りだが、詳細は公式サイトで確認してほしい。
<▲図:au PAYの加盟店リスト> |
スマートフォン決済サービス、共通ポイントサービス、電子マネーサービスは本当に熾烈な戦いの市場になりつつあると思うが、一方で、各社が予算を確保してお得なキャンペーンを実施しているので、上手く活用すると、かなりお得だと思う。
【情報元、参考リンク】
・KDDI/プレスリリース
・au PAY公式サイト