Pixel 3とPixel 3 XLは日本市場でも11月1日に発売予定で、Googleによる直販の他、NTTドコモ(以下、ドコモ)とソフトバンクも取り扱う。Pixel 3、Pixel 3 XLはauの通信方式にも対応しているため実際には国内のいずれの通信キャリアでも使用できる。
<▲図:Pixel 3(カラー:ノットピンク)> |
ただし、ドコモ、ソフトバンクから販売されるPixel 3とPixel 3 XLは出荷時にはSIMロックが掛かっているので注意して欲しい。もちろん条件を満たせば解除できる。
発売日は11月1日だが、ドコモとソフトバンクでは10月19日(金)10時より店舗およびオンラインショップ(ドコモオンラインショップ、ソフトバンクオンラインショップ)において予約受付を開始する。発売日など早期入手を確実にしたい方は予約した方が無難だろう。
Googleの自社ブランドスマートフォンの日本市場での本格展開となると「Nexus」シリーズ以来なので注目のPixel 3、Pixel 3 XLだが、これらの2機種は「Google Pay」「おサイフケータイ」に対応する、という点からも注目を集めるはずだ。
「おサイフケータイ」アプリについては既存ユーザーには説明不要だと思うが、Google PayはGoogleが提供する統合決済サービスで、複数の電子マネーサービス、ポイントサービスを一括で扱うことができる。「おサイフケータイ」がガラケー時代から普及し切っていた日本の場合、Google Payも機能面では目新しい点はないが、今後グローバルに普及することが容易に予想されるサービスでもある。
Google Payは本記事執筆時点では「Suica」「nanaco」「楽天Edy」「waon」「QUICPay」といった5つのサービスに対応し、一つのGoogleアカウントでまとめて管理・利用できる。Google Payの場合も、店舗のレジで使いたい電子マネーの名称を伝えてスマートフォンを読み取り機にタッチするだけで支払える。
基本的にはSuica、nanaco、楽天Edy、waonが使えるだけでも多くの人にとって十分だと思うし、QUICPay経由でのクレジットカード利用もできる。また、今後も対応サービスは増えていくはずだ。
おサイフ機能から主なハードウェア仕様に話を移すと、Pixel 3とPixel 3 XLの大きな違いはディスプレイサイズとなっている。
Pixel 3は5.5インチでFHD+解像度のフレキシブルOLEDで、Pixel 3 XLはQHD+のOLEDとなっている。微妙に縦横比が異なる。Pixel 3は18:9で、Pixel 3 XLは18.5:9。どちらもHDR対応だ。
OSはAndroid 9で、3年間のOSおよびセキュリティアップデートが保証されているので、今後も最新のOSをいち早く体験できる。Nexusシリーズでは公式にアップデートの期間保証がされることはなかったが、Pixel 3およびPixel 3 XLでは3年間のアップデートが保証されている。最近はシャープも2年間のアップデート保証をしていたり、「Xperia」と「Galaxy」も期間保証こそなくても実際にはメジャーアップデートが大抵2回はされるようになってきているが、Pixelシリーズの場合はOSのメジャーアップデートの際、最初に導入される機種のリストに入るため、言葉通り、いち早く最新OSを体験できる。
プロセッサはQualcomm Snapdragon 845(2.5GHz + 1.6GHzのオクタコア)で、メモリ(RAM)は4GB、ストレージ(ROM)は64GBもしくは128GB。
最近は6GBメモリ搭載機も出てきているため、基本スペックだけを見ると超ハイスペックということもないが、十分高いレベルとなっている。バッテリー容量はPixel 3が2,915mAhでPixel 3 XLは3,430mAh、18Wでの急速充電に対応し、「Qi」規格のワイヤレス充電にも対応する。
ボディサイズはPixel 3が145.6 x 68.2 x 7.9mmで、Pixel 3 XLが158.0 x 76.7 x 7.9mm、重さはPixel 3が148g、Pixel 3 XLが184gとなっている。
カラーバリエーションはクリアリーホワイト、ノットピンク、ジャストブラックの3色だが、ソフトバンクでは両機種とも3色揃える一方で、ドコモではPixel 3のみ3色、Pixel 3 XLではノットピンクがない。防水・防塵仕様である点も嬉しい。
カメラではAIを使って撮影可能範囲に写っている商品/モノが何なのか教えてくれる機能「Google Lens」も利用できる。Google Lensではカメラに写っている商品などを認識するとその情報を教えてもらえる。インカメラがデュアルカメラになり、標準画角に加えて広角での撮影が可能な点も自撮りの際には便利だ。
なお、Googleでの直販価格は下記の通り。
・Pixel 3(64GB):95,000円(税込)
・Pixel 3(128GB):107,000円
・Pixel 3 XL(64GB):119,000円
・Pixel 3 XL(128GB):131,000円
直販の場合、SIMロックが掛かっていないSIMフリーの状態で購入できるものの、初期投資額は高い。
そのため、多くの方がドコモかソフトバンクで購入するのではないかと思う。月々の通信費から割り引くサービス「月々サポート」や「月月割」を適用できるので、実質負担額は半額程度に抑えられる。
ドコモの場合、Pixel 3の月々サポート額は41,472円(24回分割時、月々1,728円)で、Pixel 3 XLは40,824円(月々1,701円)。
約4万円引きになるので、機種変更、新規契約の場合の実質負担額はPixel 3が57,024円(24回分割時の月々の支払額は2,376円)、Pixel 3 XLが90,720円(月々3,780円)となる。ドコモ、ソフトバンクでは定価もGoogle直販価格と異なるので、前述の直販価格に月々サポートを適用するわけではないので注意して欲しい。
また、ドコモオンラインショップの場合は11月末までの限定特典として追加で5,184円の割引を受けられる。
そのため、ドコモオンラインショップでの購入では、前述の実質負担額から5,184円を引いた額になる。
ちなみに、MNP(他社から乗り換え)の場合は月々サポートの額がさらに増額されるので、もう少し手を出しやすい価格帯になる。MNPでのPixel 3の月々サポートの割引額は66,096円で、Pixel 3 XLは65,664円。すなわち機種変更・新規契約の場合と比べると、約15,000円ほど安いということになる。
ドコモは10月17日に今冬・来春モデルの新製品ラインナップを発表予定なので、仮に真っ先の予約をするとしても、2日間の余裕がある。慌てず、新製品ラインナップを確認してからPixel 3、Pixel 3 XLの購入を検討するのでも十分だと思う。「AQUOS R」以降シャープのAndroidスマートフォンも良くなって来ており、先日発表された新フラッグシップモデルの「AQUOS zero」も相当に良さそうだ(こちらの記事参照)。
当然、他のメーカーからも続々と新機種が投入される。
ピュアなAndroidスマートフォンを求める方、3年間にわたって最新OSを本当にいち早く体験したい方はPixel 3もしくはPixel 3 XLの一択だと思うが、そうでない場合には他機種も有力候補になってくると思う。
いずれにしても、今後発表予定の新機種も含めて今冬発売のスマートフォンは要チェックだ!
(追記)
10月16日、ソフトバンクがソフトバンクオンラインショップでの販売価格を発表。ソフトバンクはPixel 3の64GBモデルと128GBモデル、Pixel 3 XLの64GBモデルと128GBモデルを取り扱う。一括価格はGoogleの直販価格より僅かに上だが、ほぼ同じ。Pixel 3(64GB)が98,400円(税込)、128GBモデルが108,960円、Pixel 3 XL(64GB)が119,520円、128GBモデルが131,040円だ。
ソフトバンクの場合、ドコモの月々サポートとは異なる形での割引となる。ソフトバンクでは24回分割払いの場合は月月割はなく定価での購入となり、48回分割払いを選択した場合のみ実質的な割引を受けられる。ただし、それも25ヶ月目の支払い以降で機種変更をした場合のみ。機種変更を25ヶ月目以降に行うと残債が免除される。すなわち、25ヶ月目なら半額で済むことになる。しかし、4年使った場合は当然ながら割引なしで全額支払う形になってしまう。
ドコモとソフトバンクとではPixel 3、Pixel 3 XLの販売スタイルが異なるので注意してほしい。
【情報元、参考リンク】
・Google Pixel 3公式サイト
・ドコモオンラインショップ
・ソフトバンクオンラインショップ