<▲図:Mobile World Congress 2018でZenFone 5シリーズを発表したASUS> |
しかし、ASUSという企業を長く見てきた人たちは、「ASUSがついにスマホに本気になった」ことを感じるはずだ。
現在、ASUSを代表するノートパソコンに「ZenBook」シリーズがある。
ASUSのノートパソコンは世界市場のシェアで米Appleと3位、4位を争うほどだが、初登場時には、ZenBookはMacBook Airに似せ過ぎでは? という意見を持つ人が比較的多くいたように思う。
ZenBook登場前のASUSのノートパソコンといえば、信頼性の高い製品ではあるが、特にブランディングは確立されておらず、高い評価を得ることには成功していなかったと思う。それがZenBookで知名度を上げ、ASUSのノートパソコンの評価を確立した。そんなもZenBookも、今では様々なバリエーションモデルが展開され、世界的に高いシェアを得ている。
最近、世界市場でMacBookのシェアが伸び、ASUSのシェアを抜いたというニュースがあったが、逆に言えば、少し前はASUSが勝っていたわけだ。さすがである。
日本でのZenBookの新製品発表会は、ASUSのCEOであるジョニー・シーが司会をしており、僕も取材参加していた。
その発表会では、AppleのMacBook Airとさんざんスペックと価格を比較して、「ほおら、ZenBookはこんなにスペックが高くても価格が安いんだぜ」と、明るくコスパの良さをアピールしていた。そして、ZenBookの外観はMacBook Air激似のオシャレさだった。
僕はこの変なおじさんがすっかり気に入って、ZenBookの最上位機種を買った。
実際、さすがASUSというクオリティの高さで、購入後、長年に渡って僕の役に立ってくれた。
世界でもZenBookは高く評価されてベストセラー商品となり、ASUSのノートパソコンのコア商品となり、現在では第3世代商品のZenBook 3や、その派生機種も登場している。そして、ASUSのノートパソコンはシェアを大きく伸ばし、世界でAppleと競うほどに成長したわけだ。奇跡的な成長だね。これもジョニー・シーの圧倒的な勘違いというか、俺ならMacBook Airそっくりの外観で、それを超えたパソコンを作れちゃうぜ! という自信がもたらしたものだ。あのMacBook Airそっくりというのを、世間はデザイン的なパクリぐらいに考えたが、ジョニー・シーは俺様が勝ってるだろう? と考えた。
そして今、iPhone Xにそっくりとも言われる外観を持つスマートフォンZenfone 5Zを誕生させる。
技術的には最近はAndroidのパクリばかりしているiPhoneがZenFoneに勝てる部分は多くない。
ジョニー・シーは再び世界に問おうとしている。俺様のスマホは凄いだろうと。そして、「おまけにiPhoneより安いんだぜ」というわけだ。
ZenFone 5Zは今までにない成功を収めて、世界にASUSのスマホの存在を知らしめることになるのだろうか? 僕は成功すると信じている。ジョニー・シーは成功するのに十分なほど馬鹿野郎だからだ。
記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo、
ブログ:一条真人メモ
クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。
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本コラムは毎月第2・第4火曜日更新予定!
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