富士通と投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループ(以下、ポラリス)は31日、富士通の連結子会社である富士通コネクテッドテクノロジーズの株式および富士通周辺機の携帯端末事業を承継する新会社の株式をポラリスが新たに設立する会社へ譲渡することで合意し、同日に契約を締結したと発表した。今後、両社は3月末をめどに株式の譲渡を目指す。
事業譲渡の流れは若干複雑なので、富士通の携帯電話端末事業から振り返る。
まず、富士通は約2年前の2016年2月に携帯端末事業を行う100%子会社として富士通コネクテッドテクノロジーズを分社化した。経営責任を明確にし、経営判断のスピードアップと徹底した効率化を追求する体制を構築するため、としていた。
一方、富士通周辺機では携帯端末をはじめとするユビキタス製品の開発・製造・修理を行う社工場を持つ。
今回の事業売却ではまず富士通はジャパン・イーエム・ソリューションズを新たに設立する。この会社が富士通周辺機の携帯端末事業を承継する。合わせてシニア向けSNS「らくらくコミュニティ」は富士通コネクテッドテクノロジーズが承継する。その上で、富士通が持つ富士通コネクテッドテクノロジーズとジャパン・イーエム・ソリューションズの株式をポラリスが設立する新会社に譲渡する。
富士通は新体制となる富士通コネクテッドテクノロジーズとジャパン・イーエム・ソリューションズの株式をそれぞれ30%、19%ずつ保有する。そのため、完全に切り離される、というわけでもない。
富士通コネクテッドテクノロジーズは新体制への移行後も引き続き、通信キャリア向けの「らくらく」ブランド、「arrows」ブランド、自社ブランドの製品を手掛けていくという。
富士通周辺機は、富士通の100%子会社としてプリンタの開発・製造および各種製造設備等のODMビジネスを担う。
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