<▲図:モバイル通信業界に参入したとき三木谷氏は「通信業界に風穴を開ける」と宣言したという> |
端末開発に関しては発想とアプローチは結構面白かったのだが、まだ未成熟な部分があり、今後に期待していた。同社は端末の開発と製造は売却せずに残すので、今後の動向に注目したい。
さて、そんな楽天だが、楽天は「楽天モバイル」というブランドでMVNO事業を行っている。楽天は楽天モバイルとフリーテル(以降は、まとめて「楽天モバイル」とする)、二つのブランドでMVNO事業を展開していくわけだが、このMVNO市場でのシェアは現在の業界3位から2位にランクアップできるようだ。
ちなみに、これまで2位だったのはIIJだ。日本の通信界ではかなりの老舗であるIIJが総合商社的な楽天に抜かれてしまったのもショッキングと言えばショッキングだ。
最近、IIJのMVNO回線がやや遅くなっているのではないか? という噂もあったりして、シェアの割には元気がなかった気がするが、実際に楽天モバイルに抜かれるとちょっと驚く。
ちなみに僕は最近、偶然、楽天モバイルとIIJのモバイル回線の速度を比較する動画を作っていたが、楽天モバイルの方がかなり速いという結果になっていた。回線インフラはどちらもNTTドコモのものを使っている。
そして、楽天モバイルは最近、通信速度制限がかかっても、1Mbpsのスピードが出る「スーパーホーダイ」で人気が高まり、シェアを急速に伸ばしているところだった。
なにか歯車が合っているというか、時間の問題で来るべくして来たという気もする出来事だ。
ちなみにその上にいるのはNTTコミュニケーションズだ。「OCN モバイル ONE」と言えばお馴染みだろう。最近、データ通信のコスト抗争に嫌気がさしてか、通話料金で勝負する気になっているのか「トップ3かけ放題」というオプションを開始している。
これは1ヶ月のうちで最も長時間通話をしたトップ3の電話番号への通話料を無料にするという驚異的なオプションで、大きな武器となるだろう。
スマホでは長時間通話をするというセグメントは現在あまり開拓されていない。つまり、スマホで長電話をする人はあまり多くないわけだが、このセグメントをNTTコミュニケーションズが開拓することができれば、楽天モバイルが次のステップであるシェア1位になることは難しいかもしれない。
とはいえ、今のところ、楽天モバイルは日本の通信業界に風穴を開けるのに成功した印象だ。
【参考リンク】
・楽天モバイル
・IIJmio
記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo、
ブログ:一条真人メモ
クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。
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本コラムは毎月第2・第4火曜日更新予定!
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