<▲図:実験のシステムイメージ> |
この実験は、ドコモと国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所(以下、ENRI)、全日本空輸(以下、ANA)、パナソニック(以下、パナソニック)、ジャムコ(以下、ジャムコ)が共同で7月13日から8月1日に行ったもの。場所は岩手県、宮城県、福島県の上空だ。
現在各社の航空機では機内Wi-Fiサービスが提供されていて、一昔前と比べると便利になってきたが、いずれも衛星通信を使ったサービスなので、どうしてもデータ通信速度が遅い。それでも全く使えない頃と比べると便利だし、一応はウェブサイトも閲覧できるし、SNSもできるし、メールもできるので、ありがたい。
とはいえ、もっと速度が速いにこしたことはない。
今回ドコモらはVHF帯TD-LTEの地対空通信方式の無線通信システムを宮城県に構築した。岩手県、宮城県、福島県の上空エリアでの実験局免許を取得し、ENRIが所有する実験用航空機「よつば号」にパナソニックが開発した航空機用端末を搭載し、ANAが作成した立体的な検証飛行ルートに基づき、ジャムコがよつば号を運航した。
<▲写真:よつば号> |
<▲写真:よつば号に装着された実験用アンテナ> |
この実験ではまず、実験基地局によって高度最大28,500フィート(8,700m)、半径最大93kmの上空エリアをカバーできることが確認されたという。
さらに、航空機の巡航速度が230ノット(430km/h)において、下り最大27Mbpsでの通信速度を記録している。
実際に、機内Wi-Fiサービスにおける利用シーンを想定したインターネット通信、メールやメッセージの送受信、ライブ映像の視聴、電子書籍の閲覧等を地上にいる時と同じように利用できることも確認されている。
将来、航空機内のWi-Fiサービスが高速化されれば飛行機の利用が今以上に便利になるだけに、早期商用化を期待したいところだ。
【情報元、参考リンク】
・NTTドコモ/プレスリリース