<▲写真:AQUOS R SHV39。 あまり特徴のないデザインだが、多くの人が抵抗なく受け入れられそうだ> |
ドコモではAQUOS Rを7月発売予定、ソフトバンクは7月上旬発売予定とされている。おそらく3社とも同日もしくはその前後に発売となるだろう。
<▲写真:曲面の多いデザイン。ホワイトボディは清潔感がある> |
それにしても最近のシャープは、国内スマートフォン市場でシェアを大きく落としているようだ。これには格安SIM/格安スマホ市場の拡大の影響があるのではないか? と僕は思っている。昔のシェア争いは基本的に3キャリア内に絞られていたが、今や格安SIM/スマホ市場も含める戦いになっている。現時点では格安SIM/スマホ市場の規模はまだまだ小さいが、どのみちシャープは3キャリア、格安スマホ、いずれの市場でも厳しい戦いとなっている。
シャープの「AQUOS」は、日本メーカーのスマホの中でも独特な製品だ。
いや、「だった」というのが正解かもしれない。ホワイトボディが基調でデザインやコンセプトなど、女性向きと思える印象を受ける機種が多かったように思う(筆者の主観だが)。これは白物家電の流れを汲んだからなのかもしれない。まあ、ガラケー時代を含めてもシャープのケータイは白物家電、テレビ寄りだった。
そんなシャープだが、今春の商戦期には新製品を投入しなかった。
春モデルがなかったことで、「シャープは消えてしまうのか?」と心配に思った人もいるかもしれない。しかし、シャープのスマホはちゃんと帰ってきた。
そして、帰ってきた新しいシャープのスマホは、ちょっと芸風が変わっていた。
なにしろ、名前の末尾に「R」がつくのだ。なんだか、だいぶ、男らしいじゃないか!(もちろん筆者の主観)
ちなみに、このAQUOS Rという名称は、シャープのスマートフォンのフラッグシップモデルの名前として今後使われることになっている。シャープは今夏モデルからフラッグシップモデルの名称をAQUOS Rにすると、2ヶ月ほど前に正式発表しているからだ。
主要スペックに目を向けると、確かにトップレベルだ。
しかし、本当に凄いのはプロセッサやメモリ、ストレージなどではない。
大注目なのは、採用されるディスプレイが「ハイスピードIGZO」だということ。ハイスピードIGZO採用機種は今回が初めてではないが毎回進化している。ハイスピードIGZOでは、一般的な液晶ディスプレイの60Hzの2倍となる120Hzで駆動するので、描画が滑らか。スクロール操作時などの画面表示もとてもスムースだ。
<▲写真:60Hzと120Hzの比較だが、実際に見ると表示が滑らかだ> |
そして今回のディスプレイではそれに加えて、「HDR」にも対応し、ダイナミックレンジの広い映像を表示することができる。
現時点ではHDR対応コンテンツが少なく、あまり役に立たないのでは? と思う人もいるかもしれないが、AQUOS Rはただ単にHDRに対応するだけでなく、「バーチャルHDR」機能を搭載し、普通の映像もHDR映像に変換して表示させることができる。この映像は普通の人が目で見てわかるほどの違いだ(※ただ、好みは分かれるかもしれない。元々HDRではない映像を強制的にバーチャルでHDR変換しているので映像の印象は変わってしまう。好みでなければオフにすればいいだろう)。
<▲写真:バーチャルHDR機能のオン/オフ比較 (※ドコモの発表会で撮影したものだがau版も同じ機能)> |
HDR関連の機能は現時点ではスマホとしての利点にはあまり結びつかない感じだが、今後HDRコンテンツが増えてきたときに大きな武器となるだろう。
また、カメラ機能にも非凡なものがあり、約2,260万画素(広角約90度のレンズ採用)のセンサー、光学式手ブレ補正対応のメインカメラと約1,630万画素のサブカメラを搭載している。光学式手ブレ補正はやはり手ブレを強力に抑えてくれて良い。また、構図に関してはお勧めの構図に補正してくれる「インテリジェントフレーミング機能」が便利だ。カメラアプリは軽快に動作し、良い感じだ。ちなみにサブカメラにも電子式手ブレ補正が搭載されている。
シャープのスマートフォンなので人工知能「エモパー」も搭載するのだが、もちろん今回も進化。ToDoなんかも教えてくれる。「ハロー、エモパー」と声をかければ色々聞いたりできる。
さらに、今回は「ロボクル」という、電動で回転する充電クレードルが付属する。電話着信時やアラーム鳴動時、メール通知や不在着信がなどがある時に、回転してユーザーを探して教えてくれる。
シャープ独自の要素が色々と多いAQUOS Rだが、ロボクルなどは「ロボホン」からノウハウを得たものだろう。そもそもがエモパーもロボホンもシャープのAIプロジェクトなので、コアは同じということだろう。
AQUOS Rはハイスペック機種かつ、単にハイパフォーマンスという以上の機能を持っている。しかし、その基本的なデザインは従来のものを継承している。これに不満がある人もいるようだが、僕は基本デザインの継承は悪くないことだと思う。ただし、少し男らしいデザインになったような気がするのは僕だけだろうか?
AVメーカー、ロボットメーカーとして独自のアイデンティティを持つスマホであり、AQUOSは新たな魅力とともに帰ってきた。
<▲写真:au向けモデルの3色> |
<▲写真:こちらはドコモ版。ドコモ版も基本は同じだがカラー、ロゴ、通信速度などは異なる> |
最後に基本スペックをまとめておきたい。ちなみに、下り最大590Mbpsへの対応も特徴の一つだ。ワンセグ/フルセグ、おサイフケータイ、防水・某人にも対応している。
・OS:Android 7.1
・CPU: Snapdragon 835 MSM8998(オクタコア)
・メモリ:4GB(RAM)、64GB(ROM)
・ディスプレイ:5.3インチのハイスピードIGZO(解像度:WQHD)
・バッテリー容量:3,160mAh
・ボディサイズ:約74 (W) x 153 (H) x 8.7 (D) mm、最厚部 8.8mm
・重さ:約169g
・カラー:マーキュリーブラック、ジルコニアホワイト、ライトゴールド
※更新情報:製品版のレビュー記事も用意しました。
・au版AQUOS Rレビュー記事
(記事:一条真人)
【情報元、参考リンク】
・au Online Shop