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雪山遭難者をドローン等で探す実験をソフトバンクが実施。雪中4m下に埋もれたスマホの位置の特定にも成功

ソフトバンクは22日、冬山登山やスキーなどによる山岳での遭難事故における遭難者の迅速な救助を目的とした事業(「携帯・スマホ等を活用した遭難者の位置特定に関する調査検討」事業)について、調査検討結果を総務省北海道総合通信局に報告したと発表した。この事業は、総務省北海道総合通信局から昨年8月に受託したもの。

<▲図:実証実験で使用された気球・ドローン無線中継システム>

事業の趣旨は、スキー場などでの遭難事故の際に、遭難者が所有する携帯電話・スマートフォンなどを使って、遭難場所を特定する技術的な試験や調査を実施するというもの。

Anroid、iOS機器では端末に搭載されたGPSを活かして、紛失時などにパソコンや他のスマートフォン、タブレットなどからおおよその現在地を調べることができるが、それはあくまでも一般的な環境下に端末があるときだけ。

山、特に雪山では同じようにはいかないと考えられるが、今回ソフトバンクが行った実験では、例えば雪中の約4メートルの深さに埋もれたスマートフォンの位置を、ドローンや気球を活用した無線中継局を使って特定することに成功している。

今回の報告では、遭難者の携帯電話、スマートフォンの位置を探すために、係留気球無線中継システムと、新たに開発されたドローン無線中継システムなどの臨時無線中継システムを活用し、実際に位置を特定できるかどうかが検証された。合わせて、雪質などがGPSの受信や携帯電話、スマートフォンなどの通信距離に及ぼす影響も調べている。

実験は北海道虻田郡倶知安町のスキー場において、昨年12月に実施された。

<▲図:臨時無線中継システム>

携帯電話、スマートフォンが雪の中に埋もれた状況において、高度約100メートルに浮揚させた係留気球無線中継システムとドローン無線中継システムを用いて、携帯電話、スマートフォンの位置を特定するわけだが、迅速な救助にはドローンが向き、長期間の運用には気球が向く。

雪質が影響するかという点については、含水率が関係している。含水率が高くなるほど、さらには電波の入射角が大きくなるほど、周波数が低くなるほど、雪中での通信可能な深さが短くなるが、理論予測値と実際の実験データの値のズレが小さいことが確認されている。

【情報元、参考リンク】
ソフトバンク/プレスリリース

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