<▲図:ついにGalaxyも採用した「ナビゲーションバー」 (画像は公式ハンズオン動画から)> |
ところで、Samsung Electronicsが3月30日(アメリカ東海岸時間)に発表した新フラグシップスマホ「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、Galaxy Sシリーズとしては初めて「ナビゲーションバー」を採用したことが筆者の中では大きな話題となっています。でも、ナビゲーションバーって一体何なのでしょうか……?
■まずは「ナビゲーションキー」を知るべし
Androidでは、システム操作に使うキーを「ナビゲーションキー」と呼びます。Android 2.xまでのナビゲーションキーは「メニュー」「ホーム」「戻る」と「検索」(一部で採用)の4つで、ハードウェアキーまたはタッチセンサーで搭載されていました。
<▲図:Android 2.x世代のナビゲーションキー(写真は「ARROWS X F-05D」)> |
■Android 3.xからは画面上の「ナビゲーションバー」が原則に
<▲図:タブレット用のAndroid 3.0で初登場した「ナビゲーションバー」> |
タブレット用のプラットフォームとして登場したAndroid 3.0(※編集部注:もう覚えていない方もいるかと思いますが、Android 3.xは異色で、タブレット専用OSでした)では、ナビゲーションキーが「ナビゲーションバー」として画面内に表示されるようになりました。標準では「戻る」「ホーム」「履歴(タスク)」の順に配列され、スマホ向け(≒Android 1.x/2.x向けアプリ)を使う場合のみ「メニュー」キーも表示されていました。
<▲図:Android 4.0からはスマホもナビゲーションバーの採用が原則に> |
スマホ向けとタブレット向けのプラットフォームが統合されたAndroid 4.0では、Android 3.xと同じくナビゲーションバーを原則として用いることになりました。
Galaxy(GALAXY)シリーズのように以前の端末との一貫性を重視してナビゲーション「キー」を採用し続けるメーカーや端末もありましたが、ほとんどのメーカーは次第にナビゲーション「バー」に移行していきました。
■Galaxy S8/S8+がナビゲーションバーを採用した背景は?
Galaxy S8/S8+の話に戻りますが、両機種が初めてナビゲーションバーを採用した理由はいろいろあります。
まず、縦長ディスプレイ(Infinity Display)の採用によるボディーのサイズアップを抑制すること。ボタンやセンサーを取り除けば、それだけ縦のサイズを抑えられますし。
次に、バージョンアップするにつれて、Androidに「画面上のナビゲーションバー」を持つことを前提にした操作が増えていったことです。Galaxyシリーズを含め、画面外にナビゲーションキーを用意するメーカー・機種は工夫してその操作に対応する代替措置を組み込んできましたが、それも難しくなりつつあります。今後の機能拡張を視野に入れる場合、あえてハードウェアキーでナビゲーションキーを持たせると寧ろ不利な可能性があるのです。
さらに、他社のAndroidスマホから買い換えてもらう、という観点では他社の一般的なAndroidスマホとナビゲーションキーの配列が逆ということもナビゲーションバー採用に影響したものと思われます。
<▲図:Galaxyシリーズは多くのメーカーとナビゲーションキーの配列が逆なのです……> |
S8/S8+では、標準で従来と同じ「履歴」「ホーム」「戻る」の配列となっていますが、画面表示であることを生かして「戻る」「ホーム」「履歴」という他社と同じ配列に変更できるようになりました。他社からの乗り換えにおける最大の懸念事項の1つが、ナビゲーションバー採用で解決できたのです。
ということで、今後、S8/S8+以外のGalaxyシリーズにもナビゲーションバーが採用されると個人的にはうれしいのですが、どうなるでしょうか……?
記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue
静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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本コラムは毎月第1・第3日曜日更新予定!
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